na85 のコメント

 よしりん師範、みなぼん編集長、号外配信、ありがとうございます。

 政府事故調の吉田調書という、現場を最もよく知る人の証言においては、「東日本壊滅」が実感としてあったという1点こそが、最も重視されなければならなかったと思われます。それなのに、事故の被害を過小評価したい原発推進派は当然のことながら、大々的に原発の危険性をアピールしても良さそうな脱原発派の朝日までが、単に読売にダメージを与えられる材料ぐらいにしか考えず全く重要視していなかったことが浮き彫りとなる内容でした。
 朝日をはじめとするマスコミ人には、イデオロギーのプリズムを通してしか資料を見ないという長年の習性がついているため、自分たちにとって都合の良い資料かどうか、論敵にダメージを与えられる材料かどうかにしか目が行かず、この社会にとって何が最も大切なことかという公の視点が欠けていたり、本来公開してはならない調書を公開するというルール違反を見落としていたり、資料を読み間違えて大誤報を出してしまったりするわけです。
 これに対して、事故直後は市井の民の方がまともな直観を働かせることができたように思います。文化人ではありますが、坂本龍一氏のほうが「東日本壊滅」を直観し、まともな意見を言っていました。「麗しき日本の国土を汚し、未来を担う子どもたちの健康を害しているものに対して、なぜ日本人はもっと怒らないのか」「皇室になにかあったらどうするんですか」「これが幕末なら、僕は脱藩浪士になって、桜田門の変を起こしていましたよ」と。
 しかし、市井に暮らす人々もイデオロギーに毒されたマスコミとネット住民が流す大量の情報に曝露しているうちに徐々に直観が鈍り、吉田調書に触れても「ツッコむとこ、そこ?」という読み方をしてしまい、マスゴミやネトゴミと同じような意見に染まってしまうのでしょう。ちなみにネット住民が自ら情報発信し始めるときには、多くはすでに何らかのイデオロギーに毒された状態で発信を開始しており、その上閉鎖も強いためマスコミ以上に空気に流されやすいと思われます。
 毎日大量に発信されるマスコミ報道に触れてもネット情報に触れても、自分の感覚を研ぎ澄ませて判断することが今ほど求められている時代は無いと思われます。

 今回もとても勉強になりました na85

No.35 124ヶ月前

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