連合集計は「0.9%減」
安倍晋三首相が、参議院選挙の応援演説で「夏のボーナスが7%上がる」と宣伝していることについて、12日付経済面で取り上げ、「庶民の実感に合わない」と批判しました。その際、安倍首相が「7%」の根拠にしている経団連の集計データが5月30日発表の途中経過であり、最終集計ではないことも指摘しました。実は、労働組合側の集計はすでに発表されています。
連合(日本労働組合総連合会)が7月3日に発表した集計結果によると、今年の夏季一時金の最終回答は、組合員1人当たりの額で見ると、表のように、昨年実績から0・9%の減となっています。昨年は、一昨年に比べて2・5%減でしたから、それに比べれば「下げ止まり」という感じにはなってきており、一部では増加した企業も出てきていることは確かでしょう。しかし、安倍首相が言うような「7%増」には程遠い数字だと言わなければなりません。
経団連の集計と連合の集計とでは、対象とした企業の範囲や数が違っており、数字が厳密には一致しません。しかし、連合加盟労組の企業の多くは、経団連傘下の大企業ですから、集計結果は近い数字になるはずです。実際、両者の過去の集計データによって、10年間の夏季一時金の対前年比増率を計算すると、若干の数字のズレはあるものの、増減の傾向はほぼ似通ったものになりました。このことから見ても、首相の「7%」発言が実態に合わない誇大宣伝であることは明らかです。(日本共産党政策委員会 垣内亮)