武藤 のコメント

安彦さんの対談は面白く見ることが出来ました。
安彦さんの「戦前の日本人は偉かったが、間違った」には非常に共感を覚えました。
戦前の日本は自己判断により政策を行っていました。その為に判断の誤りが生じてしまったことは事実でしょう。
しかし、現在の日本人がそれを「愚かな行為」として批判できるでしょうか?
ただ、アメリカの庇護のもとで思考停止をし、主権を喪失している中で、帝国主義の時代になんとか生き残ろうとした当時の日本人を罵倒、嘲笑なんか出来ません。
とはいえ、当時の日本人が選択を誤ったことは事実です。何故、支那事変という愚行を犯したのか?を
深く考えなくてはいけないと思います。
前にも書きましたが、これは「世論の暴走」にあると思います。
明治時代は藩閥政府が世論を無視した政策を行い、
国民は藩閥政府に対して怒り、政党政治の実現を目指しました。
大正に入ると、第一次大戦の余波で政党政治が確立し、世論に基づいた政策が行われるはずでした。
しかし、昭和に入ると、世界恐慌、支那情勢の悪化に当時の幣原外交は全く対応できず、代わりに武断派の軍部が民意を汲み取るようになりました。
それにより、本来は政治的には中立であるはずの軍部が世論の流れに逆らうことができず、支那事変、大東亜戦争へと突き進むことになってしまいました。この世論の暴走が戦争の道に引きずりこんだと確信しています。
支那事変が泥沼化しても軍部と軍部の意見を同じくする政治家、革新官僚が引き続き政治をリードし、貧富の格差の是正、戦争協力による身分差別をなくす政策を行いました。
敗戦をしても、この方針は続けられ、戦争協力による国家総動員法が、経済に全エネルギーを注ぐ政策に変化しました。
こう見ると、政策自体は戦争と戦後復興の違いはあれ、戦前と戦後は連続していると感じます。



No.66 113ヶ月前

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