3D小説「bell」本編

■久瀬太一/8月13日/24時45分

2014/08/14 00:45 投稿

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  • bell本文08月13日
久瀬視点
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 八千代救出に関する連絡を終えてから、オレは久しぶりにソルのスマートフォンを覗き込む。
 それは次々に震えていて、なんだか生きているようで、勇気づけられた。
 ソルたちはやはり不思議だ。ただ暖かなメッセージ、冷静に次を見据えたメッセージ。様々なものが混じり合っていて、ばらばらなようで、でも奇妙な統一感も感じる。彼らからのメールを受け取っていると、なにか大きな、オレがいるのとはまったく別の世界に含まれているような気がする。
 ファーブルたちのビルを出たところで、道端で足を止めて、オレは必死に彼らへのメールに答える。嘘をつく必要も、誤魔化す必要もない。脳を使っていても、マラソンに似た、単純な心地良さがあった。

       ※

 24時30分になるころに、電波が切れた。
 その直後、バッテリーがなくなったのだろう、モニターがブラックアウトする。
 まだ暖かなそれを、オレは強く握りしめる。
 ――戻ってきたのだ。
 このスマートフォンが。彼らからの言葉が。
 なんだか安心して、オレは息を吐き出した。

       ※

 八千代に電話が繋がったのは、24時45分になるころだった。
「よう」
 と軽い口調で彼は言って、オレも「よう」と答える。
「無事か?」
「軽く殴られた」
「血は流れたか?」
「それほどじゃない。少し痣ができたくらいだ」
「顔をみるのを楽しみにしてるよ」
「ああ。いい男は、傷ついたときが一番恰好いいもんだ」
 ファーブルの方は? と八千代に尋ねられ、「英雄の証を探さないように約束させた」と答えた。
「どうやったんだ、そんなの」
「友達が頑張ってくれたんだよ」
「どんな友達だ?」
「じつはオレも、よくわからない」
 じゃあなと言って、八千代が通話を切った。
 ――なんだか、ずいぶん長い夜だったような気がする。
 とはいえ、目の前の問題は、これで片づいた。
 ――次はヒーローバッヂだ。
 それを手に入れれば、メリーへのルートが生まれるはずだ。
 
――To be continued
読者の反応

Aot(3D小説bell没入中) @aot_sol 2014-08-14 00:49:02
「いい男は、傷ついたときが一番恰好いいもんだ」か。やっぱり八千代には久瀬君と似た雰囲気を感じるなー  


交響楽 @koukyoraku 2014-08-14 00:49:42
ひとまず終局か
みなさんお疲れさまでした!


ヌケニン @nukeninhasaikyo 2014-08-14 00:47:04
よっしゃ!寝る!  





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