安倍首相、「県内移設」に固執
衆院予算委
日本共産党の赤嶺政賢議員は4日の衆院予算委員会で、沖縄・名護市長選の稲嶺進市長の圧勝によって米軍新基地建設に反対する明確な市民の意思が示されたと強調し、安倍晋三首相に同市辺野古への新基地建設断念と普天間基地の無条件撤去を迫りました。
赤嶺氏は、今回の市長選が辺野古への基地受け入れの是非が明確な争点となった初めての選挙で、稲嶺氏が前回票差を上回り圧勝したことは基地反対の民意が明確に示されたものだと指摘。安倍首相は「選挙の結果は結果として、真(しん)摯(し)に受け止めたい」と述べる一方、「普天間基地の固定化はあってはならない。一日も早い基地移転を進めていく」とあくまで「県内移設」に固執する姿勢を示しました。
赤嶺氏は、市長選投票日の2日後に政府が調査・設計業者選定の入札手続きを開始したことについて、「(選挙結果を)真摯に受け止めるなら手続きはやめるべきだ」と厳しく批判。また、1997年の市民投票で反対の意思が示されて以後16年間、政府・自民党が振興策で新基地受け入れを迫ってきた経緯にふれ、「政府が『県内移設』に固執してきたことが普天間基地の固定化を招いてきた。民意を無視してきたことが問題の根本だ。市民の意思を正面から受け止め、新基地建設を断念すべきだ」と迫りました。
小野寺五典防衛相は「沖縄県から埋め立ての承認をいただいた。(県内移設に)ぜひ理解いただきたい」などと答弁。赤嶺氏は、沖縄県知事の承認を拒否したのが名護市長選の民意だと指摘し、普天間基地の無条件閉鎖・撤去を求めました。
普天間5年以内の運用停止
首相、確約の答弁できず
昨年12月、沖縄県の仲井真弘多知事が、米軍新基地建設に向けた名護市辺野古沖の埋め立て申請を承認した際、普天間基地の5年以内の運用停止について「(安倍晋三首相から)確約を得ている」と言明していた問題で、実際には首相が具体的な言及をしていなかったことが分かりました。4日の衆院予算委員会で日本共産党の赤嶺政賢議員が取り上げました。
赤嶺氏は、仲井真知事が12月27日の記者会見で、首相の確約について述べたことにふれ、「首相官邸のホームページに掲載されている総理発言では具体的な言及がない。首相は確約したのか」とただしました。
首相は「普天間飛行場の5年以内の運用停止を含む要望をいただいた。しっかり受け止め、できることはすべて行う」と述べただけで、確約や言及したとの答弁はありませんでした。