武藤 のコメント

続きですが、戦前日本において対立軸になっていたのは、欧米と協調し、国際秩序を維持する「現状維持派」と世界恐慌の中で欧米秩序を打破し、新秩序を建設する「革新派」の2派に分かれていました。
支那事変において軍部が蒋介石打倒を目指したのは蒋介石が英米の支持を受けて現状維持を目指していると見られていたためです。
だから、支那事変は蒋介石から支那を解放する「聖戦」であると国民から支持されたわけです。
大東亜戦争も新秩序建設のために行われましたが
敗戦し、「現状維持派」であった幣原喜重郎、吉田茂らリベラルグループが戦後日本を引っ張ることになりました。
革新派は社会党に合流し、ソ連支持、資本主義打倒を目指したわけですね。
ここで面白いのは、革新官僚であった岸信介は総理になり、日米安保を改定し、親米路線を確定させたことです。
岸自体は国内政策では最低賃金法、国民皆保険制度を作ったり、「革新派」でしたが、国際情勢では
「現状維持派」になってしまったのです。
安倍晋三も岸路線を継承して、戦後レジームべったりになっていますが、彼らにとって「革新」すべき
はGHQの占領政策(実際に第一次安倍内閣の時に教育基本法の改正、防衛庁から防衛省に格上げを行いました)の是正であり、アメリカ支配からの「革新」は大反対という方針です。
結局は国民自体がアメリカべったりの「現状維持」から「革新」に転じない限り、戦後は終わらないと痛感しております。

No.76 111ヶ月前

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