<「素敵なダイナマイトスキャンダル」整音>

 マイメン冨永監督が5年越しの夢である、末井昭氏の一代記「素敵なダイナマイトスキャンダル」を完成した。私は音楽を担当し(小田朋美氏と共同)、ちょっとだけカメオ出演もしている。最近、当欄での口を慎めと言われているので慎むが、どう少なく見積もっても、音楽は最高である。私が手がけた実写の劇伴の中でも間違いなく最高峰に入る。

 写真は暗くて見づらいだろうが、整音(映画には夥しい数のサウンドトラック=音楽だけでなく、台詞、状況音、効果音、等々が入っているので、それをミックスダウンする事)用のスタジオである。普通の大きめな映画館の後ろに、音楽スタジオのブースがくっついている様な所で、初めて行ったし(基本的に、音楽家は整音には手が出せないのだが、これは古い慣習で、出そうと思えば出せる。私はガンダムから整音に携わる様になったが、映画館ではやらず、アニメ屋さんの、小さな整音ブースでやる)、第一にとても面白い仕事だし、第二に、フランソワ・ミュジーが何をしていたかーーー特に、プロトゥールス前夜のソニマージュ工房でーーーといった事がリアリティを持って迫って来る。