安倍晋三自公内閣は1日、消費税率を5%から8%へ引き上げました。17年ぶりの消費税増税に国民と中小業者は怒り、そして10%への連続増税には暮らしの崩壊、倒産・廃業の恐怖すら抱いています。
こうした中、地方紙には増税路線に批判的論調がある一方、全国紙は、「借金漬けの日本の現状を考えれば、やむを得ない」(「朝日」1日付)と社説で痛み押し付けの旗振り役を果たしています。
横綱格は「読売」です。3月31日付で「消費者全体で幅広く負担する消費税の増税によって安定的な税収を確保」するよう求めています。口実は、社会保障のため。しかし、8%への増税でもたらされる税収のうち1割しか社会保障の「充実」に使われないという事実にはほおかむりしています。
「産経」(同31日付)は、「膨張が続く社会保障費の財源を安定的に確保し、財政健全化にもつなげることが、今回の増税の目的である。この原点を忘れてはならない」としました。国民に激痛を押し付ける増税をメディアが「原点」と宣伝すれば、安倍内閣も大喜びでしょう。「日経」(同31日付)は、「消費増税は、先進国で最悪の状態にある財政を立て直すのに欠かせない一歩だ」と主張。税金の種類には、消費税しかないといわんばかりの思考停止状態です。
消費税は、低所得者ほど負担が重く、社会保障の財源にもっともふさわしくない税金です。しかも、「財政健全化」どころか、消費税増税が景気を冷え込ませ、税収減をもたらす危険性には口をつぐんでいます。
安倍内閣は、消費税率8%をさらに10%へ引き上げようとしています。「毎日」は3月30日付で、「法律に定めた通り15年10月に消費税率を10%に引き上げ」ることが「欠かせない」と連続増税をあおります。
メディア幹部らと会食を繰り返す安倍首相は、2日夜も報道各社政治部長経験者と会食しました。消費税増税をあおるメディアの報道姿勢と無縁だと言えるでしょうか。 (金子豊弘)
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