安倍晋三内閣が狙う集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲は許さないと13日、「国会包囲ヒューマンチェーン(人間の鎖)」行動が取り組まれました。131団体でつくる「解釈で憲法9条を壊すな! 実行委員会」が呼びかけたもの。全国から参加した2500人が手をつなぎ、国会議事堂を取り囲みました。
衆院第2議員会館前には、「集団的自衛権行使容認反対!」「世論は改憲を望んでいない」「解釈改憲は戦争への道」と書いたプラカードが林立。主催者を代表して、「許すな! 憲法改悪・市民連絡会」の高田健氏が「世論を盛りあげて海外で戦争する国づくりを阻止しよう」とあいさつしました。
行動では、インターネットやビラで行動を知った青年、ベビーカーを押した若い母親、地域・職場で憲法を守ろうと運動する人々がシュプレヒコールを上げました。
タクシー運転手仲間でつくる九条の会で活動する男性(62)=東京都大田区=は、「国会での数の力で憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使を容認するなんてあまりに姑息(こそく)だ。地域で改憲反対の運動を広げていきたい」と語りました。
千葉大学の栗田禎子教授や、宇都宮健児弁護士らがスピーチ。日本共産党から志位和夫委員長、笠井亮、赤嶺政賢の各衆院議員が参加し、志位委員長があいさつ。社民党の吉田忠智党首らが参加しました。
この日、菅義偉官房長官が記者会見で、安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が集団的自衛権の行使容認を政府に求める報告書を15日に提出すると発表しました。同実行委員会は、15日午後6時から衆院第2議員会館前で緊急行動を行います。
ごまかし・どう喝許さない
志位委員長 安倍政権の手口告発
日本共産党を代表してあいさつした志位和夫委員長は、政府が15日に、集団的自衛権行使にむけた安保法制懇の報告書の提出を受けて政府方針を示すとしていることに、「集団的自衛権行使容認は、『海外で戦争をしてはならない』という憲法上の歯止めを取り外すもの。日本を『殺し、殺される』国にしていいのかが問われています。許すなの声を広げに広げよう」と訴えました。
そのうえで、志位氏は、「安倍政権は『海外で戦争する国』づくりを国民に押し付けるために二つの手口を使っている」ときびしく告発しました。
第一は、「限定行使」論というゴマカシです。“集団的自衛権の行使の範囲を限定するから安心してくれ”という議論ですが、一度、「海外で戦争をしてはならない」という憲法上の歯止めが外されたら、時の政権の政策判断で範囲は無限定に広がります。
第二は、架空のシミュレーションを並べて、「備えがなくていいのか」と国民をどう喝することです。政府は、一連の「具体的事態」なるものを並べ立てていますが、そのどれもが現実には起こりえない架空のこじつけばかりです。
「ゴマカシとどう喝で『海外で戦争する国』づくりを許すな」。志位氏が訴えると、拍手が起こりました。
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