~na85 presents 直撰和み歌集~ 小林よしのりライジング※欄に雷神宮歌会が始まって数ヶ月、毎回内容に即したテーマが設定され実に多くの短歌が寄せられました。百歌繚乱の中から僭越ながら私、na85が「これは」と思った歌を各号3首ほどずつ選んでみました。そして、極私的解釈ですが一言コメントもつけました。 選考基準は、1.原則として57577の定型を守っていること、2.設定されたテーマに沿っていること、3.可能な限り非政治的であること(和み歌ですから)、3.抒情的であること、です。なお選考の公平性を保つためna85の歌は選外です。 ※基本的に敬称略とさせていただきますが、ライジングネームに敬称が含まれている場合(例・ごっさん)もあります。 ※57577から外れていても載せたい歌があり、その場合若干の改編を施しましたことをお許しください(そのままの場合もあります)。 それでは…いざ! 49号、テーマ:静 ○目に浮かぶ 陽光(ひかり)に揺れる 稲の穂の 静かに流れる 悠久の時間(とき)(ごっさん) 記念すべき1回目は提案者の歌です。揺れる稲穂が浮かびます。 50号、テーマ:風、カレー、せんべえ、衛兵 ○里帰り 夢見し子らの 寝顔見て 耳をすませば 風鈴の音(カレー千衛兵) お盆の帰省に風鈴。日本の風物詩が織り込まれた子を思う歌です。 ○上半身 裸で夏風 待ちながら レトルトカレーに 舌鼓うつ(dai) 湿潤な日本の夏の風景です。暑い夏は熱いカレーで乗り切る。 ○けんかして なにかきっかけ 探してた ぼくが作るよ ごめんねカレー(mayu) 一刻も早く仲直りしたいから簡便なカレーを作ってご勘弁願う男心です。 51号、テーマ:元、業、味噌 ○パソコンで 仮想化された 我なれど 貴女に届け この元気玉(カレー千衛兵) たとえモニターに浮かぶ文字群でも元気をあげたい。 ○ネットでは スーパーマンの つもりでも 社会じゃ所詮 みそっかす(くに) ネトウヨくんたちへのキツイ皮肉です。 52号、テーマ:花(華)、夏、オリンピック(五輪) ○「好きな花 なあに?」と君に 問われれば 「その鼻」と君を 指さし照れる(ごっさん) 傍からは見てられない光景でも、本人たちは意に介さず。 ○かえり道 なーごなーごと 猫の声 ひとりじゃないと 気づく夏の夜 (mayu) 慰めになれれば猫もうれしいかにゃ? ○家出した 貴女が部屋に 残したもの 深紅のルージュと 枯れかけの花(dai) 復縁の見込みがないことは花で分かりますが、書かれた言葉が気になります。 53号、テーマ:雲、夏、AKB ○公園で 寝そべり雲を 目で追う子 残すべきは 故郷の空(ごっさん) 全くその通りです。 ○美しい 国をつくると 上り坂 雲の上には 鬱くしき國(ランバダ稲荷) 鬱陶しい雲が垂れ込めています。若干政治的ですが上手いので。 ○ふしだらな 夏がくるよと 少女たち 秋葉の空の もとにて歌う(monmon) 恋愛禁止の掟を自らに課しながら恋歌を歌い続ける矛盾に苦悩? 号外、テーマ:天、雲、夏、AKB ○今日もまた 誰かのために 歌う君 見守る事が 僕にできること(monmon) 嫉妬から敵も多い少女たちへの純粋な視線。 ○総選挙 ファンが投じた 一票を 愛と例えた 女神の涙(monmon) 最高神が去り、不文の掟も失ったAKBに未来はありやなしや? ○突然の 雨濡れに行く 君たちが キラキラ光る 狐の嫁入り(dai) 雨滴が陽光に光って、これがホントの水も滴る~? ○雨宿り 女の子たち 天仰ぐ お天気雨の 稲荷神社(ランバダ稲荷) 御狐様の気まぐれは軽やかでしょう。 54号、テーマ:金、父 ○今度あの 子に会えるのは いつだろう? 財布広げて ため息をつく(dai) 訳あり元父の切ない1コマ。 ○暑くても 秋は来たよと 主張する 金木犀の 微かな香り(dai) ごく小さな花が疎らに咲いて主張してます。 55号、テーマ:幸、画、秋刀魚、星 ○じゃんけんに 勝って崩れる 珠理奈から 推しの僕は 幸せもらう(dai) 目から意志の強さが溢れてた。”やらせ”なわけがない! ○「この空は 星がひとつも 見えないね」 呟く女 俯く男(dai) 男女の将来不安は不夜城の空に仮託されて。 56号、テーマ:木(樹)、葉、実 ○見上げれば 森のつくる 道しるべ 暗闇の中 空の参道(mayu) 参道脇の森は空でも参道をつくって導いてくれる。 ○木の恵み 景観だけと 見過ごすは 食の恵みを 忘るることなり(magome) 鎮守は優しい景観と木陰の他に秋の恵みももたらす。 57号、テーマ:竹、田、家、教 ○笹の葉を 食い散らかして 子作りに 励むパンダを 見て喜ぶ君(dai) パンダはけっこう獰猛だと教えても「そんなのカンケーねー」。 ○しぃちゃんに 教えてあげたい この事を 見えない空は いつでも青い(monmon) 青くて星もいっぱいだけど、ただ見えないだけなんだ。 58号、テーマ:M・マゾ、謝 ○消せてない 君の番号 見ていると 頭に流れる プリプリの歌(dai) 引きずる過去。男はみんな実は女々しいのです。 59号、テーマ:死、生、コーヒー ○病室の 中は静かで 心電図の 音だけが耳 支配している(dai) 見守る家族の息遣いさえ静寂の中に響くよう。 ○生きとして 死に悩むのは 人の常 悩み無き目に 生は映らず(尻毛屋) 死を見つめるから、有限の生を有意義に生きる。 ○千の風 などにはなれぬ 僕たちは 死ねば肥沃な この地に眠る(dai) 渇いた風よりウェットな土に還りたい日本人。 ○生きること 定義を欲せば 死ぬことか 強き野花は 死ぬゆえなるや(三味線弾き) 一年草の美しさはメメント・モリのせいか。 60号、テーマ:訴、咳 ○テロリストの ナイフのやうに 忍ばせて 和紙に書きたる 直訴の文を(ちょこ) 已むに已まれぬこの思い、真摯な訴え届けとばかり。 61号、テーマ:密、食、春 ○幼き日 みんなで作った 秘密基地 完成したのは 仲間の絆(カレー) たとえ見つかって破壊されても僕らの記憶は不滅です。 ○吾の背中 温められて 振り向くと 小枝の間より 小春の日差し(dai) 日の短くなり始めた午後の木漏れ日は優しくて。 62号、テーマ:夫婦、鼻、禿 ○じゃあまたね 鼻のあたまに キスをした 口元までは 遠い道のり(mayu) 「この間の額よりも近づいた」と本人はご満悦かも? 63号、テーマ:泣、涙、災、個 ○涙管が 塞がっていると 言い放す それってやっぱり 言い訳maybe?(カレー) 明らかな言い訳をすることで、より感情が伝わります。 64号、テーマ:偽、嘘 ○「好きじゃない」 言った刹那に 君の目が 潤んだことを 忘れられない(dai) 彼女が踵を返したら、背中から抱きしめるんだ。 65号、テーマ:秘、色、語 ○秘め事に うつつ抜かしつ 舞い戻り 寒さ染み入る 娑婆の夕暮れ(三味線) 現世に戻るまで居た桃源郷の温かさが冬の寒さを際立たせる。 ○「このことは おかあさんには ひみつだよ」 散歩の帰り たこやき分けた(カレー) でも、あっという間にばれるんですね。 66号、テーマ:差、別、弱 ○コーヒーを 飲みつ交差点 眺めると 笑顔の君が 窓に映った(dai) 初デート、カフェの窓際、待ち合わせ、情景が目に浮かぶようです。 ○「さよなら」と 大声で僕は 手を降った 長い影連れ 君は帰路行く(dai) 別れ際、秋の夕暮、これも情景が浮かびます。 67号、テーマ:皇、流、神、縄 該当なし 号外、テーマ:皇、流、神、縄、戦 ○濠端を てくてくゆけば これやこの 皇居ランする 人に抜かるる(ちょこ) 平和な日常風景です。陛下にも一刻も早い安心を。 ○流暢に 読経のひびき 早咲きの さくらほころぶ 冬の大坊(ちょこ) 国の安寧を願うという仏僧は多いですが…。さくらよ咲け。 ○浴槽の 海原に浮く 子のヨット 息吹頼りに ゆらりと船出(dai) その子に社会の荒波が襲うときを案ずる父の心情も仄見えて。 68号、テーマ:個、右、左、酒、薬、亜 該当なし 69号、テーマ:骨、魂、靖 ○戦場に 消えた良人の 面影を 誰とも知れぬ 骨に求むる(尻毛屋) 靖国に 還ると彼は 言ったから 千鳥ヶ淵に 足は運べず。 70号、テーマ:小、詩、黒 ○雪をこね 丸めて投げた 小さな手 我が手や息で あたためている(dai) 寒くて冷たいけど、温かい風景です。 号外、開催されず 71号、テーマ:八、脱、都 ○寒空の 屋台に並ぶ 八里半 甘き匂いは 春より恋しく(尻毛屋) 八里半=焼き芋です。クリより旨いと評判で。 ○子どもらの 声が聞こえて 八時だと 気付くが僕は 二度寝始める(dai) 家族サービスもしたくない日もあるんです…多分。 ○やがてくる 脱原発は たまもかる 沖にあまたの 風車がまはり(ちょこ) そんな未来を皆が待ってます。 72号、テーマ:塊、成、尻 ○あの子への 思慕をそれとは 気付かすに 雪の塊 ぶつけて逃げた(dai) 気になる子ほどいじめるんです…多分。 ○雪だるま 腰を屈めて 作ってる 君は笑顔を こちらに向けた(dai) その幸せが続くこと、ただ祈るのみ。 73号、テーマ:児、養、通、尿、雪 ○父母のなき 幼子照らす 日の光 悪を演じて 強き大人に(三味線) 今は反発覚えても、それが導きだったと気づく日を信じて。 ○僕のそばに 寝かしつけた 幼児(おさなご)の 寝顔は天使 いびきは悪魔(dai) 天使で悪魔、どちらも愛の化身だよ。 74号、テーマ:赤、建、独、魂、B ○泣きながら 空(くう)を握りし 赤子の手 更に我が手が 握りしめてる(dai) この子のために良き未来を残したい、そんな決意でしょうか。 75号、テーマ:右、乳、花、蓮、極、馬、鹿、左 ○あなたの手 振り払ったのは 私…けど、 なぜか私の 右手、冷たい…(dai) 失って気づく…あなたの存在の大きさ。 ○ドライブ中 隣の彼と 寄り添いたい 右に2センチ 体ずらして(mayu) 5センチとか露骨じゃないところがいいですね。 76号、テーマ:言、皇、飯、憲、Y ○園児らの 素直な言葉にゃ 叶わない いくら天然 演じてみても(ニセただし) 天然系芸人ニセただしさんでも敵わない。 ○ごはんをね たべたらあとは おかわりだ(しぃちゃん) そしてさいごは ごちそうさまだ(下の句 byなーご♪) ○いただきます ご飯の前に 言うのはね 命をいただいて いるからだよ(カレー) 合掌&会釈は命と生産者への感謝、決して”おもてなし”ではない。 ○フキノトウ 夕飯で食べ 思い出す 土手で草摘む わが祖母の背を(ボン) 故郷での祖母との美しき思い出も今は遠く。 ○皇の 言葉は重く 受けれども 傍の囃しは 噴いて消される(尻毛屋) 公の体現者の言葉と、保身という私のみの言葉との差は歴然。 77号、テーマ:友 ○モニターに 映る我が子の 友の中に 見慣れぬ顔みて 春を感じる(dai) 春は始まりの季節です。 ○三年の 季節を過ごした 友達と 胸張り迎える 卒園の日(カレー) そつえん、おめでとう、しぃちゃん。 ○ともだちが ないたらみんな なぐさめる(しぃちゃん) いじわるしたこも ちゃんとあやまる(下の句 byなーご♪) ○テレビから 流れるデモの 状況に 連絡つかぬ 友の身思ふ(ニセただし) その後連絡はつきましたか? 78号、テーマ:本、裏 ○本閉じる 刹那にそっと 忍び込む 桜の花は 季節の栞(dai) 季節の便りはきっとそのままにしておいたでしょう。 ○文庫本 紙面が赤く 染まり行く 図書館の窓に 差し込む西陽(dai) 日も少しづつ長くなってきた午後、明日も晴れだ。 ○異動する 前の始末に 本当の いきさつ明かす 年度末なり(ちょこ) 春は終わりの季節でもあります。 ○裏切りと いふにあらねど 愛し子は 父の手離るる 日のいつか来る(ちょこ) 裏切りと 言いたくなる気も 分かるれど 喜び送り 出すも父の愛。 79号、テーマ:母、学 ○祖父母から 学習机 贈られて 地球儀を置く 野心家の娘(カレー) たちいちがしっかりしてるなら、せかいをゆめみるのはOKだよ。 ○結婚し 母へと変わる 近所の子 今の名字で 学ぶ距離感(がんT) 時の流れを感じるのは、ほんのささいなこと。 ○春の日の 賽の河原に ひとりまた 母を恋ひつつ 石積み始む(ちょこ) そこがうららかであるほど余計に悲しさが募る。 ○母親の 胸に抱かれた 子のように 春の眠りに わが身預ける(dai) 春眠暁を覚えずな光景です。 ○大学を 出ても宛無い 我の目に 雪に紛いて 散る桜花(あやめ) 氷河期と 例えられてより 幾年目 春失わせし 世界主義止めよ。 ○母の背に おわれて聞きし 子守唄 思い出重ねて ふと口遊む(尻毛屋) 泣きやむまで負ぶって歩いてくれた母。 80号、テーマ:母、花、雉、乳、おっぱい ○母の手を しばし離れて 歩きし子 興味示すは 我が無精髭(がんT) 転ばぬかと一瞬も目を離せない、そんな光景。 ○女の子 最初にするのは 乳離れ 成長したら つぎ父離れ(monmon) 悲しいけどそれは正しい道筋なんです。 ○春の中 母が手に押す 乳母車 中で眠りし 子の幸を望む(尻毛屋) ベビーカーも許容できないクレーマー社会だから、子の未来が案じられる。 ○母となる その勇気が 持てなくて 前にも進めず 後ろにも引けず(mayu) 母になれ そんな空気が 醸されど 差し伸べられし 救いの手はなく。 ○太っても サイズアップは しないのに 痩せるときだけ 仲良く痩せる(mayu) そのしぐさ その微笑も 可憐なれば 胸乳も可憐で 良いとぞ思う。 81号、テーマ:米、転、花、立 ○転校を 知らせた君は この日から 僕の知らない 苗字になった(dai) 離婚を題材にすることの多いdaiさんです。 ○花束を 抱えて僕は 振り返る もう二度と通る ことのない道(dai) その卒業は「支配からの」だったから?ちがうか(笑)。 82号、テーマ:愛、教、超、葬、百 ○教科書を 破いて作った 紙ヒコーキ 飛ばせば気持ち 良さそうな午後(dai) 二郎と菜穂子に思いを馳せてみますか? 83号、テーマ:旅 ○文庫本 読み終わったら 帰ろうか? 行く宛もなく 旅を続ける(dai) 車窓の田園風景が目に優しいから、つい長旅になります。 和み歌の旅はここで終了です、お疲れ様でした na85
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~na85 presents 直撰和み歌集~
小林よしのりライジング※欄に雷神宮歌会が始まって数ヶ月、毎回内容に即したテーマが設定され実に多くの短歌が寄せられました。百歌繚乱の中から僭越ながら私、na85が「これは」と思った歌を各号3首ほどずつ選んでみました。そして、極私的解釈ですが一言コメントもつけました。
選考基準は、1.原則として57577の定型を守っていること、2.設定されたテーマに沿っていること、3.可能な限り非政治的であること(和み歌ですから)、3.抒情的であること、です。なお選考の公平性を保つためna85の歌は選外です。
※基本的に敬称略とさせていただきますが、ライジングネームに敬称が含まれている場合(例・ごっさん)もあります。 ※57577から外れていても載せたい歌があり、その場合若干の改編を施しましたことをお許しください(そのままの場合もあります)。
それでは…いざ!
49号、テーマ:静
○目に浮かぶ 陽光(ひかり)に揺れる 稲の穂の 静かに流れる 悠久の時間(とき)(ごっさん)
記念すべき1回目は提案者の歌です。揺れる稲穂が浮かびます。
50号、テーマ:風、カレー、せんべえ、衛兵
○里帰り 夢見し子らの 寝顔見て 耳をすませば 風鈴の音(カレー千衛兵)
お盆の帰省に風鈴。日本の風物詩が織り込まれた子を思う歌です。
○上半身 裸で夏風 待ちながら レトルトカレーに 舌鼓うつ(dai)
湿潤な日本の夏の風景です。暑い夏は熱いカレーで乗り切る。
○けんかして なにかきっかけ 探してた ぼくが作るよ ごめんねカレー(mayu)
一刻も早く仲直りしたいから簡便なカレーを作ってご勘弁願う男心です。
51号、テーマ:元、業、味噌
○パソコンで 仮想化された 我なれど 貴女に届け この元気玉(カレー千衛兵)
たとえモニターに浮かぶ文字群でも元気をあげたい。
○ネットでは スーパーマンの つもりでも 社会じゃ所詮 みそっかす(くに)
ネトウヨくんたちへのキツイ皮肉です。
52号、テーマ:花(華)、夏、オリンピック(五輪)
○「好きな花 なあに?」と君に 問われれば 「その鼻」と君を 指さし照れる(ごっさん)
傍からは見てられない光景でも、本人たちは意に介さず。
○かえり道 なーごなーごと 猫の声 ひとりじゃないと 気づく夏の夜 (mayu)
慰めになれれば猫もうれしいかにゃ?
○家出した 貴女が部屋に 残したもの 深紅のルージュと 枯れかけの花(dai)
復縁の見込みがないことは花で分かりますが、書かれた言葉が気になります。
53号、テーマ:雲、夏、AKB
○公園で 寝そべり雲を 目で追う子 残すべきは 故郷の空(ごっさん)
全くその通りです。
○美しい 国をつくると 上り坂 雲の上には 鬱くしき國(ランバダ稲荷)
鬱陶しい雲が垂れ込めています。若干政治的ですが上手いので。
○ふしだらな 夏がくるよと 少女たち 秋葉の空の もとにて歌う(monmon)
恋愛禁止の掟を自らに課しながら恋歌を歌い続ける矛盾に苦悩?
号外、テーマ:天、雲、夏、AKB
○今日もまた 誰かのために 歌う君 見守る事が 僕にできること(monmon)
嫉妬から敵も多い少女たちへの純粋な視線。
○総選挙 ファンが投じた 一票を 愛と例えた 女神の涙(monmon)
最高神が去り、不文の掟も失ったAKBに未来はありやなしや?
○突然の 雨濡れに行く 君たちが キラキラ光る 狐の嫁入り(dai)
雨滴が陽光に光って、これがホントの水も滴る~?
○雨宿り 女の子たち 天仰ぐ お天気雨の 稲荷神社(ランバダ稲荷)
御狐様の気まぐれは軽やかでしょう。
54号、テーマ:金、父
○今度あの 子に会えるのは いつだろう? 財布広げて ため息をつく(dai)
訳あり元父の切ない1コマ。
○暑くても 秋は来たよと 主張する 金木犀の 微かな香り(dai)
ごく小さな花が疎らに咲いて主張してます。
55号、テーマ:幸、画、秋刀魚、星
○じゃんけんに 勝って崩れる 珠理奈から 推しの僕は 幸せもらう(dai)
目から意志の強さが溢れてた。”やらせ”なわけがない!
○「この空は 星がひとつも 見えないね」 呟く女 俯く男(dai)
男女の将来不安は不夜城の空に仮託されて。
56号、テーマ:木(樹)、葉、実
○見上げれば 森のつくる 道しるべ 暗闇の中 空の参道(mayu)
参道脇の森は空でも参道をつくって導いてくれる。
○木の恵み 景観だけと 見過ごすは 食の恵みを 忘るることなり(magome)
鎮守は優しい景観と木陰の他に秋の恵みももたらす。
57号、テーマ:竹、田、家、教
○笹の葉を 食い散らかして 子作りに 励むパンダを 見て喜ぶ君(dai)
パンダはけっこう獰猛だと教えても「そんなのカンケーねー」。
○しぃちゃんに 教えてあげたい この事を 見えない空は いつでも青い(monmon)
青くて星もいっぱいだけど、ただ見えないだけなんだ。
58号、テーマ:M・マゾ、謝
○消せてない 君の番号 見ていると 頭に流れる プリプリの歌(dai)
引きずる過去。男はみんな実は女々しいのです。
59号、テーマ:死、生、コーヒー
○病室の 中は静かで 心電図の 音だけが耳 支配している(dai)
見守る家族の息遣いさえ静寂の中に響くよう。
○生きとして 死に悩むのは 人の常 悩み無き目に 生は映らず(尻毛屋)
死を見つめるから、有限の生を有意義に生きる。
○千の風 などにはなれぬ 僕たちは 死ねば肥沃な この地に眠る(dai)
渇いた風よりウェットな土に還りたい日本人。
○生きること 定義を欲せば 死ぬことか 強き野花は 死ぬゆえなるや(三味線弾き)
一年草の美しさはメメント・モリのせいか。
60号、テーマ:訴、咳
○テロリストの ナイフのやうに 忍ばせて 和紙に書きたる 直訴の文を(ちょこ)
已むに已まれぬこの思い、真摯な訴え届けとばかり。
61号、テーマ:密、食、春
○幼き日 みんなで作った 秘密基地 完成したのは 仲間の絆(カレー)
たとえ見つかって破壊されても僕らの記憶は不滅です。
○吾の背中 温められて 振り向くと 小枝の間より 小春の日差し(dai)
日の短くなり始めた午後の木漏れ日は優しくて。
62号、テーマ:夫婦、鼻、禿
○じゃあまたね 鼻のあたまに キスをした 口元までは 遠い道のり(mayu)
「この間の額よりも近づいた」と本人はご満悦かも?
63号、テーマ:泣、涙、災、個
○涙管が 塞がっていると 言い放す それってやっぱり 言い訳maybe?(カレー)
明らかな言い訳をすることで、より感情が伝わります。
64号、テーマ:偽、嘘
○「好きじゃない」 言った刹那に 君の目が 潤んだことを 忘れられない(dai)
彼女が踵を返したら、背中から抱きしめるんだ。
65号、テーマ:秘、色、語
○秘め事に うつつ抜かしつ 舞い戻り 寒さ染み入る 娑婆の夕暮れ(三味線)
現世に戻るまで居た桃源郷の温かさが冬の寒さを際立たせる。
○「このことは おかあさんには ひみつだよ」 散歩の帰り たこやき分けた(カレー)
でも、あっという間にばれるんですね。
66号、テーマ:差、別、弱
○コーヒーを 飲みつ交差点 眺めると 笑顔の君が 窓に映った(dai)
初デート、カフェの窓際、待ち合わせ、情景が目に浮かぶようです。
○「さよなら」と 大声で僕は 手を降った 長い影連れ 君は帰路行く(dai)
別れ際、秋の夕暮、これも情景が浮かびます。
67号、テーマ:皇、流、神、縄
該当なし
号外、テーマ:皇、流、神、縄、戦
○濠端を てくてくゆけば これやこの 皇居ランする 人に抜かるる(ちょこ)
平和な日常風景です。陛下にも一刻も早い安心を。
○流暢に 読経のひびき 早咲きの さくらほころぶ 冬の大坊(ちょこ)
国の安寧を願うという仏僧は多いですが…。さくらよ咲け。
○浴槽の 海原に浮く 子のヨット 息吹頼りに ゆらりと船出(dai)
その子に社会の荒波が襲うときを案ずる父の心情も仄見えて。
68号、テーマ:個、右、左、酒、薬、亜
該当なし
69号、テーマ:骨、魂、靖
○戦場に 消えた良人の 面影を 誰とも知れぬ 骨に求むる(尻毛屋)
靖国に 還ると彼は 言ったから 千鳥ヶ淵に 足は運べず。
70号、テーマ:小、詩、黒
○雪をこね 丸めて投げた 小さな手 我が手や息で あたためている(dai)
寒くて冷たいけど、温かい風景です。
号外、開催されず
71号、テーマ:八、脱、都
○寒空の 屋台に並ぶ 八里半 甘き匂いは 春より恋しく(尻毛屋)
八里半=焼き芋です。クリより旨いと評判で。
○子どもらの 声が聞こえて 八時だと 気付くが僕は 二度寝始める(dai)
家族サービスもしたくない日もあるんです…多分。
○やがてくる 脱原発は たまもかる 沖にあまたの 風車がまはり(ちょこ)
そんな未来を皆が待ってます。
72号、テーマ:塊、成、尻
○あの子への 思慕をそれとは 気付かすに 雪の塊 ぶつけて逃げた(dai)
気になる子ほどいじめるんです…多分。
○雪だるま 腰を屈めて 作ってる 君は笑顔を こちらに向けた(dai)
その幸せが続くこと、ただ祈るのみ。
73号、テーマ:児、養、通、尿、雪
○父母のなき 幼子照らす 日の光 悪を演じて 強き大人に(三味線)
今は反発覚えても、それが導きだったと気づく日を信じて。
○僕のそばに 寝かしつけた 幼児(おさなご)の 寝顔は天使 いびきは悪魔(dai)
天使で悪魔、どちらも愛の化身だよ。
74号、テーマ:赤、建、独、魂、B
○泣きながら 空(くう)を握りし 赤子の手 更に我が手が 握りしめてる(dai)
この子のために良き未来を残したい、そんな決意でしょうか。
75号、テーマ:右、乳、花、蓮、極、馬、鹿、左
○あなたの手 振り払ったのは 私…けど、 なぜか私の 右手、冷たい…(dai)
失って気づく…あなたの存在の大きさ。
○ドライブ中 隣の彼と 寄り添いたい 右に2センチ 体ずらして(mayu)
5センチとか露骨じゃないところがいいですね。
76号、テーマ:言、皇、飯、憲、Y
○園児らの 素直な言葉にゃ 叶わない いくら天然 演じてみても(ニセただし)
天然系芸人ニセただしさんでも敵わない。
○ごはんをね たべたらあとは おかわりだ(しぃちゃん)
そしてさいごは ごちそうさまだ(下の句 byなーご♪)
○いただきます ご飯の前に 言うのはね 命をいただいて いるからだよ(カレー)
合掌&会釈は命と生産者への感謝、決して”おもてなし”ではない。
○フキノトウ 夕飯で食べ 思い出す 土手で草摘む わが祖母の背を(ボン)
故郷での祖母との美しき思い出も今は遠く。
○皇の 言葉は重く 受けれども 傍の囃しは 噴いて消される(尻毛屋)
公の体現者の言葉と、保身という私のみの言葉との差は歴然。
77号、テーマ:友
○モニターに 映る我が子の 友の中に 見慣れぬ顔みて 春を感じる(dai)
春は始まりの季節です。
○三年の 季節を過ごした 友達と 胸張り迎える 卒園の日(カレー)
そつえん、おめでとう、しぃちゃん。
○ともだちが ないたらみんな なぐさめる(しぃちゃん)
いじわるしたこも ちゃんとあやまる(下の句 byなーご♪)
○テレビから 流れるデモの 状況に 連絡つかぬ 友の身思ふ(ニセただし)
その後連絡はつきましたか?
78号、テーマ:本、裏
○本閉じる 刹那にそっと 忍び込む 桜の花は 季節の栞(dai)
季節の便りはきっとそのままにしておいたでしょう。
○文庫本 紙面が赤く 染まり行く 図書館の窓に 差し込む西陽(dai)
日も少しづつ長くなってきた午後、明日も晴れだ。
○異動する 前の始末に 本当の いきさつ明かす 年度末なり(ちょこ)
春は終わりの季節でもあります。
○裏切りと いふにあらねど 愛し子は 父の手離るる 日のいつか来る(ちょこ)
裏切りと 言いたくなる気も 分かるれど 喜び送り 出すも父の愛。
79号、テーマ:母、学
○祖父母から 学習机 贈られて 地球儀を置く 野心家の娘(カレー)
たちいちがしっかりしてるなら、せかいをゆめみるのはOKだよ。
○結婚し 母へと変わる 近所の子 今の名字で 学ぶ距離感(がんT)
時の流れを感じるのは、ほんのささいなこと。
○春の日の 賽の河原に ひとりまた 母を恋ひつつ 石積み始む(ちょこ)
そこがうららかであるほど余計に悲しさが募る。
○母親の 胸に抱かれた 子のように 春の眠りに わが身預ける(dai)
春眠暁を覚えずな光景です。
○大学を 出ても宛無い 我の目に 雪に紛いて 散る桜花(あやめ)
氷河期と 例えられてより 幾年目 春失わせし 世界主義止めよ。
○母の背に おわれて聞きし 子守唄 思い出重ねて ふと口遊む(尻毛屋)
泣きやむまで負ぶって歩いてくれた母。
80号、テーマ:母、花、雉、乳、おっぱい
○母の手を しばし離れて 歩きし子 興味示すは 我が無精髭(がんT)
転ばぬかと一瞬も目を離せない、そんな光景。
○女の子 最初にするのは 乳離れ 成長したら つぎ父離れ(monmon)
悲しいけどそれは正しい道筋なんです。
○春の中 母が手に押す 乳母車 中で眠りし 子の幸を望む(尻毛屋)
ベビーカーも許容できないクレーマー社会だから、子の未来が案じられる。
○母となる その勇気が 持てなくて 前にも進めず 後ろにも引けず(mayu)
母になれ そんな空気が 醸されど 差し伸べられし 救いの手はなく。
○太っても サイズアップは しないのに 痩せるときだけ 仲良く痩せる(mayu)
そのしぐさ その微笑も 可憐なれば 胸乳も可憐で 良いとぞ思う。
81号、テーマ:米、転、花、立
○転校を 知らせた君は この日から 僕の知らない 苗字になった(dai)
離婚を題材にすることの多いdaiさんです。
○花束を 抱えて僕は 振り返る もう二度と通る ことのない道(dai)
その卒業は「支配からの」だったから?ちがうか(笑)。
82号、テーマ:愛、教、超、葬、百
○教科書を 破いて作った 紙ヒコーキ 飛ばせば気持ち 良さそうな午後(dai)
二郎と菜穂子に思いを馳せてみますか?
83号、テーマ:旅
○文庫本 読み終わったら 帰ろうか? 行く宛もなく 旅を続ける(dai)
車窓の田園風景が目に優しいから、つい長旅になります。
和み歌の旅はここで終了です、お疲れ様でした na85