2014年11月第4週号
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めるまがアゴラちゃんねる、第118号をお届けします。
配信が遅れまして大変申し訳ございません。
コンテンツ
・今週の池田信夫
アゴラ研究所所長、池田信夫のエントリーでアクセスが多かった記事、アゴラ・チャンネルの動画を紹介します。
・ゲーム産業の興亡(130)
積極的な投資の動きが続くゲームのプレイ動画
新清士(ゲームジャーナリスト)
アゴラは一般からも広く投稿を募集しています。多くの一般投稿者が、毎日のように原稿を送ってきています。掲載される原稿も多くなってきました。当サイト掲載後なら、ご自身のブログなどとの二重投稿もかまいません。投稿希望の方は、テキストファイルを添付し、システム管理者まで電子メールでお送りください。ユニークで鋭い視点の原稿をお待ちしています http://bit.ly/za3N4I
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今週の池田信夫
世代間格差を是正する選挙制度改革が必要だ
http://agora-web.jp/archives/1621791.html
きょうのアゴラこども版に書いたのはわかりきった話だが、問題はこんな当たり前のことを主張する政党が一つもないことだ。特に三党合意で増税を決めた民主党まで増税先送りに賛成したのは無責任だが、現在の有権者の構成からはやむをえない。高齢者に迎合しないと、選挙に勝...
アベノミクスの終焉
http://agora-web.jp/archives/1621033.html
今年の7?9月期のGDP速報値が、予想以上に悪かった。これを増税の影響だという人が多いが、それは誤りである。増税の影響は一過性なので、右の図(朝日新聞)の比較でもわかる通り、半年たつとGDPはプラスに戻るのが普通だ。増税率はほとんど同じなので、この差は消費税以外...
時代錯誤の「日帝」史観 - 『帝国の慰安婦』
http://agora-web.jp/archives/1621866.html
著者は韓国で慰安婦問題について事実にもとづいた論文を発表している数少ない研究者で、本書の韓国語版は慰安婦の関連団体から出版差し止め訴訟を起こされた。このような困難な状況で本書を発表したことには敬意を払うが、著者の歴史観は古く、論理が混乱している。
国の借金は永遠に続けられるの?
http://agora-web.jp/archives/1621753.html
安倍首相は衆議院を解散して、12月14日に衆議院選挙が行なわれることになりました。彼は8%の消費税を10%にふやすことを先送りし、それについて「国民に信を問う」というのですが、先送りに反対している党は一つもありません。増税は争点になっていないのに、何を問うんでし...
1000兆円の借金を返す方法
http://agora-web.jp/archives/1619938.html
「クルーグマン教授、“消費増税で国債暴落”論を一蹴」とかいう支離滅裂な記事が出ている。「国債暴落」というのは金利上昇と同じことだが、本文では彼は「株価が暴落する可能性を指摘する経済専門家もいるが、金利が低いままとどまり、円安のおかげで日本企業がますます競...
世代間戦争としての「原発再稼動」
http://agora-web.jp/archives/1619974.html
川内原発の「再稼動」が決まったことで、また原発が注目を集めているが、NHKニュースの世論調査はちょっと意外な結果だ。上の図のように、「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合計した回答は、30代以下でもっとも高い。この結果について、小林傳司教授なる人物が、次のよ...
池田信夫の【アゴラVlog】大英帝国はいかにして借金を踏み倒したか
http://youtu.be/OTa3Nd9oY4g?list=UUJHLwoEJ55msgoxeiqJjOvA
※これ以降は「週刊アゴラ」有料版をご覧ください。
http://www.mag2.com/m/0001559193.html
特別寄稿:新清士(ゲームジャーナリスト)
ゲーム産業の興亡(130)
積極的な投資の動きが続くゲームのプレイ動画
このところゲームのプレイ中の動画を、ユーザーが録画し、ネット上にアップする、動画サイトのサービスを自社のゲームに組み込む争いが激しくなりつつある。
11月19日に「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」のガンホー・オンライン・エンターテイメントが、米Kamcordの株式を取得すると発表した。
Kamcordは、モバイルゲーム向けの動画用のSDK(ソフトウェア開発キット)を開発者向けに提供している企業で、このSDKを組み込むことで、ゲームのプレイ中にバックグラウンドでそのプレイ画面を録画することができる。ゲーム終了後にKamcordが提供している動画サービスや、動画サイト「YouTube」や、SNSの「Facebook」などに動画を投稿して、他のユーザーに見せることができる。
5月には、710万ドル以上の資金調達を行っており、そのなかには米ベンチャーキャピタルのみならず、ディー・エヌ・エーとKLabが含まれている。各社の投資額の割合は明らかにされていない。ガンホーも同様だ。
5月時点で、導入したゲーム会社の数は160以上で、ゲームは200種類以上、動画数も20億本以上を超えていた。バンダイナムコゲームスや、コロプラといった企業が導入していた。プレイ動画を投稿できる仕組みを整えることで、ユーザーの囲い込みを図ろうという目的を持っている。
日本の企業でも、20日に、12月25日に上場を行うことを発表したカヤックが、プレイ動画サービスを展開している。今年1月に、プレイ動画を録画できる同社が展開するSNSの「Lobi」に対応したSDKの配布を開始した。なかなか対応タイトルの獲得ができなかったが、8月に、gumiの大ヒットゲーム「ブレイブフロンティア」が対応したことで、初めてメジャーなタイトルでの採用に結びついた。
10月29日に、mixiの「モンスターストライク(モンスト)」に対応し、プレー動画サービスでの存在感を獲得することに成功した。さらに11月19日に、サイバーエージェントと事業提携を発表したことで、事実上、日本でのスマホ向けゲームの動画サービスは、二つのグループでの競争となることがはっきりしてきた。
■プレイ動画の重要性が認識された米Twitch
ゲームの動画サイトは、パソコン向けのものが先行している。11年に登場したゲーム動画の中継を専門に配信するサービスの米Twitch(ツイッチ)が、8月にアマゾンに9億7000万ドルで買収された。買収に当たっては、YouTubeを持つグーグルと最後まで競っていたと言われている。
13年の中頃には、月に4300万人を超えるユーザーの視聴を獲得しており、14年2月には、アメリカでの通信トラフィックでの第4位になるほどの人気のサービスになっていた。eSportsと呼ばれる、ゲームをチェスなどと同じような知的競技ととらえる「リーグ・オブ・レジェンド」といった人気ゲームがヒットする流れに乗る形でサービスは人気を獲得していった。英語圏の広さも、人数の広がりの要因でもある。
また、昨年11月に発売になった、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション4」はいち早い対応をしたことが、マイクロソフトの「XboxOne」に比べて人気を得ることになった要因とみられている。
■バラエティ動画が多く投稿される日本
日本でのプレイ動画はアメリカとは少し違った展開をとっている。日本では、ドワンゴの「ニコニコ動画」を中心にプレイ動画は人気を得ていったが、欧米圏と違いeSportsという色は弱く、バラエティ番組的な内容のものが人気を獲得しやすい。また、パソコンゲーム中心で、ニコニコ動画が引っ張ってきていたが、スマホへと中心がシフトしていくなかで、変化が生まれてきている。
日本で「YouTuber(ユーチューバー)」と呼ばれる人たちが注目を集めている。動画サイトへの投稿によって、生計を立てられるほどの収益を獲得できている人たちのことだ。YouTubeにユーザーが投稿した動画には広告が表示されるが、その広告費は一定の割合で、投稿したユーザーにも配分される。何百万もの再生回数を獲得することができれば、1回当たりの分配額は小さくとも、十分な収益へとなる。
グーグルが、日本でYouTuberにスポットをあてたCMキャンペーンを行ったことで、その知名度が高くなった。日本で、人気のYouTuberには、179万人のチャンネル登録者を持つHikakin氏や、ゲームアプリの紹介サイトAppBank社長でもある112万人のチャンネル登録者を持つマックスむらい氏といった成功例が出ている。
動画はほぼ毎日更新されるが、目玉コンテンツの一つとして、ゲームプレイ動画が中継される。「パズドラ」や「モンスト」との広告キャンペーンを行うといったことも行っている。
こうした動画を作成するには、特別な環境をパソコンなどで用意する必要があったが、ゲーム会社側が対応したことによって、ユーザーでも気軽に投稿できるようになってきている。
プレイ動画を通じて見えてくるのは、ユーザーがどのように遊んでいるのかという実情だ。モンストが対応した直後の11月4日に、Lobiに投稿されている「男子高校生の日常」という動画が投稿されている。その中で4人の高校生たちが、たわいもない会話をしながら、モンストを遊んでいる。
特に注目すべきが、後半で、チャイムがなっているところで、学校の休憩時間の合間に手軽に遊んでいる様子が見え、スマホゲームの定着の様子を感じることができる。
ほんの数年前までは、ゲームのプレイ動画に対しては、ゲーム会社は著作権をコントロールしたいという理由から、すべて、禁止するのが当たり前だった。しかし、大きく変化が生まれてきており、むしろ、ユーザーが自社のゲームを使って、コミュニティを活性化してくれる要因になる重要性のほうを意識するように変わってきている。
そのため、今後も、プレイ動画サービスへの積極的な投資が行われてくると思われる。
HikakinTV(Hikakin氏のプレイ動画サイト)
https://www.youtube.com/user/HikakinTV
男子高校生の日常
https://play.lobi.co/video/b63d76434f560419a743d25044c82141cad69669
□ご意見、ご質問をお送り下さい。すべてのご質問に答えることはできないかもしれませんが、できる範囲でメルマガの中でお答えしていきたいと思っています。連絡先は、sakugetu@gmail.com です。「新清士オフィシャルブログ」http://blog.livedoor.jp/kiyoshi_shin/ も、ご参照いただければ幸いです。
新 清士(しん きよし)
ジャーナリスト(ゲーム・IT)。1970年生まれ。慶應義塾大学商学部、及び、環境情報学部卒。他に、立命館大学映像学部非常勤講師。国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)名理事。米国ゲーム開発の専門誌「Game Developers Magazine」(2009年11月号)でゲーム産業の発展に貢献した人物として「The Game Developer 50」に選出される。日本経済新聞電子版での執筆、ビジネスファミ通「デジタルと人が夢見る力」など。
Twitter ID: kiyoshi_shin
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