めるまがアゴラちゃんねる

2014年12月第3週号

2014/12/22 13:30 投稿

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めるまがアゴラちゃんねる、第121号をお届けします。
配信が遅れまして大変申し訳ございません。


コンテンツ

・今週の池田信夫
 アゴラ研究所所長、池田信夫のエントリーでアクセスが多かった記事、アゴラ・チャンネルの動画を紹介します。

・ゲーム産業の興亡(133)
中国のガリバー企業テンセントの日本進出
新清士(ゲームジャーナリスト)


アゴラは一般からも広く投稿を募集しています。多くの一般投稿者が、毎日のように原稿を送ってきています。掲載される原稿も多くなってきました。当サイト掲載後なら、ご自身のブログなどとの二重投稿もかまいません。投稿希望の方は、テキストファイルを添付し、システム管理者まで電子メールでお送りください。ユニークで鋭い視点の原稿をお待ちしています http://bit.ly/za3N4I

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今週の池田信夫

「下剋上」をもたらす動機の純粋性 - 『二・二六事件と青年将校』
http://agora-web.jp/archives/1613405.html
朝日新聞の大誤報を「日本をおとしめる売国奴」などと罵倒する人が多いが、私は違うと思う。多くの現場の記者は、最初のうちは「アジア侵略の謝罪が足りない」という純粋な動機でやったのだろう。しかし動機がよければ、結果がよくなるとは限らない。

安倍首相はなぜ増税を先送りしたのか - 『モラルの起源』
http://agora-web.jp/archives/1624695.html
総選挙は、景気の悪くなる前に解散した安倍首相の作戦勝ちだった。彼が極右だというのは誤解で、少なくとも経済政策に関しては、麻生首相を上回る「大きな政府」派である。米民主党左派のクルーグマンの助言を聞いたことでも、それは明らかだ。

なぜ東洋で「法の支配」は失われたのか - 『鑑の近代』
http://agora-web.jp/archives/1580119.html
『「空気」の構造』でも書いたことだが、明治以降の官僚制度をプロイセンの行政法の影響だけで論じる通説には疑問がある。霞ヶ関の行動様式は、ウェーバー的な合理的官僚というより中国の科挙官僚(士大夫)に似ているからだ。
しかし中国には法治国家の伝統がないので、霞ヶ関のゴリゴリの実定法主義はどこから来たのだろう──と疑問に思っていたのだが、本書でその謎が解けた。中国にも儒教の徳治主義だけではなく、韓非子などの法家の法治主義の伝統があったのだ。

アベノミクスの終焉
http://agora-web.jp/archives/1621033.html
今年の7?9月期のGDP速報値が、予想以上に悪かった。これを増税の影響だという人が多いが、それは誤りである。増税の影響は一過性なので、右の図(朝日新聞)の比較でもわかる通り、半年たつとGDPはプラスに戻るのが普通だ。増税率はほとんど同じなので、この差は消費税以外...

原油暴落と闘う日銀
http://agora-web.jp/archives/1622561.html
原油価格が暴落している。今夜10時の段階で1バレル66ドルと、半年でピークから4割下がった。これが10月の消費者物価指数(総合・コアCPIとも)の前年比上昇率が0.9%に下がった最大の原因だが、このときはまだ90ドル台だから、今後もCPIはさらに下がるだろう。


池田信夫の【アゴラVlog】総選挙の争点から消えた「戦後レジーム」
http://youtu.be/yFtMVi29D_I
池田信夫の「アゴラ読書塾」講義より
安倍首相が語る戦後レジームからの脱却ですが、驚くべきことに今回の総選挙の自民党マニフェストには自身あれほどこだわった集団的自衛権については全く触れられていません。戦後レジームの発端である「吉田茂」を描いた、井上寿一著「吉田茂と昭和史」をテキストに、「吉田ドクトリン」から連綿と続く現在日本の政治のわかりにくさを考えます。



特別寄稿:新清士(ゲームジャーナリスト)

ゲーム産業の興亡(133)
中国のガリバー企業テンセントの日本進出

先週、中国のインターネットサービス大手のテンセント(騰訊控股・深浅)が、日本とのゲーム会社の提携などについて、様々な発表を行った。

12月6日、ガンホー・オンライン・エンターテインメントの「パズル&ドラゴンズ」の中国語版の配信を行う提携を発表。11日には、日本のゲームを中国に展開するだけでなく、中国のゲームを日本に展開するために、日本のソーシャルゲーム会社のエイミングとの資本業務提携を締結すると発表した。

すでに、バンダイナムコゲームスが「ナルト」のパソコンのブラウザ版をテンセントと開発しているものも先週リリース開始。今年2月に提携を発表していたミクシィの「モンスターストライク」も、展開が始まった。


■世界最大規模にまで成長するテンセント

98年に創業したテンセントは、現在、ソフトウェアサービスだけの企業としては、世界最大規模のゲーム会社で、時価総額は1490億ドルに達している。14年の4月から9月までの売上は92億ドルで、純利益で29億ドル稼ぎ出している。ゲームからの売上が58%という主力分野となっている。

ゲーム部門のテンセントゲームスだけで、3000人の世界最大規模の開発チームを持つ。また、アメリカや韓国のゲーム会社などへの投資を積極的に進めている。例えば、韓国で成功しているメッセンジャーアプリの「カカオトーク」に出資している。

同社は、元々は99年にパソコン向けのインスタントメッセンジャーサービスの「QQ」の展開を開始、04年にゲーム、メディア、eコマース、検索ビジネスに参入。10年には、パソコンゲームのプラットフォームとして、他社にも自社のプラットフォームへの参入を認める戦略をとった。

04年前後から、中国ではインターネットカフェを中心に、パソコンゲーム市場が急激に立ち上がっていくのだが、テンセントは、MMORPG(大規模マルチプレイヤーオインラインRPG)のヒットゲームを続けて出し、急成長をしていく市場の中で、中国国内で独占的なシェアを獲得していった。現在では6割ものシェアを持つ独占的な状態になっている。

11年にモバイルに参入、昨年8月にスマートフォン向けのLINEに似たメッセージングサービスの「WeChat」向けにゲームの展開を開始、今年に入って急激に、中国のスマホの普及に合わせて、ユーザー数を伸ばしており、先月には「50%を超えるシェアを持つ」という状態になったようだ。

毎日QQを利用するユーザーは8200万人、WeChatが4680万人となり、同社のサービスへの登録ユーザー数は3億5000万人のユーザーを抱えている。
国内市場の成長という強力な背景で、独占的なプラットフォームを作りあげた企業の強さを痛感させられる。


■IPを守るという面がつよい中国進出

ポイントは、テンセントで展開する多くの日本のゲームは、そのまま展開されるケースは少ないというところだ。

バンナムの「ナルト」の開発はテンセントで、バンナムは監修として参加している。日本側としてゲームのアイデアを監修し、映像などがちゃんと原作の世界観にマッチしているのかをチェックするという役割だ。

「モンスト」は、日本側が中心になって開発したようだが、テンセントの側も開発に関わったようだ。「パズドラ」も、開発はテンセント側が中心になって「ゼロから作り直す」ことになるようだ。

そこには理由がある。一つには、好まれるゲームの国民性の相違が大きい。日本ではスマホゲームの多くで、ガチャを利用してキャラクターやアイテムを「集める」といった点に力点が置かれる傾向が強い。中国では、他のプレイヤーとの対戦が好まれる。ユーザーが課金するポイントは、お金を払うと自分の能力を強くすることができるといった点に、集中する。そのため、日本でヒットしている状態のものを、そのまま、中国に持っていっても、成功は容易ではない。

現地に合わせて、ゲームを作り直す必要があるのだが、中国のゲーム会社にしてみると、日本の企業と合同で開発するよりも、自社でゲームのIPとアイデアを中心に作り直した方が速いということになる。人件費の面でも日本より優位性があり、また、もはや技術的なアドバンテージは存在していないからだ。

そのため、例えば「ナルト」は、「IPを守りのための展開」(バンダイ関係者)という。中国は、アイデアコピー天国であり、ゲームのアイデアやキャラクターなどのIPをコピーするゲームは後を絶たない。数多くの「ナルト」や「ワンピース」の無許可で展開されているゲームが存在する。

最大の企業のテンセントにIPを公式に提供することで、「ナルト」の海賊版ゲームを抑止しようという意図があるようだ。テンセントのプラットフォームには、数多くの違法版も掲載されているが、それらの登録をやめることに協力的になってきているという。「ビジネス的な収益は次の段階」(前述の関係者)とのことだ。

「パズドラ」も、現実的には、IPを守るという面が高いのではないかと思われる。すでに、中国にはパズドラをコピーしたゲームが10以上も存在しており、ゲームとしては、中国人ユーザーにとっては陳腐化している可能性が高く、日本のような成功を、今から期待するのは容易ではないのだ。

それでも、日本企業が、中国企業の展開をにらんで、最大企業のテンセントとの提携を求めてきたのは確かだ。

また、今回の発表で、短い期間で開発されたゲームが、次々に日本に展開されるという段階に入る。日本のゲームが独自性を持ち国内市場を維持できるのか、新しい競争にさらされることになるだろう。



□ご意見、ご質問をお送り下さい。すべてのご質問に答えることはできないかもしれませんが、できる範囲でメルマガの中でお答えしていきたいと思っています。連絡先は、sakugetu@gmail.com です。「新清士オフィシャルブログ」http://blog.livedoor.jp/kiyoshi_shin/ も、ご参照いただければ幸いです。

新 清士(しん きよし)
ジャーナリスト(ゲーム・IT)。1970年生まれ。慶應義塾大学商学部、及び、環境情報学部卒。他に、立命館大学映像学部非常勤講師。国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)名理事。米国ゲーム開発の専門誌「Game Developers Magazine」(2009年11月号)でゲーム産業の発展に貢献した人物として「The Game Developer 50」に選出される。日本経済新聞電子版での執筆、ビジネスファミ通「デジタルと人が夢見る力」など。
Twitter ID: kiyoshi_shin

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