鹿島・大林組・大成…33社
ゼネコンの業界団体「日本建設業連合会」(日建連)の会員企業が2012年、自民党の政治資金団体に6200万円を献金していたことが、総務省公表の政治資金収支報告書で明らかになりました。「国土強(きょう)靭(じん)化」の名のもとに大型公共事業の乱発を主張する同党国会議員にも多額の献金がばらまかれており、政権与党と業界の癒着が問われます。
自民党の政治資金団体「国民政治協会」の12年分収支報告書によると、日建連の会員139社のうち33社が計6201万2千円を献金しました。(表)
献金額は、大手5社が最も多く、鹿島建設814万円、大林組814万円、清水建設810万円、大成建設810円、竹中工務店810万円と突出しています。さらに、五洋建設470万円、前田建設工業200万円と準大手が続きます。
国土強靭化基本法案をまとめた自民党の国土強靭化総合調査会(11年10月に新設、会長・二階俊博衆院予算委員長)の役員にも、ゼネコンマネーが流れています。
調査会で副会長を務める佐藤信秋参院議員(元国土交通事務次官)の資金管理団体「佐藤信秋後援会」は12年11月12日の政治資金パーティーで8455万円の収入を得ました。このうち、判明分だけでも日本道路40万円、前田道路36万円など、6社計216万円が日建連の会員によるパーティー券購入でした。
また、佐藤氏が代表の「自由民主党東京都参議院比例区第五十五支部」には12年、日建連会員のアイサワ工業が10万円、橋本店が10万円を献金しています。
同副会長の脇雅史参院議員(元建設省近畿地方建設局長)が代表の「自由民主党東京都参議院比例区第四十三支部」も12年、ピーエス三菱20万円、大林道路15万円など、日建連会員9社から計120万円の献金を受けました。
ほかに各県選挙管理委員会が公表した収支報告書によると、調査会長の二階氏の政党支部が奈良建設から12万円、同副会長の金子一義衆院議員(元国交相)の政党支部がTSUCHIYAから12万円、同副会長の中谷元衆院議員(元防衛庁長官)の政党支部が大(だい)旺(おう)新洋から12万円の献金を受けるなどしています。
自民党、国民政治協会は参院選を控えた今年2月、日建連に対し、4億7100万円の献金要請を行っています。その要請文書で、「自民党は『強靱な国土』の建設へと全力で立ち向かって」いると強調。その「政策遂行を支援するため」としています。