鷲音モー のコメント

購入してから新戦争論を何度も読み返している。
そろそろ愛読者カードに感想を書き綴ろうと、今日もまた新戦争論を開き、第22章まで読み進めた時に、先週の雪まつり会場付近でヘイトスピーチ街宣があったことを思い出す。

2月8日日曜日、札幌では雨が降りしきり、雪まつりでは雪像の一部が崩れたりして、ドシャメシャな有り様であった。
その日、俺は雪まつりススキノ会場やら大通会場やらを見物していたが、余りに雨がひどいので映画館に駆け込んで、呑気に娯楽映画を楽しんだ。
その同じ頃、雪まつり大通会場付近では土砂降りの中、細々とヘイトスピーチをしていた頭脳が少なからずファンシーな連中がいたらしい。
そんなファンシーな連中がいるところには必ずカウンターの連中も現れるという。
ショッカーに対する仮面ライダーみたいなものだろうか。
一般の生活者が関わらぬところで延々と闘い続けている悪の結社と正義の味方って感じで苦笑する。
雨にずくずくに濡れながら運動に熱狂する変わり者たちに、通りすがりの外国人観光客もさぞかし失笑していたことだろう。

想定外の大雨の為に雪まつり会場内の運営で精一杯になっていたであろう雪まつり実行委員会にまで牙を剥き、嫌がらせの如き電話をした正義のカウンターがいたという。
現場でイベントを支えている雪まつり実行委員会に対し、会場外で少人数のレイシストが虚しく喚いているヘイトスピーチをどうにかしろとクレームを入れるカウンターの正義感に、電話を受けた担当者はさぞかし辟易とした事だろう。
自分たちの正義に従わぬ者すべてを敵視して、「しばき」と称して攻撃する異常性には正直ドン引きする。

雪まつり実行委員会は雪まつりに来る道内外の観光客、国内外の観光客に出来る限り楽しんでもらえるように工夫を凝らし努力していた。
それはまさに公園の草むしりと同じだ。
そんな草むしりをしている人、汗水をたらして働いている現場の人間に向かって意識が低いと難詰し、罵倒し、自分の正義に酔い痴れている連中に対しては、どのような主張をしていても真っ当な庶民は共感することはない。
雨が降りしきる中をご苦労にも罵詈雑言を浴びせ合っているザイトクとカウンターのブザマさは、傍目には同類の変わり者にしか映らない。
同じ雨に打たれていても、雪まつりを滞りなく運営させようと努力している人達の方が間違いなく尊いし、真っ当である。

ヘイトスピーチに対して嫌悪感を覚え、しっかりと非難の態度を示すのは正しい筈なのに、対抗して運動を始めると同じ穴のムジナとなるのは手段が目的化して、等身大の自分を客観視出来ずに自我を肥大化させた仮面ライダーに変身してしまうからだろうか。
一度ヒーローになったと錯覚してしまった者はその麻薬のような陶酔感の虜になってしまうのだろう。

怠惰に流されることなく、生活実感から遊離することもなく、身の丈に合った公を常に意識していかねばあかぬと思う。

No.88 120ヶ月前

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