米海兵隊 普天間強化を計画
オスプレイ格納庫、オーバーラン新設
上院軍事委の報告書で判明
米海兵隊が、普天間基地(沖縄県宜野湾市)を今後10年以上にわたって運用するため、同基地に配備している垂直離着陸機MV22オスプレイの格納庫や滑走路のオーバーランの新設など基地機能の強化を計画していることが分かりました。米議会上院軍事委員会が17日に公表した、海外駐留米軍の費用負担に関する報告書で明らかにされました。
報告書は、普天間基地に代わる新基地建設計画(同県名護市辺野古)について「見込みがない」と強調。2021年完成という米軍のスケジュールには「重大な障害」があるとし、沖縄県知事が埋め立て申請を拒否する権限を持っていることや埋め立て工事が複雑で予定よりも長期間に及ぶことなどを挙げています。
報告書は、新基地計画が行き詰まる中で普天間基地を維持することが懸案事項になってきたとし、海兵隊は今後10年間で基地施設の整備に約1億8千万ドル(12年時点)が必要だとしていることを指摘。同計画には▽オスプレイのための新格納庫▽基地保安フェンス▽正面ゲート改修▽独身幹部宿舎―などが含まれるとし、ほかに滑走路や誘導路の路肩、オスプレイ用の1000フィート(約300メートル)のオーバーランも必要だとしています。
これら計画の資金について報告書は、日本政府は「基地の永続化」とみられる拠出には消極的だとされているが、12年4月の日米両政府の合意では「相互に貢献する」としていることを指摘。米海兵隊や在日米軍は、日本政府による米軍「思いやり予算」にあたる「施設改善計画」(FIP)からの負担を期待しているとしています。
ただ報告書は、「思いやり予算」による拠出は他の米軍の計画を犠牲にするとし、米側による支出も米国の納税者の負担になると批判的な立場を示しています。
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