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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門メールマガジン

アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第128号(2017/12/22号/月2回発行)

2017/12/30 04:02 投稿

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  • アニメ
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  • スタジオジブリ
  • 東京ゴッドファーザーズ

 12月31日23時45分から、BSプレミアムで「あけおめ!声優大集合」で5時間生放送!があります。視聴者投票ができる生アフレココーナーの下準備などを手伝っております。当日はどんな形で番組に出るかは、これから打ち合わせという感じですが、録画なども含めよろしくおねがいします。

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1.最近のお仕事紹介
2.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
3.お蔵出し原稿『東京ゴッドファーザーズ』
4.連載一覧


最近のお仕事紹介

1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
 1月20日「君にも描ける!絵コンテ講座」特別講師:アニメーション監督 京田知己
 2月17日「アニメと戦争2 『ヤマト』と『ガンダム』編」
 3月17日『君の名は。』
 【受講申込】

2.1月のSBS学苑
 1月28日『ラブライブ!The School Idol Movie』
 同作のの魅力について考えます。またプラスαで沼津市が舞台になっている『ラブライブ!サンシャイン』のほうにも触れます。【受講申込】


連載「理想のアニメ原画集を求めて」

文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

第56回『DVDビデオ付き!アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』

 「アニメ私塾」は、スタジオジブリ出身の室井康雄さんが通信講座として初めた画塾です。
ネットを通じて積極的に活動していて、ニコニコ動画の生放送やTwitterアカウントでの宣伝、YouTubeでの動画配信など、有料講座のノウハウを無料でもネット上で公開して話題を集めています。
 アニメーター出身の室井さんの画塾なので、内容的にはアニメーターを目指す人の画力向上を目的としていますが、理路整然とした独特の講義内容がアニメーター志望者以外の人たちにも注目されているようです。YouTubeに上げられた関連動画は画質的に見づらく、量が多すぎて、その内容を把握するのが大変な状態だったので、講義内容が本として見やすくまとまったのはありがたいことです。この本は原画集ではありませんが、アニメーターの技術や考え方が詰まった本なので、番外編として取り上げさせて頂きました。

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 アニメ私塾の本とは言うものの、内容としては専門的なアニメの描き方ではなく、画力向上のための意識の転換を促す内容だと思いました。付録DVDの内容もイラストの講座となっていて、アニメの描き方というコアな部分ではなく、間口を広げた内容となっていました。
 絵の教則本ではありますが、技術的な側面はもちろん、意識的な発想の糸口を与えてくれる内容となっています。室井さんがアニメーター人生の中で培ってきた思考の積み重ねが読み取れるようで面白い本です。
 例えばPart 2-3の「線の組み合わせ方」の章。これは、ディズニーで伝統的に受け継がれてきた絵の描き方を、室井さんなりにまとめたものだと思います。元となった資料は『Drawn to Life: 20 Golden Years of Disney Master Classes』という本でも見ることができますが、大塚康生さんが自主的に翻訳した資料がアニメ業界には存在するようです。また、橋本三郎著『アニメーションのつくりかた』という本は、そうしたディズニー的なアニメーションのノウハウをまとめた本でした。

 全体としては、基礎的な画力の培い方が載っています。模写の仕方など、他の本ではあまり見られない内容で、画力に自信の無い人に向けて違う側面から絵の描き方を教えてくれる本となっている印象です。単純な形からどう複雑に発展させていくか、また、線が複雑になった際に何に気をつけるか等、本を読んでいる人の成長に合わせて何度も見直せる内容だと思います。
 また、発展的なものとして、アニメでの基礎的な動き、「歩き」や「走り」「ボール投げ」等についても言及されています。これは動きを表現する際に重要な、重心を意識したポーズの描画法のポイントの一部として書かれています。ただ、アニメの技法書として見ると、もっと突っ込んだ内容が欲しいところです。

 本の後半では、レイアウトや画面構成について書かれており、他の技法書ではなかなか言及されない内容がまとまっています。この手の話題で最も中心になりやすいのが「パース」の概念ですが、室井さんはパースではなく「空間ビート」という独特の単語を使って画面を構成する提案をしています。これは、本来のパースよりも奥行きの圧縮を意識して描こうという考え方です。
 椅子に座る人物という基礎的なテーマから発展形まで、実例を交えてまとめられています。絵を描く人で背景の描き方などにつまずいている人ならば、この項目を読むためだけでも、この本を手に取ってみる価値があります。
 また、巻末には、アニメ私塾の塾生が提出した課題とその修正例が掲載されており、アニメ私塾の実際の活動内容を感じることができます。これは、実際のアニメのレイアウトに近い絵となっていて、実戦的な内容を感じさせられます。

 アニメ私塾の本ではありますが、アニメの描き方に偏っているわけではなく、絵を描く人全般に向けられた内容だと思います。もちろん、アニメにおいて重要と思われるポイントにも触れられているので、この本が売れて、より実戦的なアニメ技術の本が出版されると良いのですが。
 以前に紹介した立中順平さんの『スーパースポーツデッサン』もそうでしたが、絵の教則本ではあるものの、専門的なアニメの作画技術に偏って良いのかどうかが難しいようです。
しかし、アニメを作成するための描画ソフトの一般化が進んでいる現在、これまでよりアニメの作画に関する知識は強く求められて行くと思います。室井さんの活動は、そうした需要に対して、従来のアニメ教育の領域を超えて届いた活動だったと思います。
 今後、アニメという映像の未来がどうなっていくのかははっきりと分かりませんが、アニメを描く人たちの存在が、日本の商業アニメ業界以外でも大きくなっていくことになると思います。
 こうした本は、原画集とは違った方法でアニメーターの知識や技能を形にしたものであり、アニメ文化を発展させるために必要なものの一つだと思います。

(『DVDビデオ付き!アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』/エクスナレッジ/2,592円)

【お知らせ】
12月31日(日)、コミックマーケット93にて「理想のアニメ原画集を求めて」の連載20回分をまとめた同人誌を頒布します。書き下ろし記事もありますので、よろしくお願い致します。
会場:東京国際展示場 東6ホール:ト44b(サークル名:bono1978)


お蔵出し原稿

年末らしい原稿をひとつ。宝島社から出た『トウキョウゴッドファーザーズ』のムックに書いたものです。

「赤ちゃん」と「クリスマス」 ――『東京ゴッドファーザーズ』に欠かせないもの

『東京ゴッドファーザーズ』には欠かせない要素が二つある。それが「赤ちゃん」と「クリスマス」だ。どうしてこの二つが欠かせないのか。過去の映画作品などを参考にしながら考える。

 まず最初に断言してしまおう。
 『東京ゴッドファーザーズ』は、「赤ちゃん映画」であり「クリスマス映画」なのだ。  「赤ちゃん映画」に「クリスマス映画」だって? そんなジャンルは聞いたことがない、と思う人もいるかもしれない。でも「赤ちゃん」と「クリスマス」という二つは間違いなく『東京ゴッドファーザーズ』にとって、欠かせない要素だ。そして「赤ちゃん」や「クリスマス」を欠かせない要素として持っている映画は、まだほかにもある。そこで、そのほかの映画を参考にしつつ、「赤ちゃん」と「クリスマス」の二つを通じて、『東京ゴッドファーザーズ』について考えてみようと思う。

 

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