「はだしのゲン」は僕も、中学の図書室で(おそらく)全巻読んでいます。しかしよしりんの言う通り、ラストはあんまり印象に残っていません。激烈に印象に残っているのは、やはり空襲や原爆投下にまつわるシーンでしょう。 残酷な描写が問題だと言いますが、「残酷でなければ絶対に伝わらない」テーマもまた、存在すると思います。その意味で、本当に「残酷だ」と指摘されるべきは、原爆投下とその後の惨禍であるはずです。ところが今回の騒動では、原爆を正面切って批判する論調は見られません。「残酷だ」と主張する人達は、無意識のうちに「原爆投下は必要だった」という、それこそ紋切り型の戦後サヨク思想に、侵されているだけではないでしょうか。 表現物からイデオロギーを見つけようとしている、という指摘はすごく重要だと思います。僕自身、アニメや漫画、映画を見ていて、面白さと同時に、制作側の誰かのイデオロギーを見つけてしまい、それが気になってその後見る気が失せる、という経験があります。しかし、本当に面白い作品は、そのような「イデオロギー仕分け」を超越した作品であると思います。
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小林よしのりチャンネル
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「はだしのゲン」は僕も、中学の図書室で(おそらく)全巻読んでいます。しかしよしりんの言う通り、ラストはあんまり印象に残っていません。激烈に印象に残っているのは、やはり空襲や原爆投下にまつわるシーンでしょう。
残酷な描写が問題だと言いますが、「残酷でなければ絶対に伝わらない」テーマもまた、存在すると思います。その意味で、本当に「残酷だ」と指摘されるべきは、原爆投下とその後の惨禍であるはずです。ところが今回の騒動では、原爆を正面切って批判する論調は見られません。「残酷だ」と主張する人達は、無意識のうちに「原爆投下は必要だった」という、それこそ紋切り型の戦後サヨク思想に、侵されているだけではないでしょうか。
表現物からイデオロギーを見つけようとしている、という指摘はすごく重要だと思います。僕自身、アニメや漫画、映画を見ていて、面白さと同時に、制作側の誰かのイデオロギーを見つけてしまい、それが気になってその後見る気が失せる、という経験があります。しかし、本当に面白い作品は、そのような「イデオロギー仕分け」を超越した作品であると思います。