芸人の光浦康子が「森永さんは意見を言うから嫌だ」みたいなことを言ったとSAPIOの記事にあり、このことが道場でも紹介されましたが、これが現在の日本人の一般的な意見なんだろうということでした。誰かからの意見の押しつけを聞くのは嫌で、易しく解説されるのだったら歓迎するわけです。その解説を受けて自分の頭で何か考えるのかというと、そんなことは絶対しないわけです。ただ他人との会話などで目新しい単語や情報が出てきた時に適当な相槌を打てる程度には知っておきたいぐらいの認識なわけです。この状態は為政者としては非常に支配しやすい状態だなと考えられます。
　初期の道場で沖縄を扱った回だったと思いますが、質問者から「日々の暮らしで精一杯な時、疲れて何も考えるのが嫌な時は、もうポチでいんじゃね？と思う」という意見が出ていました。非正規などで自己肯定できないぐらいに酷使されていると、何も考えたくない状態に簡単に陥うだろうなと感じました。こんな状態なら押し付けられる意見より易しい解説だけを欲してしまうでしょう。国家として独立したいなどとは意識にも登らないでしょうし、そのための議論などしたくも無いでしょう。
　今回の道場は前半が絶望を見せ、後半で希望が示されるという構成だったわけですが、各現場の各個人が議論したくないという状態だというのは、空気を変えるための前提としての議論がそもそも成り立たない状況は相当難物だなと感じます。せめてカネも暇もある団塊以上の高齢者が話に乗ってくれれば良いのですが、彼らには自分が生きてる間だけ安穏としてられればいいや、という感覚が根深くある気がします。それでも根気よく対話していきたいとは思いますが…。

　希望への道も相当険しいというのが第２部視聴後の感想です　na85