No.26で発言させていただいた者です。すっかり悪役になりつつありますが(笑)、荒らしたり敵対したりするつもりではないことを皆様にご理解いただけるとありがたいです。 私は安倍氏の経済政策は評価していますが、原発や皇統については彼を激しく批判する立場です。全面的に支持できる政治家がなかなかいなくて困ります。一応亀井静香氏推しなのですが、世間では全く評価されておらず悲しいです。よしりん先生にとってのみおりんみたいなものでしょうか。(笑) では本題です。マスコミは「金融緩和」と「公共事業」を切り離して個別にその危険性を説いていますが、この両者はセットで考えなければ意味がないと思います。金融緩和だけではNo.40で武藤様が書かれた通りインフレになることはないでしょうし、もちろん国民の雇用や収入が増えることも無いと思います。既に民間銀行が保有している国債を日銀が買いオペしたところで、民間銀行の預金額が増えるだけで、その金を借りて投資をしようという民間企業が無いのですから、全く経済は動かず物価は上がりません。その金が株式投資に運用されたら株価が上がるかもしれませんが、実体経済には関係のないことだと思います。単にマネタリーベースが増えるだけではインフレにはならないということですね。というか現在日本には国債以上に安全な金融商品は無いのですから、民間銀行が日銀の大量の買いオペに応じるとはそもそも思えません。 一方、政府が新たに発行する建設国債を、直接でも民間銀行経由でもいいので日銀が買い入れた時、現金(証券ではないという意味)が政府に発生することになります。民間銀行に現金が発生しても上記の通り投資は行われませんが、政府がその金を雇用創出のために(ここでは公共事業)使った時に初めて国民(最初は一部の産業限定ですが)の収入が増え消費が増え物価が緩やかに上昇していくことになると思います。これは新自由主義で言うところのトリクルダウンというありもしないまやかしとは全く違うものだと思います。もちろん即効性のある魔法のような政策ではないので時間はかかると思いますが。生活必需品の物価は国民の収入が上がって消費(需要)が増えた時に初めて上がるものであって、よく煽られている「物価だけ上がって収入が増えないので危険だ」なんて心配はあまりいらないのではないかと思います。使われた金が全て企業の内部留保や株主への配当に吸収された場合、インフレにもなりませんしもちろんバブルにもなりません。昨今の公共事業の削減に次ぐ削減において建設業に従事する人口(供給力)は激減しており、さすがに公共事業大増発において雇用は増えるだろう、つまりデフレ対策で使われた金はデフレに苦しんでいる国民層に届くだろうと考えています。(ちなみに国債を日銀が保有する場合は実質的に利子支払いも償還義務も発生しませんので、「国の借金が」という心配もいりません) 日本のようにインフラが整い、国民が基本的に勤勉で、内需主体の国家は、デフレ期にデフレ対策を、インフレ期にインフレ対策をしっかりと行えば景気を良好に保つことができると思います。もちろん供給過多の日本においてハイパーインフレなどは原発事故が多発したりして供給能力が落ちない限り起こりようがないですし、バブルになりそうなら国債売りオペ、消費税増税などで制御は可能だと思います。 ここ20年、政府はデフレ期にデフレ推進政策(構造改革など)をとり続けてきました。いわば国民が政府に足を引っ張られていたわけで、年間の自殺者が3万人を超えるところまで事態は深刻化しています。政府にこれまでの失策からの転換を願うのは、別に「国に頼る」ということではないと思います。国による景気対策を否定するのは市場原理主義の考え方に近づきます。国は景気をコントロールして過度なデフレやインフレを防ぎ、国民の生活を守る義務があるのだと私は思います。今回の「アベノミクス」が正しいデフレ対策なのかどうかは各人によって評価が分かれるところだとは思いますが、「国のデフレ対策に頼るな」というのはちょっと違うのではないかと思ってしまいます。経済は「お上次第」ではなく、国民の勤勉な労働によって支えられるものだと思います。そして「お上」は、その労働が空転しないようしっかりと政治を行う義務があるのだと思います。現在デフレに苦しんでいる国民は、別に甘えているのではなく必死な労働を続けている人がほとんどだと思います。
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No.26で発言させていただいた者です。すっかり悪役になりつつありますが(笑)、荒らしたり敵対したりするつもりではないことを皆様にご理解いただけるとありがたいです。
私は安倍氏の経済政策は評価していますが、原発や皇統については彼を激しく批判する立場です。全面的に支持できる政治家がなかなかいなくて困ります。一応亀井静香氏推しなのですが、世間では全く評価されておらず悲しいです。よしりん先生にとってのみおりんみたいなものでしょうか。(笑)
では本題です。マスコミは「金融緩和」と「公共事業」を切り離して個別にその危険性を説いていますが、この両者はセットで考えなければ意味がないと思います。金融緩和だけではNo.40で武藤様が書かれた通りインフレになることはないでしょうし、もちろん国民の雇用や収入が増えることも無いと思います。既に民間銀行が保有している国債を日銀が買いオペしたところで、民間銀行の預金額が増えるだけで、その金を借りて投資をしようという民間企業が無いのですから、全く経済は動かず物価は上がりません。その金が株式投資に運用されたら株価が上がるかもしれませんが、実体経済には関係のないことだと思います。単にマネタリーベースが増えるだけではインフレにはならないということですね。というか現在日本には国債以上に安全な金融商品は無いのですから、民間銀行が日銀の大量の買いオペに応じるとはそもそも思えません。
一方、政府が新たに発行する建設国債を、直接でも民間銀行経由でもいいので日銀が買い入れた時、現金(証券ではないという意味)が政府に発生することになります。民間銀行に現金が発生しても上記の通り投資は行われませんが、政府がその金を雇用創出のために(ここでは公共事業)使った時に初めて国民(最初は一部の産業限定ですが)の収入が増え消費が増え物価が緩やかに上昇していくことになると思います。これは新自由主義で言うところのトリクルダウンというありもしないまやかしとは全く違うものだと思います。もちろん即効性のある魔法のような政策ではないので時間はかかると思いますが。生活必需品の物価は国民の収入が上がって消費(需要)が増えた時に初めて上がるものであって、よく煽られている「物価だけ上がって収入が増えないので危険だ」なんて心配はあまりいらないのではないかと思います。使われた金が全て企業の内部留保や株主への配当に吸収された場合、インフレにもなりませんしもちろんバブルにもなりません。昨今の公共事業の削減に次ぐ削減において建設業に従事する人口(供給力)は激減しており、さすがに公共事業大増発において雇用は増えるだろう、つまりデフレ対策で使われた金はデフレに苦しんでいる国民層に届くだろうと考えています。(ちなみに国債を日銀が保有する場合は実質的に利子支払いも償還義務も発生しませんので、「国の借金が」という心配もいりません)
日本のようにインフラが整い、国民が基本的に勤勉で、内需主体の国家は、デフレ期にデフレ対策を、インフレ期にインフレ対策をしっかりと行えば景気を良好に保つことができると思います。もちろん供給過多の日本においてハイパーインフレなどは原発事故が多発したりして供給能力が落ちない限り起こりようがないですし、バブルになりそうなら国債売りオペ、消費税増税などで制御は可能だと思います。
ここ20年、政府はデフレ期にデフレ推進政策(構造改革など)をとり続けてきました。いわば国民が政府に足を引っ張られていたわけで、年間の自殺者が3万人を超えるところまで事態は深刻化しています。政府にこれまでの失策からの転換を願うのは、別に「国に頼る」ということではないと思います。国による景気対策を否定するのは市場原理主義の考え方に近づきます。国は景気をコントロールして過度なデフレやインフレを防ぎ、国民の生活を守る義務があるのだと私は思います。今回の「アベノミクス」が正しいデフレ対策なのかどうかは各人によって評価が分かれるところだとは思いますが、「国のデフレ対策に頼るな」というのはちょっと違うのではないかと思ってしまいます。経済は「お上次第」ではなく、国民の勤勉な労働によって支えられるものだと思います。そして「お上」は、その労働が空転しないようしっかりと政治を行う義務があるのだと思います。現在デフレに苦しんでいる国民は、別に甘えているのではなく必死な労働を続けている人がほとんどだと思います。