magome のコメント

岸端編集長、小林師範、時浦師範代、今週も配信をありがとうございます。明日の「よしりんに聞いてみよ」は楽しみにしています。
 ベビーシッター事件は私の周りでは例外なく「馬鹿な親の責任」で一致しています。とはいっても、ほとんどが50歳代以上なので20~30歳代の知人たちの意見はどうなのか今後、聞いてみることにします。今回の被害者も加害者も20歳代とのことですが、おそらく親や保護者は40~50歳代と思われますが、この時期に保護者が精神上不安定であると被害者である親となった20歳代の子も精神上、相当に不安定であり、共同体はおろか、正常で落ち着いて行動がとれないのではと思うのです。現代において頼れる共同体とは家族だけであり、親戚からしてもう完全に宛にならないという家庭も少なくありません。これで親まで頼れないとなると、もはや人を信頼すること自体不可能となると言っていいでしょう。
 ここで「一人でいても寂しくない人間」になれるならばまだ、なんとか自我を保って自分で抜け道を自力で見つけていくこともできるのでしょうが、現在は異常なまでに恋愛至上主義、そして友情至上主義が所々に蔓延っていて、これら至上主義が多数を無条件で善とする絶対的民主主義と直結しています。要するに、友達、恋人、または伴侶がいない人はそれだけで無職と同じく落ちぶれた人と周囲から見なされてしまいがちなのです。このような状況に晒されると他人は煩わしい反面、その煩わしさを交し、すこしでも紛らわすために態々ネットを使ってまで話し相手を求め、友達と呼べる人を見つけ出そうとするわけです。このネットで友達を見つけることで友情至上主義や恋愛至上主義にいくらか適った行動をしていると錯覚することでいよいよ、ネットから離れられなくなり、結果としてネットの話題に必死についていくこととなり、ネットの情報に自分が操られてしまう結果となってしまうわけです。
 今回のライジングで考えさせられたことは、近代化によって個人主義が蔓延する中、人として孤独に耐えられる人はほんの少数であり、また、日本人は森羅万象に神が宿るという風土で文化、文明が育まれてきたことから、自然を含む自我を意識した精神性を養わない限り、近代社会を含む個人主義の中で個を育み、保つことはこの上ない困難なこととなるでしょう。幼い時に密教の寺で一時をすごし、滝に打たれたり、山中を駆け巡った小林師範や修験者か、修験者に類似した経験をして自然という空間の中に存在する、自我を意識しない限りは、ネットという代物の情報やその時々の雰囲気に流されてベビーシッター事件のような事態は絶え間なく繰り返されていくでしょう。そうならないためにもまず、政府や自治体を批判する前に、自分たち、一人一人が思考し、日本に住む日本人としての自我と個について考えていく必要があると思います。小林師範に向けて「代替案をだせ」と言った人も結局は自分で思考を止めて、他人に提案を求める、個の弱い部分の表れでもあるのでしょう。また、大沢氏に「金持ち」と罵倒した人も「金があればすべて解決する」としか考えられない思考の乏しい人々だからこそ、我が國の歴史や風土から教訓や参考を得て思考することもせずにその場しのぎの雰囲気だけで言葉を発しているとしか思えません。もし、歴史や風土を知識だけではなく、日常の習慣などの行動にて体得していればベビーシッター事件の異常性をすぐに察知していたはずですし、被害者の行為を責めた所で「炎上」など絶対に起きないはずなのです。
 大沢氏を「金持ち」と罵倒した人がもし、お金があったとしてもベビーシッター事件の被害者と同じ立場であったならば同じ行動を起こしていたことでしょう。なぜならば、低所得者や友人、恋人がいない人々など、劣等感を持っている人たちや低学歴者などの集まる場所では高額な消費をすると吊るし上げられてしまうからです。これはいくらお金を持っていても同じで、資金の所有問わず、貨幣の消費も効率性だけが求められ、安い消費であればあるほど称賛されるからなのです。この結果、消費をベビーシッターを例にとれば、比較的に高額なベビーシッターなど頼もうものなら効率の悪い金の使い方をしたと悪評が広まり、それだけで仲間外れにされてしまうのです。また、誰にも比較的に高額とされるベビーシッターに頼んで、誰にも話さなくとも、後ろめたさや罪悪感、そして知れ渡ることによって仲間外れにされてしまうという恐れなどから精神的に負担が重なり、結果として金銭があっても何度も比較的に高額なベビーシッターを精神的に頼めなくなってしまうのです。
 今回のライジングで思い当たったことは、我が國は友情至上主義、恋愛至上主義、そして金銭高効率主義が人々の心を支配したうえに多数を善とする絶対民主主義が成立しているということです。このような主義が人々を支配している限り、いくら国が改善を図ろうとも多数とされる人々の心がこれら改善を改善と見抜けずに妨げようとして改善には絶対に向かわないでしょうし、安倍氏の自民党政権も金銭高効率主義、あるいは友情至上主義が人の心を支配している限り、人気の急落もあり得ないし、ネトウヨ、ネトバカや自称保守が安倍氏を支援し続けるのではないのかと思います。
 今回、ライジングで取り上げたベビーシッター事件は我が國の人々の心を支配している友情至上主義、恋愛至上主義、そして金銭高効率主義から、如何に脱却していくかというこれからの課題を思い浮かばせる事件でした。

友情至上主義、恋愛至上主義、そして金銭高効率主義からの脱却が伝統回帰への道となる

岸端編集長 レモンでもいろいろな種類がありまして、食べられるレモンも季節限定で僅かですが生産されたものが東京都内の青果物屋で市販されています。食べるとムンクの叫びどころか味がレモンの酸味と蜜柑の甘味が程よく合わさっていて、体調が悪く、胃の弱った時や二日酔い、または熱を出して風邪をひいたときに食べると思わず笑顔になるほどです。朝にオレンジの代わりに食べると目覚めもいいし、胃も活性化するので、重宝しています。値段もデコポンの半額だったりしますし、レモンも侮れません。

No.27 129ヶ月前

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