magome のコメント

>>94 na85さん、Q&Aでの小林師範への里山資本主義の紹介ありがとうございます。

 ふと思い出したのですが、食品会社に勤めていた時も目玉商品が決まって栄養サプリメントでした。そして、現在でもネットの広告でも多価不飽和脂肪酸などを売りに出していますし、産地よりも栄養成分を全面的に売りに出している側面が極めて高くなっています。これは、

「会社からすれば食材の供給量が飽和状態となったために原料加工品ではなく、原料の栄養成分に特化した商品を売りに出すにまで至った」

 ということです。この内容を聞いたときにふと、疑問に思ったのですが、これはいうなれば食材の一部だけを利用してあとは捨てているという食材、もとい食材となる為に我あれの命を繋げるために命を捧げて下さった生命に対する冒涜に他なりません。以前に支那大陸で問題となった熊の胆汁や、近年、世界の鮫漁におけるフカヒレ問題と同じなのではないのかと思えてならないのです。
 たとえば、一頭のタイが出されたとして、これが刺身でも食べられるような鮮度抜群のタイならば刺身だけにせずに頭から尾の先、卵巣、もしくは精巣やアラ、骨まで隈なく料理に使おうと考えるでしょうし、栄養補助食品やサプリメントのためにDHAなどの多価不飽和脂肪酸を抽出してあとは捨てようとは考えないはずです。
 これはいかなる食材であれ同じ発想が浮かぶと思います。しかし、過剰に取れすぎたためという名目でタイと同じく鮮度が良ければ全て使い切れるはずのイワシやマグロが一部の部位や成分を取り除かれて後は食材から外されているというのが現状です。
 勿論、成分を抽出した後の原料は廃棄物にすると費用が嵩むので飼料や肥料の原料などにして利用していますが、本来、これらの原料は人の食材のために使うだけ使う事こそが原則であってそのために、我々祖先は隈なく食材を使い切るように料理を工夫し独自の食文化を作り上げてきたのではなかったのかと思えてなりませんでした。
 もちろん、我が國の祖先には食材は生ある者であり、感謝するという気持ちもあったからこそ、無駄なく使うことを心がけ、世界に誇れる日本料理を作り上げてきたのだという史実に疑う余地はありません。
 出された料理を残している人々を見ると不愉快に感じるのもやはり、na85さんが指摘しているように食材に対する感謝の気持ちが薄れているからなのだと思います。普段からしっかりした食生活を続けていれば外食であろうとそれは一時的な料理の摂取にも何ら問題は生じないはずですが、近年の化学調味料や人口香料はこれら味覚、嗅覚を狂わせ、無意識の内に食材に対する認識を麻痺させてしまいます。一部の機能が麻痺するわけですから、これが恐らく、危機感などのその他の感覚にも連動する形で鈍らせて、情報に流されやすく周囲に対する危機意識を鈍らせているのではないのかと思います。
 近年におけるTPPなどの危機意識に対する欠如や今回の滝川氏の演説中における合掌行為に対する周囲の人々の無反応も恐らく、味覚の麻痺を始めとする感覚の麻痺による危機意識の欠如とは無関係ではないとおもうのですがどうでしょうか?

No.100 136ヶ月前

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