カレー千衛兵 のコメント

【卑怯者の島の感想】

戦場の描写の迫力に圧倒されました。
「もし自分がこの戦場に立ったら・・・」と、強制的に想像させられながら、夢中になって一気読みしました。

作品を通して『卑怯』について考えさせられました。
人間には誰だって『建前』と『本音』があり、
その間で激しく葛藤する。
本能的に臆病者でヘタレな私が、戦場で『勇敢』を選択する為には、ありとあらゆる『建前』を動員する必要があると感じました。
『建前』がなければ、生存本能を打ち破って立派に死ぬことなんてできないと思いました。

そして私には「あの島に卑怯者はいなかった」と感じました。
「卑怯者の島」とは、苛烈な戦闘があったあの島のことでは無くて、過去を割り切った戦後の日本列島の事だと感じました。
あとがきにて作者は「この作品に主張したイデオロギーがあるわけではなく」と述べていました。
けれども、私にはそれも『建前』の可能性があると感じました。
もし、そうでなければ、あのラストシーンは描かないと思うからです。

今の日本人は【卑怯】に慣れきってしまって、居直ってしまった状況と言えると思います。
そんな現在の日本人には『一秒先の勇敢と卑怯』の葛藤などそもそも経験できないのかもしれないと感じてしまいました。
日本人が『勇敢』を葛藤の選択肢に入れる為には、
ありとあらゆる『建前』を取り戻さなければならない、
と、私は感じました。

最後になりましたが、この大作を世に送り出してくれた小林よしのり先生とよしりん企画スタッフの皆様はもちろんのこと、後押しやバックアップをされた全ての関係各位に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!!

No.68 113ヶ月前

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