ストーリーレーベル・ノーミーツ、および株式会社パラドックスは、地方へのIターン・Uターン就職をテーマに、企業をアピールする動画ではなく、就職を考える学生向けに「社会人としてどこで暮らしていくのか」を提案したブランデッドフィルム「home」を制作し、四国電力株式会社の採用サイト上で公開しました。

本作の舞台は、四国のとある駅。東京に行くために家出しようとしていた高校生が、かたや東京からやってきたという女性と偶然出くわします。荷物も持たず電車から降り立ったその女性は「ねぇ、お腹すいた」と高校生に話しかけ、ふたりはお好み焼き屋へ。

女子高生は好きなバンドの話を女性にし、東京の武道館で行われた解散ライブに親が反対したから行けなかったと話します。「単純にさ、こっから出たいんよ、わたし。選択肢がないけん。東京はここより絶対に人生がマシ。好きなこと、自分で選べるはずやけん」と、サッカーボールを蹴りながら言うと「家から武道館まで20分、だけど1回も行ったことない」と女性が返します。

夕暮れ時になり、ふたりは海へ向かいます。東京の大学を受験したけど全滅だったこと、地元の大学から補欠合格の連絡がきたこと、ここに居場所なんかないと笑いながら話す高校生に、女性は合わせながらも浮かない顔を見せます。

海に着いたふたりは、夕日に染まった空と海を眺めています。「きれい」とつぶやく女性に「なにもないだけやん」と高校生。「東京も同じ、なにもなかった。ここじゃないどこかへ行っても何も変わらないんだよ。選択肢とか場所とかじゃない」と女性が言うと、「そんなん行かんとわからんやん」と返します。

「でも逆に、ここに残らんとわからんやった人生もあるんやないん? どんな人生があり得たんやろう、わたし」と女性が続けると、「ないやん、ありえた人生なんか、結局ないやん。ずるいわ、自分で選んだんやろ。それこそ自分次第やんか」と声を荒げる高校生。

夜になり、女性は電車に乗って帰ろうとしています。ホームのベンチには、昼間と同じように高校生が座っています。「同じだったんだ。居場所、見つかるといいな」と女性が誰にいうでもなくつぶやき、高校生が座っているベンチを見ると、そこには誰もいませんでした。

オール四国ロケで行われた本作の監督は、ノーミーツ×オールナイトニッポンコラボ公演「あの夜をおぼえてる」にて映像監督を務めた宮原拓也さんで、四国電力チームと議論を重ねながら「自分の居場所とは何か」を考えるきっかけとなる作品を目指したそうです。

宮原監督は、「地方で生きることと、都会で生きること。あたりまえですが、正解はなく、人それぞれの答えがあると思います。この映画でもそこについて明確な答えはだしておらず、見る人に解釈を委ねるような作品になりました。就職活動のタイミングで、周囲に流され、なんとなく生きる場所が決まるのではなく、ほんの少しでも良いので、自分の居場所とは何かをご覧くださった方が考える機会となると嬉しいです」とコメントしています。

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