主張
14年世界大会
国民運動と諸国政府の共同を
今年の原水爆禁止世界大会は8月2~4日に国際会議(広島)、4~6日に広島の本大会、8~9日に長崎大会の日程で開かれます。来年の広島・長崎被爆70年を前に、これまでにもまして大きな意義をもつ大会となります。
核兵器禁止条約が焦点
いま世界の多数の国ぐにが、「核兵器のない世界」に向けて前進を切り開こうとしています。焦点は核兵器禁止条約です。昨年の国連総会では、1996年から採択されている核兵器禁止条約を求める決議に加え、非同盟諸国が提案した核兵器を全面的に禁止、廃絶する「包括的な条約」についての交渉を緊急に開始することを求める新たな決議が3分の2以上の賛成で採択されました。
この決議は、国連事務総長が加盟国から核兵器禁止条約の内容についての意見を集約し、今年秋に開かれる国連総会で報告するよう求めています。これが実現すれば、国連史上初めて、核兵器禁止条約が総会の議題として議論されることになります。来年4~5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議(ニューヨーク)は、この問題での実践が問われる重要な国際会議となります。
しかし、一部の核保有大国は核兵器禁止条約の交渉を強く拒んでいます。根本にあるのは、核兵器で威嚇し、自国の利益をはかろうとする「核抑止力」論です。
こうした核保有国の抵抗を打ち破ろうと、核兵器の残虐性を告発し、その使用禁止と廃絶を迫る声が政府レベルで発展しています。一昨年、16カ国から始まった核兵器の「人道的側面」に焦点をあてた共同声明は、昨年の国連総会では125カ国が賛成するまでに急速に広がりました。アメリカの「核の傘」を理由に、共同声明への参加を拒んできた日本政府も、高まる批判の前に、賛同せざるを得なくなりました。NPT再検討会議第3回準備委員会(今年5月、ニューヨーク)では、一部の核保有国も「(被爆の実相を)記憶に刻む責務がある」(アメリカ)と述べる状況がつくられました。
こうした変化の背景にあるのは世論と運動です。日本原水協がよびかけた、核兵器禁止条約の交渉開始を要求するアピール署名も383万人分(1日現在)に達し、原爆展の開催も千回をこえました。署名も原爆展も世界各地で取り組まれています。NPT再検討会議第3回準備委員会に参加した原水協代表団に、アンゲラ・ケイン国連軍縮問題担当上級代表は「ニューヨークへ署名を持って大挙して来て、再検討会議に大きな影響を与えてほしい」と語りました。
市民の運動と国連、諸国政府が力を合わせて大きなうねりをつくるならば前進は可能です。世界の反核運動と諸国政府の代表が参加する原水爆禁止世界大会が、どのような展望をしめすのか―。内外の注目と期待が集まっています。
歴史的岐路の大会
日本はいま、戦争か平和かの歴史的な岐路にあります。それだけに国民平和大行進には、これまでにない反響と激励が寄せられています。安倍晋三政権による「海外で戦争する国」づくりに反対する国民的な運動と連帯して、世界大会を成功させることが求められています。それは憲法9条をもつ被爆国日本の運動の国際的な責務でもあります。
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