主張
沖縄米軍幹部暴言
どこまで民意を見下すのか
沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設で、警察や海上保安庁の暴力的な警備行動によって新基地建設に抗議する市民らにけが人が出ている問題について、在沖縄海兵隊の報道部次長が「ばかばかしい」と発言していたことが分かり、怒りが広がっています。沖縄の日本復帰前と同じような占領者意識丸出しです。耐え難い米軍基地の重圧の強化に必死で反対する人々をどこまで見下し、侮蔑するのか。決して見過ごせない許し難い暴言です。
「現実直視しない妄言」
英字紙ジャパン・タイムス9日付(電子版)によると、問題の報道部次長は、新基地建設に抗議する人々を、反則を受けたように芝居するプロのサッカー選手に例え、「けがをさせられたように見せかけようとしているが、実際に見るとばかばかしい(laughable)」と述べたといいます。さらに、「彼ら自身の選択で道路に横たわり、動く車両につかまって引きずられておいて、平和的な抗議でけがをさせられたと主張している」とも述べました。
あぜんとする発言です。現地をつぶさに取材する地元紙は「抗議活動が続く辺野古の現場では、海保や警察の過剰な警備行動により、高齢者や女性を含む市民らに多くのけが人が出ていることは紛れもない事実」(琉球新報12日付)と指摘します。「発言は、米軍に都合の悪い現実を直視しようとしない、暴言かつ妄言」(同)です。
ジャパン・タイムスの記事によると、報道部次長はのちに「(発言は)辺野古のことではない」と釈明したといいますが、弁明の余地はなく、撤回すべきです。
日本政府は今、辺野古沖の海で、立ち入り禁止を示すフロート(浮具)などを固定するため、巨大なコンクリートブロックを次々に海中に投下しています。そのために貴重なサンゴが無残に傷つけられている深刻な実態が、新基地建設に反対する「ヘリ基地反対協議会」の潜水調査で明らかになっています。多様性あふれる辺野古の海の生態系の破壊を一刻も早く食い止めたいというのが、現地で監視・抗議活動に取り組む人々の切実な思いです。
安倍晋三首相は国会での施政方針演説(12日)で、辺野古の新基地建設に関し「日米両国の強固な信頼関係の下に、裏付けのない言葉ではなく実際の行動で、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでいく」と述べました。ところが、首相が取っている「実際の行動」はどうか。昨年の沖縄県知事選や総選挙で示された「新基地ノー」の県民の声に一切耳を貸さず、1本から2本に増える滑走路、巨大な強襲揚陸艦も接岸できる岸壁、広大な弾薬搭載エリアなどを持った海兵隊の一大出撃拠点づくりを進めています。基地負担をさらに増大させる民意無視の暴走です。
戦争拠点づくり許さず
民主主義否定の強権政治は絶対に認めない。米軍が沖縄から戦争に出撃していくための新たな基地づくりを許し、海外の人々の命を奪うことがあってはならない…。新基地建設に反対する人々の共通の願いです。今回の暴言が象徴するように日米一体のなりふり構わない新基地建設策動をやめさせる世論と運動を沖縄でも全国でも一層大きくすることが急がれます。
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寝言は寝ていいましょう 新聞赤旗さん