共同体と里山資本主義との絡みで書きます。昨日(28日)のNHKクローズアップ現代「ひきこもりを地域の力に ~秋田・藤里町の挑戦~」をご覧になりましたか?以下にNHKオンラインから抜粋します。 「内閣府の調査から全国に70万人(出現率1.79%)と推計されるひきこもり。しかし最近、自治体の調査で、これまでの予測を大きく上回る実態が明らかになってきた。なかでも全国に先駆け全戸調査を行った秋田県藤里町では、働く世代のおよそ10人に1人(出現率8.74%)がひきこもり状態という衝撃的な事実が判明。多くは都会で職を失い、地元に帰っても仕事に就けず、周囲の目を気にする中で社会から孤立した人々だった。藤里町では、地域と繋がりを回復させようと、様々な試み・挫折を繰り返した結果、簡単なボランティアやアルバイトのできる「中間的就労」の場を作ったり、後継者不足の商店街復活に埋もれていた若い力を活用したりで、すでに30人が職を得るまでになっている。番組では藤里町の取り組みを通し、ひきこもりの実態と新たな支援の可能性について考える」 (次に番組の内容をまとめたサイトの文章を再構成して書きます) 「秋田県藤里町の社会福士協議会の菊池さんが先頭に立って全戸調査し、この街に113人(18歳から54歳の全戸調査では8.74%)ひきこもりが居ることがわかりました。戸別訪問でカウンセリングから始めるつもりでしたが、悩みを聞くことは困難で、会うことも困難な場合もありました。楽しい居場所を作るため卓球やカラオケ大会を企画しましたが、姿を現す人は殆ど居ませんでした。 ある日藤里町社会福士協議会の採用試験に21歳のひきこもりの若者Bさんが突然訪れて働きたいと訴え、カウンセリングを第一に考えていた菊地さんに衝撃を与えました。そこで就職支援基金事業では資格をとることが出来る研修案内を引きこもりが住んでいる家を対象に投函しました。そして研修会には引き篭もっていた人達が次々と現れました。 2020年町役場の協力を経て就労支援施設を開設しました。ここは昼は食事処として営業し自家製のそばやうどんを食べることが出来ます。働き始めた8人の賃金は一時間に110円~550円で、これは本格的に働くまでの準備期間・中間的就労です。感謝されることで自分が必要とされる存在であることを実感し、引き篭もっていた人達が自信を取り戻していきます。この秋からは商店街も支援の輪に入り、どんな仕事の種類があるのか講義を受けました。藤里町では引き篭もっていた人達113人のうち50人以上が家を出てそのうち30人が働き始めています」 社会福祉協議会という民間NPOに属す個人が自治体を動かして成功した例です。これは今すぐにでも全国で始められることです。番組では高齢者の買い物を支援して感謝される喜びを感じたひきこもりAさんのことも紹介されていました。これは『里山資本主義』で取り上げられていた「地域通貨」を介して行えばもっとシステムとしてしっかり安定したものになるはずです。また藤里町の就労支援施設に併設された食事処でも地域通貨が使えるようにし、ここで使われる食材を地域で自給(市場に出せず捨ててしまっていた野菜など)すれば地域完結経済の「里山資本主義」にもっと近づきます。 ひきこもり支援と里山資本主義は親和性がある na85
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共同体と里山資本主義との絡みで書きます。昨日(28日)のNHKクローズアップ現代「ひきこもりを地域の力に ~秋田・藤里町の挑戦~」をご覧になりましたか?以下にNHKオンラインから抜粋します。
「内閣府の調査から全国に70万人(出現率1.79%)と推計されるひきこもり。しかし最近、自治体の調査で、これまでの予測を大きく上回る実態が明らかになってきた。なかでも全国に先駆け全戸調査を行った秋田県藤里町では、働く世代のおよそ10人に1人(出現率8.74%)がひきこもり状態という衝撃的な事実が判明。多くは都会で職を失い、地元に帰っても仕事に就けず、周囲の目を気にする中で社会から孤立した人々だった。藤里町では、地域と繋がりを回復させようと、様々な試み・挫折を繰り返した結果、簡単なボランティアやアルバイトのできる「中間的就労」の場を作ったり、後継者不足の商店街復活に埋もれていた若い力を活用したりで、すでに30人が職を得るまでになっている。番組では藤里町の取り組みを通し、ひきこもりの実態と新たな支援の可能性について考える」
(次に番組の内容をまとめたサイトの文章を再構成して書きます)
「秋田県藤里町の社会福士協議会の菊池さんが先頭に立って全戸調査し、この街に113人(18歳から54歳の全戸調査では8.74%)ひきこもりが居ることがわかりました。戸別訪問でカウンセリングから始めるつもりでしたが、悩みを聞くことは困難で、会うことも困難な場合もありました。楽しい居場所を作るため卓球やカラオケ大会を企画しましたが、姿を現す人は殆ど居ませんでした。
ある日藤里町社会福士協議会の採用試験に21歳のひきこもりの若者Bさんが突然訪れて働きたいと訴え、カウンセリングを第一に考えていた菊地さんに衝撃を与えました。そこで就職支援基金事業では資格をとることが出来る研修案内を引きこもりが住んでいる家を対象に投函しました。そして研修会には引き篭もっていた人達が次々と現れました。
2020年町役場の協力を経て就労支援施設を開設しました。ここは昼は食事処として営業し自家製のそばやうどんを食べることが出来ます。働き始めた8人の賃金は一時間に110円~550円で、これは本格的に働くまでの準備期間・中間的就労です。感謝されることで自分が必要とされる存在であることを実感し、引き篭もっていた人達が自信を取り戻していきます。この秋からは商店街も支援の輪に入り、どんな仕事の種類があるのか講義を受けました。藤里町では引き篭もっていた人達113人のうち50人以上が家を出てそのうち30人が働き始めています」
社会福祉協議会という民間NPOに属す個人が自治体を動かして成功した例です。これは今すぐにでも全国で始められることです。番組では高齢者の買い物を支援して感謝される喜びを感じたひきこもりAさんのことも紹介されていました。これは『里山資本主義』で取り上げられていた「地域通貨」を介して行えばもっとシステムとしてしっかり安定したものになるはずです。また藤里町の就労支援施設に併設された食事処でも地域通貨が使えるようにし、ここで使われる食材を地域で自給(市場に出せず捨ててしまっていた野菜など)すれば地域完結経済の「里山資本主義」にもっと近づきます。
ひきこもり支援と里山資本主義は親和性がある na85