na85 のコメント

    (続き)
 上述したように、実は男女観においても世界で最も進んでいたのがかつての日本文化だったと思われますが、長い日本の歴史の中で度重なる海外からの影響に晒された結果、思想の糸はもつれにもつれてしまいました。しかし、これを解きほぐすこと無しには、日本古来の「女性が太陽だった国柄」を取り戻すことはできず、放置すれば偽史の再生産と定着の強化が進むことになると思われます。

 現在、男性がその競争的な頭脳を分析的に働かせて構築してきた社会は、その歪による限界を、全世界的な広がりを持って露呈しつつあります。グローバル経済により、一部の富裕層が世界中の富を独占し、グローバル企業が世界中の国家を追い詰め、その結果各地で戦争が繰り返され、またそれを富裕層やグローバル企業が金儲けの材料としています。最強の国家とされる米国も例外ではなく、1%のグローバルな富裕層が99%の貧困層(世界中からの移民を含む)を貪っている状態です。またグローバル企業の活動の結果として世界中の環境が破壊され、森林減少による異常気象は陸水減少と食料減産をもたらし、世界の不安定化をより深刻なものにしています。

 もはや男性のみによって作り出された社会は、完全に機能不全に陥ったと言えます。つまり、強くあらねばならないと構える男性たちが、その競争的な脳を働かせて動いた結果、勝者と敗者、富者と貧者がキレイに二分され、勝者は敗者に落ちることを恐れ、勝ち続けねばならなくなり、安心を得るためには全てを独占する欲望を抑えられず、覇権国家の政府を操って世界のルールを自分たちに有利なように捻じ曲げ(二国間のFTA・EPAや、多国間のNAFTA・TPPなどの政治・経済・社会・文化の全てを一定のルールに統一するという破壊行為)、それに反対する勢力に対してはテロ集団と名付けて暴力の使用(経済封鎖などで追い込んだ挙句反撃すれば多国籍軍を編成して武力行使するという正味の破壊)もためらいません。
 貧者の反乱を恐れた富者は、安心を得るため武装集団に守られた塀の中に閉じこもり、貧者は塀の外で飢餓や病に呻吟し、塀の内側に対して絶望的なテロを計画するという状態も世界中に散見されます。グローバルに開かれたはずの国際社会が、逆に世界を隔絶する壁を各地に乱立させるという悲惨な状況を作り出しました。このまま進めばそう遠くない未来に人類社会および地球は崩壊するでしょう。

 では、どうすれば良いのでしょうか。
    (続く)

No.120 121ヶ月前

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