monmon のコメント

「女性天皇の時代」読ませて頂きました。大げさな言い方かも知れませんが、「女性天皇中継ぎ論」「皇室は男系だけで続いてきた」という論は、この一冊で破綻したと言っていいでしょう。
特に印象に残ったのは、称徳天皇の章です。和気清麻呂の持ち帰った神託が「君臣の別」の大原則を打ち立てた事や、称徳天皇が彼なら中継ぎに徹してくれるだろうという考えで道鏡を天皇にしようとしていた事を知り衝撃を受けました。
僕は称徳天皇が道鏡を天皇にしたがったのは、愛人関係にあったからか、シナの易姓革命に影響を受けたからだと思っていました。後に起こった称徳天皇に対する悪評も、昨今の雅子妃殿下バッシングと根は同じなんだという事を思い知らされました。称徳天皇悪女説を信じていた自分が情けないです。
男系絶対主義者は「我々は平成の和気清麻呂になる」と主張していますが、清麻呂になりたいのであれば「旧宮家系国民男子」の皇籍取得に反対しなくてはならないですよね。彼らは清麻呂の功績を全く理解してないんだなと思いました。称徳天皇なら「何が平成の和気清麻呂だ。お前らはむしろ穢麻呂ではないか!」と激怒しそうですね。
あとは元明天皇が退位する際の言葉「履物を脱ぎ捨てるように俗を離れたい」には、清々しさを感じました。権力者の引き際はこうあるべき、というお手本を示してくれた方だと思います。今の政治家には絶対言えないし、言ってほしくない言葉です。
最後の「日本が希望のある未来を迎え、今後も末永く繁栄していくことができるかどうか、女性天皇が実現するか否かにかかっている」という文を読んだ時、我々日本国民が女性天皇を受け入れ、見守る度量を身につけなければならない、と小林先生から言われているような気がしました。
国民のそういった度量のなさが、称徳天皇を悪女に仕立て上げ、雅子妃殿下を苦しめてきたのでは、と僕は今痛感しています。
とても楽しく読ませて頂きました。小林先生、素晴らしい本を書いて下さり、ありがとうございました。今後は「AKB論」「大東亜論」楽しみにしています。

No.62 137ヶ月前

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