“LET’S BREAK THE GENDER BIAS(一緒にジェンダーバイアスの壁を壊そう)”というストレートなキャッチコピーで制作された4種類のビジュアルは、同じ行動を取った男女が性別だけを理由に異なるレッテルを貼られてしまう理不尽さを表現しています。
スマートフォンのチャット画面を連想させるようなデザインで構成されたビジュアルは、いずれも会話形式で進んでいきます。「あの男の人、反論してきたよ」「きっと勇敢な人なんだね」と、肯定的に男性を評価したかと思いきや、続いて「あの女の人、反論してきたよ」「なんて失礼な人なの」という女性への理不尽な指摘が描かれます。
「彼はいつも帰りが遅いね」「なんて働き者なんだ」と遅い時間に帰宅する男性は称賛される一方で「彼女はいつも帰りが遅いね」「なんて自分勝手な人なんだ」と同じ行動を取った女性は否定されてしまいます。
「帰りが遅い」という事実に対し、実際に何があったのかは省略されていますが、生物学的性差によって事実への評価がまったく変わってしまうのです。
その他にも「彼はよく女性と遊んでいるね」「素敵な人だね」に対して「彼女はよく男性と遊んでいるね」「無責任な人だね」というバージョンや、「彼の服装、ボディラインにフィットしているね」「魅力的な人だね」という会話に対して「彼女の服装、ボディラインにフィットしているね」「場違いな格好をしているね」など、根拠のない偏見に基づいた差別的発言を取り上げた広告は、2つの出来事を対照的に見せることでその理不尽さを際立たせています。