主張
戦争法案採決緊迫
民意踏みにじる暴挙は許さぬ
戦争法案に反対し、廃案を求める声が国会の内でも外でもますます広がる中で、安倍晋三政権と自民、公明の与党は、今週中にも採決を強行する動きを強めています。15日の中央公聴会、16日の地方公聴会をうけ、その直後にも締めくくり総括質疑と採決を強行する狙いです。公聴会は、国民の声を聞き、審議を充実させるために開くものです。公聴会さえ開けば採決してもいいなどというのは、国会のルールを破壊し、国民の声を踏みにじるものにほかなりません。
採決強行に公聴会使うな
国会法は公聴会について、「委員会は、一般的関心及び目的を有する重要な案件について、公聴会を開き、真に利害関係を有する者又は学識経験者等から意見を聴くことができる」(51条1項)と定めています。委員会が国民に意見を聞くのは審議に役立てるためであり、形だけ公聴会を開けば採決していいなどというものでは決してありません。中央公聴会に公述を希望した95人はすべて、戦争法案反対の立場といわれます。公聴会を開いたからといって採決に突っ走るのは、なによりこうした国民の声を愚ろうするものです。
戦争法案への批判の声は、国会の内でも外でも高まっています。国会審議では、戦争法案がこれまでの憲法解釈を踏みにじって集団的自衛権の行使を認める点でも、自衛隊が「戦闘地域」にまで出かけてアメリカの戦争を支援する点でも、憲法に違反することが明らかになりました。安倍政権は国会審議で追い詰められ、なぜ集団的自衛権行使が必要か肝心の立法事実についてさえまともに説明できません。憲法98条が明確に定めるように、憲法違反の法案の成立は許されず、戦争法案は審議を踏まえ廃案にすべきです。
国会審議では日本共産党が取り上げた自衛隊の統合幕僚監部の内部文書で、自衛隊中枢部が法案の提出される前からこの夏の成立をアメリカに約束し、南スーダンPKOでの「駆けつけ警護」など戦争法の具体化を進めていたことが明らかになりました。とんでもない暴走であり、この問題の徹底解明もなしに戦争法案の採決を強行することは絶対に許されません。
日本共産党や民主党など野党の7党・会派は先週、戦争法案阻止に一致結束して対応することを確認しました。安倍政権と与党の自民、公明が採決の動きを隠さないのは、こうした野党の意向を無視する点でも重大です。国会での合意もないのに与党が狙う採決は、まさに強行採決そのものです。
朝日新聞が12、13両日行った世論調査によれば、戦争法案「反対」は54%、今国会で成立させる必要が「ない」は68%にのぼっています(「朝日」デジタル版)。与党が狙う戦争法案の採決は、文字通り圧倒的多数の国民世論に背いたものなのは明らかです。
平和も民主主義も守って
与党が公聴会直後の採決の動きを見せ、国会審議が緊迫する中、国会周辺には週明けも多くの国民が詰めかけています。「戦争はさせない、9条壊すな」「民主主義破壊を許さない」―労働者や青年・学生、若いママ・パパなど、国会を包囲する国民の声は、憲法の平和主義も、立憲主義や民主主義も破壊する安倍政権の暴走を決して許しません。戦争法案阻止へ国会内外の声を強める正念場です。
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