主張
3・9大統一行動
原発ゼロへの新たなうねりを
東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故から3年。今年の「3・11」は、「原発ゼロ」を求める国民世論と、原発の恒久化をもくろむ安倍晋三政権との正面からの対決の中で迎えます。3年前の原発事故が起きた11日をはさんで、首都・東京をはじめ全国で集会やデモが計画されているのに対し、安倍政権は原発を「重要なベースロード電源」と位置付けたエネルギー基本計画を3月中に閣議決定し、夏にも原発の再稼働を強行する構えをみせているからです。
「福島を忘れるな」
毎週金曜日夜の首相官邸前行動を行ってきた首都圏反原発連合(反原連)と、原発をなくす全国連絡会、さようなら原発1000万人アクションの3グループは9日、「福島を忘れるな! 再稼働を許すな!」をスローガンに、「原発ゼロ大統一行動」を計画しています。大統一行動では、日比谷野外音楽堂での集会、請願デモ、国会前や首相官邸前での抗議行動などが連続しておこなわれます。
「全国的に巻き起こった反対運動によって、現在稼働している原発はゼロとなっています。これこそ国民の希望の反映です」「福島第1原発事故と被害を風化、忘却させないように、全国からかつてない規模の行動を起こし、大集結して原発を終わらせましょう」―。大統一行動の呼びかけ文は、こう訴えています。
三つのグループは、11日を中心に、その前後を「ノーニュークスウイーク」に設定して、共同行動を呼びかけてきました。これまでに46都道府県の136カ所で集会やデモが計画され、さらに増える見込みです。
原発事故は収束するどころか放射能汚染水漏れなど危機的な状況にあります。福島では14万人が避難生活を余儀なくされており、被害はいまだに拡大しています。被害者を切り捨て、原発を恒久化することは絶対に許されません。いま「原発ゼロ」を求める声は、どの世論調査でも7~8割にのぼっています。3・9大統一行動は、この世論を結集して民意を示し、福島とも連帯するものです。
「原発ゼロ」を求める世論を支えてきた柱の一つが、反原連が2012年3月から始めた「金曜日行動」と呼ばれる持続的な抗議行動と節々での「ノーニュークスデイ」の取り組みです。300人で始まった反原連の官邸前抗議行動は2年間続き、90回を超えました。12年夏には民主党政権の野田佳彦首相の再稼働発言をきっかけに全国規模の行動に発展し、6月29日には20万人が官邸前・国会一帯を埋め尽くしました。一連の行動は、原発ゼロを求める世論の存在を示し続ける、かつてない創意的で画期的な運動となっています。
安倍政権を全国で包囲
日本共産党と労働組合、民主団体は、「原発ゼロ」の一点での共同に力を尽くしてきました。全国各地で広範な市民との共同が広がり粘り強い持続的なたたかいへと発展しています。原発の再稼働を許さず、稼働原発ゼロの状況を作り出したのはこの共同の力です。
「原発ゼロ大統一行動」は、共同の力をさらに発展させ、原発にしがみつく安倍内閣を全国的な規模で追いつめる行動になります。日本共産党は全国のたたかいと連帯し、共同の一翼を担って、「原発ゼロ」の実現へ全力をあげます。