今回は、martin D-28(アメリカ製)、S.yiri YD-306(日本製)、そしてHeadwey HCJ-50(中国製)の音を比べてみたいと思います。同じフレーズを弾いた時どのように印象が違うのか楽しみですね。
まず、「ギター紹介」!
【martin D-28 1979年製】
購入してからもう40年経ちます。そろそろあちこちメンテナンスが必要な状態になってきました。
(トップ)シトカスプルース単板、(サイド、バック)インドローズウッド単板、(ネック)マホガニー、(指板、ブリッジ)エボニー。価格は購入当時の40年前で27.8万円でした。アコギの基本の音と言われる本器。私のD28は音量があり軽く弾けばやさしく、強く弾けばガッツンとアクセントを付けてくれます。激しいストロークでも暴れないところは流石だと思っています。
【S.yairi YD-306 1976年購入】
当時S.yairiの型番の中では、受注生産のYD-308、307に次いで量産ギターでは一番上位機種。
(トップ)スプルース単板、(サイド、バック)ローズウッド単板、(ネック)マホガニー、(指板、ブリッジ)エボニー。価格は10万円。
音の特徴は、倍音がある一弦一弦の輪郭がはっきりとした音。マーチンに近いがマーチンよりもジャキジャキ感があり、キラキラ。それが録音で伝わるといいですね。
【Headwey HCJ-50S 2010年製】
Headweyギターと言えば皆さんもご存じの日本製は結構評価が高いメーカーです。「HCJ-50S」は、そのHeadweyが中国で生産したものでGibson J45(50?)モデル。(今はもう販売していません)
(トップ)スプルース単板、(サイド、バック)マホガニー合板、(ネック)マホガニー、(指板、ブリッジ)ローズウッド。価格は通販価格3.58万円(安つ!…)
音はというと、形だけではなくGibson系のジャキジャキ感があり音色も似ており、音量は少ないもののサイド・バックがマホガニーのため軽やかな音がします。チューニングの狂いがほとんどなく、和音バランスがとてもいいので結構気に入っています。
【録音方法・評価】
録音:テーブルに置いたICレコーダーに向かって弾いています。音量も音色もレコーダー任せで、音質に関しては何も加工していません。演奏、弾き方の力量不足はご愛嬌として許してくださいね。
評価:私の個人的な意見を中心に評価しています。異論はコメントでくださいね。
では、早速、音比べとまいりましょう!
【比較1】
アルペジオ(ピック弾き1)
まず、ピック弾きのテンポのあるアルペジオのパターンで聞いてみてください。
(※1~3のリンクをクリックすると各ギターの音色動画を視聴できます)
※ニコニコチャンネル版
1.【martin D-28】1979年製(アルペジオピック弾き1)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(アルペジオピック弾き1)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(アルペジオピック弾き1)
※youtube版
1.【martin D-28】1979年製(アルペジオピック弾き1)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(アルペジオピック弾き1)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(アルペジオピック弾き1)
(評価)
如何ですか、個人的にはD-28に軍配。低音がガツンと来る感じがいいです。YD-306は少しおとなしいように思いますね。HCJ-50Sは低音が出にくく迫力がないですね。
【比較2】
アルペジオ(ピック弾き2)
次に同じくピック弾きですがゆっくりテンポのアルペジオです。
(※1~3のリンクをクリックすると各ギターの音色動画を視聴できます)
1.【martin D-28】1979年製(アルペジオピック弾き2)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(アルペジオピック弾き2)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(アルペジオピック弾き2)
※youtube版
1.【martin D-28】1979年製(アルペジオピック弾き2)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(アルペジオピック弾き2)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(アルペジオピック弾き2)
(評価)
こちらのアルペジオパターンですが、短くてすみません。D-28は音の抜けがいいですね。でも意外に良かったのがHCJ-50Sです。音の分離がよく、このパターンのアルペジオに向くような気がします。YD-306は、雰囲気はありますが、おとなしい(弾き方のせいかも…)かな。
【比較3】
アルペジオ(指弾き)
今度は指で弾いたゆっくりテンポのアルペジオです。爪で弾いていないので少しこもっているかも…。
(※1~3のリンクをクリックすると各ギターの音色動画を視聴できます)
1.【martin D-28】1979年製(アルペジオ指弾き)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(アルペジオ指弾き)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(アルペジオ指弾き)
※youtube版
1.【martin D-28】1979年製(アルペジオ指弾き)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(アルペジオ指弾き)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(アルペジオ指弾き)
(評価)
D-28、YD-306どちらもいいのですが、このアルペジオパターンではYD-306の雰囲気が合っているかもしれません。ただ弾いていてD-28は音量があるので強弱の表現はしやすかったですね。HCJ-50Sはギター自体の音量がなく力が入ってしまうことで表現が単調になったかな。
【比較4】
ストローク1
それでは、ストロークではどうでしょう。ハイコードからだんだんと下がってくるストロークパターンを弾いてみました。(※1~3のリンクをクリックすると各ギターの音色動画を視聴できます)
※ニコニコチャンネル版
1.【martin D-28】1979年製(ストローク1)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(ストローク1)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(ストローク1)
※youtube版
(評価)
3本ともにいい音が出ていますが、録音を聞く限りHCJ-50S がいい音に聞こえますね。和音バランスもよく迫力があるように聞こえます。実は弾いている時はYD-306の方が迫力、倍音があり「やっぱりこれだなぁ」と思っていたんですが…。
【比較5】
ストローク2
今度のストロークは、少しミュートしたストロークを弾いてみました。ではどうでしょう。
(※1~3のリンクをクリックすると各ギターの音色動画を視聴できます)※ニコニコチャンネル版
1.【martin D-28】1979年製(ストローク2)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(ストローク2)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(ストローク2)
※youtube版
1.【martin D-28】1979年製(ストローク2)
2.【S.yairi YD-306】1976年購入(ストローク2)
3.【Headwey HCJ-50S】2010年製(ストローク2)
(評価)
びっくりD-28とYD-306が、区別がつかないくらい似ていますね。ミュートに深みがありこのストロークパターンはこの2本に軍配。HCJ-50S も悪くはないのですが、今一歩のところ。(演奏下手だったから?w)
【総合評価】
1.D-28
流石です。そもそも音量があるので音の強弱が付けやすい上に音の分離が良いので、アルペジオでの表現、ストロークでの迫力と全てにおいて私の好きな音を奏でてくれます。特にガツンとした低音が好きですね。
2.YD-306
D-28によく似た音色と音量。弾いていた時はストローク向きだろうと思っていたのですが、意外にアルペジオでもよい音が出ていた事にびっくりしました。録音では分かりにくいですが、D-28より倍音があり実際の音はキラキラした感じです。
3.HCJ-50S
低価格ながらいい音にびっくり。実際に弾いている時は、バランスはいいけど音量がない「やはり安いギターはしょうがないのかなぁ」と思っていましたが、録音してみるとなかなかの実力。3本の中で一番弾きやすいギターで主に練習用でしたが、録音にも使えそうです。
【最後に】
今回、手持ち3本の音の比較をしてみて、それぞれのギターの特徴や向き不向き、実際の出音と録音の音の違いなど、色々な発見がありました。皆さんはどんな感想を持たれたでしょうか?コメントお待ちしております。
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