あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
今年は1月に毎年恒例の京田知己監督による絵コンテ講座を、2月に伊藤智彦監督が好きな実写映画を語る講座を行います。
興味有る方は是非、足を運んでみてください。
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1.最近のお仕事紹介
2.前回のアニメの門チャンネル
3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
4.お蔵出し原稿
5.連載一覧
最近のお仕事紹介
1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
1月20日「君にも描ける!絵コンテ講座」特別講師:アニメーション監督 京田知己
2月17日「アニメと戦争2 『ヤマト』と『ガンダム』編」
3月17日『君の名は。』
【受講申込】
2.朝日カルチャーセンター新宿教室 伊藤智彦監督『この映画の話をしよう』
『ソードアート・オンライン』の伊藤智彦監督をお招きして、映画『太陽を盗んだ男』のお話をうかがいます。伊藤作品にも影響あったという『太陽を~』。いろんなアニメに影響与えた本作の真の魅力とは!?
【受講申込】
2.1月のSBS学苑
1月28日『ラブライブ!The School Idol Movie』
同作のの魅力について考えます。またプラスαで沼津市が舞台になっている『ラブライブ!サンシャイン』のほうにも触れます。【受講申込】
前回のアニメの門チャンネル
12日のアニメの門チャンネルはゲストにライターの前田久さんと高橋克則さんを招いて「2017年はコレ!だった発表会」というタイトルで配信しました。
それぞれが5つの「コレ!」というタイトルを挙げて、そこを入り口に2017年を振り返るという趣向でした。19日までTS視聴できますので、未見の方は是非。
3人のコレ!以下のとおりです。なぜその作品を取り上げたかは是非配信で。
高橋克則
・『映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッ!と!想い出のミルフィーユ』
・『BLAM!』(銃の音がスゴイ)
・『レゴ(R)バットマン ザ・ムービー』(小島よしお)
・『夜は短し歩けよ乙女』(顔色)
・『アニメガタリズ』
前田久
・『ビッグマウス』
・『BLAME!』 3DCG元請け時代
・『かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ』
・『夜明け告げるルーのうた』
・『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』 再編集映画の底力
藤津亮太
・『GODZILLA 怪獣惑星』(世界との距離)
・『我は神なり』(世界長編ブーム)
・『サクラクエスト』(テーマはどこにあるのか)
・『ラブライブ!サンシャイン』(ソシャゲとアニメと)
・『罪人はされど竜と踊る』(いろいろ大変)
連載「理想のアニメ原画集を求めて」
文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)
第57回『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』
先日開催された「コミックマーケット93」で、早速この『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』を購入してきました。
前回の『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.1』も分厚い本でしたが、今回はそこから更に100ページ以上分厚くなって、内容もより充実しています。
掲載作品は、『走れメロス』、『新世紀エヴァンゲリオン』(TV版)、『PERFECT BLUE』、『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(パイロット版・劇場版)、『ラーゼフォン』、『ひるね姫』の6作品。
さらに、コミケでの先行販売とアニメスタイルONLINE SHOPの期間限定先行予約販売で購入すると、パラパラマンガ形式の『磯光雄Flip Book』が特典として付属されていました(現在は購入不可)。
どの作品も磯光雄さんのお仕事の代表作と言っても過言ではなく、これが1冊にまとまっているのは本当に夢のようですね。
『走れメロス』は、『ももへの手紙』や『人狼』の沖浦啓之さんの初キャラクターデザイン作品でもあり、豪華な作画スタッフの集まった作品でした。VHSやLD全盛期の作品で、DVDソフト等の発売がされておらず、現在では視聴も困難な作品となっているので、資料が見られるのは貴重なことですね。
インタビューにも名前が上がっていますが、この後のシーンを続けてうつのみや理さんが担当しており、豪華なリレーとなっています。磯さんのお仕事の中では動きの方向性が特別で、動き方が滑らかな形になっており、後のパートのうつのみやさんの描く特徴的な滑らかな動きと見比べてみたいなと原画集に掲載された原画を見て思いました。今後DVD等でソフト化されると良いのですが……。
『新世紀エヴァンゲリオン』では、磯さんはTV版と劇場版両方に参加されているのですが、今回はTV版でのお仕事のみの掲載でした。
磯さんのお仕事の中でも代表作となっている『エヴァ』関連のお仕事ですが、『エヴァ』のファンの中でも印象的なシーンを担当されています。磯さんは、『エヴァ』では脚本や設定での参加もされています。今回収録されているものだと、見どころとなっているのは、第1話の使徒と軍隊との市街戦やシンジとミサトの出会いのシーン、第15話に登場するリリスのデザイン、そして第19話の覚醒した初号機が使徒を捕食するシーンなどが代表的なものです。特に第19話のクライマックスにあたる初号機の一連のシーンが強く記憶に残っている人は少なくないのではないでしょうか。
覚醒した初号機は、獣のように這いつくばったり、呼吸を感じさせるように口から蒸気を出したり、まばたきしたりと、突然生物的な動きをし始めて、当時観た時の衝撃は展開も相まって物凄いものでした。
今回、同じく原画が収録されている『BLOOD THE LAST VAMPIRE』でも、クリーチャーの原画を担当されています。こちらのお仕事でも、そうした動きを堪能できるので、これが1冊にまとまっているのは嬉しいですね。
『BLOOD』は本編資料のみならず、パイロット版の原画も掲載されています。パイロット版は、DVDの特典映像として観ることはできますが、あまり知られていない映像なので、原画集に資料が掲載されるとは思いませんでした。劇場作品の『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』では銃器の設定も手がけている磯さんですが、原画を見ていると銃弾を発射した銃身がグニャリとした歪んだ形で描かれていたりして興味深いですね。
本編の原画もこれまた磯さんの代表作といって良い充実した内容で、量としても多めに担当されています。また、「ビジュアルエフェクト」として、この作品では撮影まで担当されており、そうした意味でも磯光雄濃度の高い映像が味わえる作品となっています。『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.1』に掲載された、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の爆発とはまたまるで違う爆発の描写に挑戦しており、『vol.1』と見比べられるのも楽しいところです。
『BLOOD』はデジタルの撮影を活かした最初期の作品でもあり、磯さんの担当されたシーン全体が画面的に暗いシーンとなっています。線としては画面で見づらかったカットでも、原画集では、人物の芝居やクリーチャーの生物的な描写、一つ一つのエフェクト、そのどれもを線一本一本までこだわりを持って描かれているのを見ることが出来ます。
『BLOOD THE LAST VAMPIRE』でデジタルでの撮影処理まで担当するようになった磯さんが、撮影的な仕事として参加していたのが『ラーゼフォン』です。『ラーゼフォン』での磯さんは、「デジタルワークス」として撮影や特殊効果、CGなどを駆使して、作画や美術にプラスαしていく仕事をされていたようです。今回は、そうした仕事に関する資料は掲載されませんでしたが、掲載されている脚本、絵コンテ、演出を担当された15話の資料は、演出家としてもアニメーターとしても、磯さんの仕事を知る上で貴重なものだと思います。
掲載されているのはレイアウト時の演出修正ですが、演出修正がこれだけまとまった量で原画集に載るのは、かなり珍しいことですね。原画集の歴史の中でも初めてかもしれません。内容も、磯光雄というスーパーアニメーターの演出修正ですから、これは歴史的に貴重な資料だと思います。
最後に『ひるね姫』の原画ですが、これはラフ原画までで、磯さんは第2原画までは担当されていないようです。インタビューによると、半分程はラフ原画までということなので、第2原画まで担当されたカットもあるのだと思いますが、今回は掲載されていないようです。しかし、演出修正と同じくらいにラフ原画の掲載も珍しいことですし、まさか磯さんのラフ原画がこんなに見られる日がくるとは思いませんでした。
前回の原画集では、内容がメカやエフェクトに偏っていましたが、今回はキャラクター、メカ、クリーチャー、エフェクトとバリエーションも豊かな内容となっています。1冊の原画集として、これだけ多岐に渡って内容が充実している原画集は、なかなか無いものだと思います。
掲載されている作品は、磯さんのキャリアの中でターニングポイントになっている作品でもあり、『エヴァ』では脚本、『BLOOD』では撮影、『ラーゼフォン』では演出と、作画とはまた違う職種に挑戦していきながら独自の映像を作っていく過程でもあり、また時代が進むごとにツールの面でも新しい挑戦をしている姿勢を原画集を見るだけでも感じることができます。
『走れメロス』から『ひるね姫』までの25年という時間が凝縮された原画集ですが、最先端の表現を渡り歩く、アニメーター以上の活躍を感じられる分厚い内容の本です。分厚くなった分だけ、より一層の見応えを感じる本ですが、見ているだけでも本物の天才の存在を感じさせられます。
これは、絶対に買ったほうが良い原画集だと思います!
(『磯光雄 ANIMATION WORKS vol.2』/株式会社スタイル/4,320円)
お蔵出し原稿
これから全5回で幻に終わった単行本原稿の「0稿」を掲載します。これが幻に終わったのはひとえに僕の力不足なのです。
「0稿」なのでデータの精査が足りていなかったり(あるいは数字は虫食いで空けていたり)、文章も推敲が足りない(参考にしたものを、全体に整合するように自分なりに書き直していなかったりするところもあるかもです)のですが、原稿の供養として、メルマガというクローズな場所にアップします。ここからほかにコピーなどされることないようにお願い致します。
全体のタイトルは『TVとアニメの時代(仮)』です。
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