カラス のコメント

『新戦争論1』読みました。漫画でのゴー宣スタイルは『AKB48論』で最後なのかな~と思っていましたが、まさか剛速球ド真ん中ストレートのゴー宣(それも戦争論!)がまた読めるとは感激です。
全編通して興味深く読みましたが、特に印象に残ったのは国と公の違いが描かれた第22章です。「国と公はズレることが多い」。ポチウヨにしろリベサヨにしろ彼らの言葉が全く響いて来ないのは、連中がやっているのは全て「国論」どまりであって「公論」がごっそりと抜け落ちているからではないか、と読んでいて思いました。
歴史的な縦糸と地域人間的な横糸で紡がれる公感覚がなく、点としての国感覚しかないからいつも脊髄反射で場当たり的な迷走状態に陥るのではなかろうかと。ネトウヨに代表されるテクニカルな国論(国策論)ばかりの人間がつまらないのも、大前提としての公論をすっ飛ばしているからではないかと。
「国と公は必ずしも一致しない」というのは、阪神淡路大震災の追悼式に出席された両陛下と、同日に中東へ営業外交に出掛けるという、国感覚しか宿していない安倍首相の差にも歴然と表れているように思います。国論しか持たないからビジネス優先になるんでしょうね。
原発維持も米国追従も左翼がやってる反国家も、全て国論の範疇でしかなく公論が射程に含まれていない。よしりん先生と右派左派の話が噛み合ない原因も、公論と国論のズレから生じているような気がします。
国論しかなければ、来し方が無いから行く末も無く、土着した公共が無いまま指針なく世界の奔流に揉まれ続けるしかないのではないか?
そんなことをつらつら考えさせられました。以降の続編も期待しております。

No.119 116ヶ月前

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