つぼきち のコメント

話の腰をおってすいません。
どうしても小林先生に伝えたいことが…。

昨日、書棚にあった、小林先生の『国防論』読み直しました。
私は東北人なんですが、
東日本大震災について、一本、手間をおしまず書いて
下さった小林先生とスタッフ、関係者の皆様に
改めて、感謝と敬意を表します。

『国防論』は、発売当時、震災関連の事務やら、
ボランティアやら仕事で忙しく、
あの現実を直視したくない自身の弱さもあり、
じっくり読むことができずに、
自分の中で、時に取り残されていた
タイムカプセルのような先生の名著でした。
ライジング参加をきっかけに、『戦争論』をはじめとして
小林先生の過去の膨大な著作の
読み直しをしていたのですが、書棚のかなり奥の方に
埃をかぶっていた『国防論』をみつけました。
再読してみて、当時の現状やら
辛さ、哀しみ、感動、奇跡などいろいろな
感情が自分の中で吹き上がってきました。

また、
あの都会的で虚弱(?)な小林先生が、
あの汚泥にまみれた大量の瓦礫の中を、
現場入りして取材されたんだなと
深く感じ入りました。

また、当時の避難所の雰囲気、
死と生の境界がほんとうに薄い世界観、
汚泥の匂いなんかが
巧みな筆致で記憶のタイムカプセルのように甦ってきました。

本を一冊出す労力たるや凄まじいものがあると思います。
売れるか売れないかもプロだし
スタッフを養う意味でも、かなり
気を遣って仕事を選ぶのでしょう。
もしかしたら、小林先生は
「公」のため採算度外視で、『国防論』を
書かれたのではないかと勝手に感じました。
もしそうなら申し訳ないなと思いながら。

東北のために貴重な著書一冊を世に御下賜たまわり、
このご恩、東北に生きるものとして、終生忘れません。
義理堅い東北人なら尚更です。

さっそく、『国防論』さまには、塵埃を丁寧にお祓いして
自宅の神棚に祀らせていただきました。
先生、スタッフの皆さまに感謝のままに。

No.117 119ヶ月前

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