na85 のコメント

>>128:magomeさん
>イデオロギーは共同体に起因して生まれますが、

 こいらさんとの対話を拝見していて少しだけ感じていた違和感の正体がやっとわかりました。歴史が途切れることなく連続してきた日本は、様々な共同体が重層的に折り重なるように出来上がっている社会であるため、設計主義的にイデオロギーを打ち立てる必要のなかった国だと思います。つまり伝統を受け継ぐ共同体が強固であり、同時にその運用が柔軟だったため伝統の更新も可能であり、硬直したイデオロギーが必要なかったということです。そして、外来の文化・思想・イデオロギーが入ってきても、それを自分たちの原理に合うかどうかで取捨選択しながら換骨奪胎し、消化吸収し長時間かけて自分たちのモノにしてきました。
 しかし、この160年ほどは違います。強姦的に開国させられてから外来の文物や思想が次から次へと乱入し、熟成して日本化している暇がないのです。まず無制限な開国の思想はグローバリズムというイデオロギーでしたし、資本家が人をモノのように扱う苛烈な資本主義に対抗し、社会主義というイデオロギーを入れれば君主制否定がセットになっていました。マッカーサーは戦後統治に共産主義まで間接的に利用しましたが、これは「天皇を中心に置いた支配無き自己統治」ができる民の重層的な共同体社会を動揺させるためであったように思います。共同体が弱体化すれば外来イデオロギーに曝露されやすくなるからです。今では「開くことは良いことだ」と無意識に思うほど、誰もが多かれ少なかれグローバリズムというイデオロギーに浴しています。
 これまでの左巻きに発散していく世界主義を排し、共同体主義で右巻きに収斂させていくには、人々の郷愁を刺激して時間的には江戸期以前、空間的には農山漁村へと志向を戻す必要があります。ジブリアニメのキーワードは郷愁で間違いないですし、『風立ちぬ』では日本の近代が舞台となることで郷愁を自分たちに引きつけて考えやすくする効果があると思います。また『はだしのゲン』では外来の侵略者への素朴な怒りを再認識でき、『戦争論』ではそれを強化しつつその間違いの部分を修正もできます。『戦争論』シリーズ(とくに3)と『反TPP論』『大東亜論』が繋がれば現在世界を覆うグローバリズムの間違いもより鮮明になるはずです。また重層的共同体社会の日本における最大の共同体が国家共同体であれば、そのトップは祭祀王天皇であり、臣民の郷愁が向かう一番先は天皇だということです。『天皇論』シリーズは日本人が天皇を再認識するための決定版です。現在は女性宮家を潰され、TPPは批准目前で、原発も次々再稼働したがる安倍政権下であるという絶望的な状況ですが、これからの3年間は希望の期間になると師範は仰いました。左巻きに発散した極点にこそ逆回転の契機は巡ってくると信じたいです。

 共同体主義への逆回転開始の狼煙はこれから上がるか na85

No.130 137ヶ月前

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