武藤 のコメント

ネトウヨを産んだ原因として思うのは、「戦前」という存在の非現実的な神秘性に惹かれてしまうというのはあると思います。
学生時代に左翼教師に学んだ「戦前」は暗黒、悲惨、加害として誇るべきものではなく、唾棄すべきものであった。
しかし、『戦争論』に出会い、「戦前」は恥ずべき歴史ではなく、誇るべき歴史だと気づくことが出来た。
その誇るべき歴史を真っ黒に染める左翼マスコミ、あるいはサヨク政治家…
怒りがフツフツと湧いてくる。誇るべき絶対の事実があるにも関わらず、相変わらず戦前日本に鞭打ち、祖父世代を加害者、侵略者に染め上げようとする卑劣鬼畜な輩!自分の左翼イデオロギーでテストに「人殺し!中国の人かわいそう」と書かせた左翼教師!日本の戦争責任を追求する中韓!そんな奴らを生みだした戦後!許せない!ネットであるいはデモで左翼をやっつける!
まあ、ネトウヨの心象を推し量るならば、こーなるでしょう。
しかし、ネトウヨのおかしな点がいくつもあります。それは戦後空間に対してです。
一、原子爆弾を投下し、日本を占領したアメリカに対する怒りがない。
そもそも、日本が自虐空間になったのは占領軍。アメリカのせいである。何故、アメリカを批判しない?
例えば、ネトウヨ教祖である渡部昇一は占領政策は批判します。しかし、反米よりも反共が強いために占領政策が転換して、逆コースをしてくれたアメリカは良い国になります。
二、対米追随の戦後を肯定的に見る
戦後に冷戦構図になり、西側陣営に所属した日本はアメリカにとっては反共の防壁でした。アメリカも日本が可愛いから、経済軍事援助したり、日本を防衛しているのでなく、アメリカの利益の為である。
このアメリカの戦後の対日政策に対する怒りがネトウヨにはない。そりゃあ、変だろ。
三、対米追随をさらに加速させる安倍政権をマンセーしている。
冷戦が崩壊し、アメリカの対日戦略が防壁からアメリカの世界戦略に対する輸送基地に変わりました。冷戦構図では確かにアメリカとは協力しなければは分からなくないですが、今は対米自立を模索するべきです。
しかし、安倍政権のやり方は対米追随を立憲主義を崩壊させて、暴走させるやり方で、大東亜戦争肯定の保守ならば批判するべきです。しかし、ネトウヨは「サヨクをやっつける安倍は正しい」とイデオロギーになっているために批判はしません。
安倍にとっては、歴史認識とかをすごーし餌としてネトウヨに蒔いておけば、「自虐左翼と戦う安倍さんを応援しないと!」になるわけです。
ネトウヨにとっては歴史認識こそが踏み絵であり、政策は関係ないのです。

No.135 116ヶ月前

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