こいら のコメント

もう一件、時浦さんの著作権に関するブログについて。
音楽関係のことをやっているので、JASRACについても調べたことがありますが、CD一枚の値段が¥3,000だとすると、作詞や作曲をする人間に入ってくる額はその6%の¥180で、そこからその¥180の6%の¥10.8しかJASRACの取り分はないのです。しかもその取り分の全てがJASRACの懐に全部入るわけではなく、放送局の手数料収入になったり(ラジオやテレビなどのオンエア)、二次使用(カラオケやレンタルCDなど)で著作者に払い戻されたりなどで、ネットの人間が言うようにJASRACがユーザーから搾取しているわけでは決してないのです。
そこを例えば自由競争の原理で他の団体が参入したとしても、著作権ビジネスそのものが大もうけできるものではないと思われます。
よく引き合いに出されるのが「JASRACに登録するとアーティストの印税は6%だからインディーズに比べると取り分が少ないじゃないか!」っていう話ですがインディーズバンドの場合確かに売り上げの6割くらいは自分の利益になるのですが、やはりラジオやテレビのオンエアで優遇されないし、レコード店なんかも流通が大手やインディーズ専門の店中心になってしまうというハンディキャップがあります。しかもインディーズでメジャー並みに売れたCDって数えるほどしかないのが現状です。
今では、youtubeなどでプロモーションをして、amazonなどでCDを流通させるインディーズバンドやアマチュアのミュージシャンも増えてきましたが、やはりメジャーレーベルやJASRACというような誰が見てもプロである組織はまだまだ日本においては必要だし、そのような団体があったからこそ日本の音楽シーンは不況だと言われながらもなんとかもっている状況です。アメリカやイギリスでは配信中心になってCDはほぼ壊滅状態で、CDショップはほとんどなくなってしまってるのが現実です。JASRACやメディアなどは必要悪かもしれませんが、まだまだアーティストサイドが権利関係も自分で管理して、ビジネスもちゃんとやって、みたいなところまで頭が回らないのが実情ですね。特に若いアーティストほど。
メジャーレーベルとインディーズを漫画で喩えるとしたら、メジャーが少年ジャンプみたいな大手出版社の漫画雑誌で、インディーズはガロなどの自主制作の出版社の雑誌で、その下に漫画で言えば同人誌みたいなアマチュアのミュージシャンがいるみたいな感じです。
一見、自由でお金がかからないシステムはかっこいい感じがしますが、中間利益を生まないシステムがプロの現場を成り立たせなくなっていることについては、もっと考える必要がありますね。
長文の連投失礼しました。

No.239 135ヶ月前

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