カラス のコメント

宮崎駿監督の引退会見を全部 YouTubeで観ましたが、またしても絶句してしまいました(笑)。
劇場長編アニメは引退、とした上で、
「アトリエにはこれからも毎日通う」「美術館でやりたい仕事がある」「短編アニメはやるともやらないとも言えない(として明言を避ける)」
・・・・等々、引退どころか「路線変更・現役続行宣言」にしか見えませんでした。
要は「ジブリの長編監督ローテーションからは外れる」会見であって、中・短編や紙媒体の創作はまだまだありそうな気配。
「公式引退の辞」を読むと一行目に「あと10年は仕事をしたい」と堂々と書かれている。
素晴しき茶番! 
やはり「創作の業」に取り憑かれた人間は、ああでなければいけません!

一切の創作活動から手を引く「完全引退」ならば、『風立ちぬ』で二郎は菜穂子と共に昇天したはず。菜穂子ではなく、「創作の業」を象徴するようなカプローニと連れ立って同じ方向へ二郎が歩いて行った時点で「業を選んだ」ということだと思います。
宇野君は相変わらず、
>あの映画の核にあるのは、「夢(飛行機愛)と正しさ(反戦)の対立」
とか言ってますが全然違う。
あの映画の核はやはり「彼岸(安楽)と此岸(業)の相克」です。

それにしても宮崎駿がチャーミングな爺さんであることに間違いはない。
今日本で、その創作物に匹敵するほど創作者自身が魅力的なのは二人だけ。そのうちの一人が宮崎駿なので、今回の会見は少し安心しました。
(魅力的なもう御一方は言わずもがなです。『大東亜論』『AKB48論』楽しみにしております)

No.154 137ヶ月前

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