ボンさんへ。 >童人さんの投稿を拝見して、「悔しさ」をふつふつ感じてしまいました^^; 今回の件で一番怒らなきゃいけないのは、むしろ本土の人達じゃないかという気さえします。なぜなら、自分達の領土であるはずの沖縄の土地を取り返すというたったそれだけのために、お金を払わされるからです。勝手に居座っていたのはアメリカの方なのに、なぜ日本人がお金を払って自分たちの土地を「買わなきゃ」いけないんだと。 自称保守派の連中は、沖縄が「自国の領土」だという感覚がないのでしょうね。原発といい、基地問題といい……自分達の土地を国民が住めない状態にしておいて、何を「保守」するんだと言いたい。 日本人が、ボンさんのおっしゃる「悔しさ」を抱いているうちは、まだ救いはあると思います。それを他ならぬ保守を自認する人達がなくしているというのが、今の言論空間の歪みをよく表していると言えますね。 さて……ひなたなのさん、na85さんが言われた「あの程度の金額で沖縄の人たちが気に病むことはありません」「今回も恥じるべきは本土の人間のほうです。これは間違いなくそうです。」とのご意見について、最後にまとめて返信させていただくことにします。 お二方の気持ちは、沖縄の人間の一人として、とてもありがたいと感じます。ただ……それに甘えるばかりではいけないのかなというのが、今の正直な思いです。 僕ら沖縄の人間も、まだ安全保障におけるアメリカへの依存を止め、自主防衛へ転換する覚悟を固められずにいます。あの凄惨な地上戦のトラウマから(これ自体は、僕のような戦後の人間が責められる筋合いのものではないのですが)、未だに「反戦平和」を唱えるだけに留まってしまっている。 それが僕らの沖縄の”弱み”です。「反戦平和」しか主張できないから、保守派の「現実主義」にどうしても負けてしまうのです。その意味で、いつまでも基地がなくならない現状は、沖縄県民にも責任があると僕は思っています。 本当は、僕らもこう言わなければなりません――「米軍基地なんかいらない。祖国の平和は、日本人の手で守らなければならない」と。かつて沖縄出身の脚本家・金城哲夫氏が、ウルトラマンの最終回で「地球の平和は自分達の手で守っていこう」と書いたように、です。 祖国を自分達の手で守り抜くということ。それは戦後日本人が、ずっと直視してこなかった問題です。その「今まで見ないようにしていた部分」をきちんと直視することが、結局のところ一番必要なのでしょうね。
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小林よしのりチャンネル
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ボンさんへ。
>童人さんの投稿を拝見して、「悔しさ」をふつふつ感じてしまいました^^;
今回の件で一番怒らなきゃいけないのは、むしろ本土の人達じゃないかという気さえします。なぜなら、自分達の領土であるはずの沖縄の土地を取り返すというたったそれだけのために、お金を払わされるからです。勝手に居座っていたのはアメリカの方なのに、なぜ日本人がお金を払って自分たちの土地を「買わなきゃ」いけないんだと。
自称保守派の連中は、沖縄が「自国の領土」だという感覚がないのでしょうね。原発といい、基地問題といい……自分達の土地を国民が住めない状態にしておいて、何を「保守」するんだと言いたい。
日本人が、ボンさんのおっしゃる「悔しさ」を抱いているうちは、まだ救いはあると思います。それを他ならぬ保守を自認する人達がなくしているというのが、今の言論空間の歪みをよく表していると言えますね。
さて……ひなたなのさん、na85さんが言われた「あの程度の金額で沖縄の人たちが気に病むことはありません」「今回も恥じるべきは本土の人間のほうです。これは間違いなくそうです。」とのご意見について、最後にまとめて返信させていただくことにします。
お二方の気持ちは、沖縄の人間の一人として、とてもありがたいと感じます。ただ……それに甘えるばかりではいけないのかなというのが、今の正直な思いです。
僕ら沖縄の人間も、まだ安全保障におけるアメリカへの依存を止め、自主防衛へ転換する覚悟を固められずにいます。あの凄惨な地上戦のトラウマから(これ自体は、僕のような戦後の人間が責められる筋合いのものではないのですが)、未だに「反戦平和」を唱えるだけに留まってしまっている。
それが僕らの沖縄の”弱み”です。「反戦平和」しか主張できないから、保守派の「現実主義」にどうしても負けてしまうのです。その意味で、いつまでも基地がなくならない現状は、沖縄県民にも責任があると僕は思っています。
本当は、僕らもこう言わなければなりません――「米軍基地なんかいらない。祖国の平和は、日本人の手で守らなければならない」と。かつて沖縄出身の脚本家・金城哲夫氏が、ウルトラマンの最終回で「地球の平和は自分達の手で守っていこう」と書いたように、です。
祖国を自分達の手で守り抜くということ。それは戦後日本人が、ずっと直視してこなかった問題です。その「今まで見ないようにしていた部分」をきちんと直視することが、結局のところ一番必要なのでしょうね。