na85 のコメント

【ゴー宣と私】
 私が最初に読んだ「ゴー宣」は西部邁氏との激しい論争の回でした。高校生の頃だったと思います。相手の主張だけでなく何気ない言動やエピソード、表情、雰囲気までも含めて批判を組み立てていき最終的に論破する、そのような論争をエンターテインメントとして成立させる手法が新鮮でした。しかし当時の私は社会問題にそれほど関心があったわけではなく、当然西部氏も知りませんでしたが、そこに描かれていた敵キャラ西部はものすごく愛嬌があって魅せられたのを覚えています。
 それからしばらく遠ざかっていましたが、大学生の頃何気なく手に取ったのが『差別論スペシャル』でした。夢中で一気に読み進み「ザ部落ウルトラ解放フェステイバル」は絶対開催されなきゃいけない!と思いました。そして発売されていた単行本を全巻揃えてゼミやクラブで勧めまくったのを覚えています。おかげで今本棚にある初期ゴー宣はボロボロです(笑)。また「ゴー宣」の小林先生が「おぼっちゃまくん」のよしりんだということを知ってさらにビックリでした。「中学生にもなってコロコロ読んでるんか」という冷やかしにもめげず毎月愛読していたからです。当時の連載作品は皆好きでハゲ丸も清原君も好きでしたが、一番はやはり茶魔でした。
 私は「ゴー宣」との最初の出会いが西部邁との論争でしたので、「新ゴー宣」に入って一発目、小林先生の「やはり電車で漫画なんか読んじゃだめですよ」のセリフから、西部氏とガッチリ握手したシーンは感動的でした。私は『差別論』から嵌りましたので、『脱正義論』を(左翼から保守への)転向だと言う人はバカだと思いましたし、先生が「慰安婦問題」や「教科書問題」に入っていかれた時も、その辺の評論家と違って商売や自分の立ち位置で描いている人ではなく、右も左もなくただ世の中をよくしたいという動機に貫かれていると感じていました。だから私も全くブレずにファンでいられたように思います。

 長くなったので「戦争論」エピソードは割愛します na85

No.191 128ヶ月前

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