今や我が邦では政権批判をする歌うたいは大手メディア、マスコミから排除され、大衆は聞こえない声は無いのと同じという態度で、体制側から与えらたサーカスに熱狂している様子です。
まさにRock is dead状態。

ファッション化された思想の言葉遊びが氾濫し、オサレな言葉遊びはナウくてイカすものだから無条件にノリノリになるのがイケてる振る舞いってもんだがんしょ。つって、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損、損というスタンスがすっかり浸透し、定着しています。

言葉をいかに遊び倒すことが出来るかを競い合い、さも思想的に意味ありげな言葉を羅列してみせるかが当世風なので、いわゆる言論人とやらも時代の空気を読んで、その風に合わせて刺激的な言葉を放言し、大衆に呼応する形で、エキセントリックに歌い踊っています。
それはあくまでも体制の枠内ではしゃいでいるだけで、現体制と対峙してみせようという覚悟のないただの悪ノリの言葉は決して心に何も残さず、祭りのあとの虚しさを埋める為に延々とはしゃぎ続け、言葉の劣化の歯止めが効かず、意味も価値もなくして、より過激に、より暴力的に、より獣性を剥き出しにした言葉をゴミのように散らかすことに夢中になっている惨憺たる有り様。

劣化した言葉を吐き散らかす者にとっては、今の状態は夢心地であり、この国は無条件に美しい。この国は無条件に誇らしい。ゆえにこの国の国民である自分は無条件に素晴らしいといった悪性ナショナリズムを子守唄に、自らを深い夢の中へ。
そうして良い気持ちで眠っている、眠らせているのを叩き起こすように、覚醒させる言葉で熱唱するロッケンローな馬鹿野郎は安眠を妨害する反体制の異端者として排除、封殺されちゃいます。
排除って一人ぼっちになることだから、さみしさに耐えられずに、ロックなんか犬が食えっつって、Rock is deadでオッケーとピースサイン。

そんな時代にあって、なんだかロックンロールしてる人が一人いるな。
「一人でいて淋しくない人間になれ」って覚醒させる言葉を絶唱してる人がいるな。
言葉に重みがある人はやっぱかっけぇな。