沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は13日の定例記者会見で、名護市辺野古沖への新基地建設に向け、巨大コンクリートブロックをアンカー(いかり)として大浦湾へ投入している沖縄防衛局に対し、作業の一時停止を含め、サンゴ礁などを破壊する暴挙への対抗措置を指示・検討していると明らかにしました。
防衛局は、基地建設に反対する抗議船の立ち入りを取り締まるための浮具(フロート)固定用アンカーを1月27日から投入強行しています。これに対し県は、数十トンものアンカーで海底のサンゴ礁を押しつぶすような破砕行為について、県の法令違反に当たる可能性があるとして、2月6日に防衛局へ文書照会していました。
県は漁業調整規則で、水産資源保護の観点から、海底の状態を改変するような岩礁破砕を行う場合、県知事の許可を得るよう取り決めています。新基地建設を推進していた前県政時代の昨年8月、県は建設のための埋め立て範囲内(約172ヘクタール)については許可を出していましたが、今回のアンカー投入位置は、この範囲内から大きく外れた立ち入り禁止区域の境界です。
9日、ヘリ基地反対協議会のダイビングチームが実際に巨大アンカーの沈んだ海中に潜って、許可範囲外の海底で、生きたサンゴが巨大ブロックの下敷きになっている状況をとらえた写真を公開しました。
翁長知事は「やはり今回の投入は許可範囲を大変、逸脱している。それからサンゴを傷つけているということも含めて、事実確認した上で対処をしたい」とのべました。