chanomijijii のコメント

笹先生「あれも女、これも女。縄文時代にみる『女性崇拝』」の感想です。

笹先生の「男も女も、人間的な営みを謙虚に見つめたとき、女性性を崇高なものとして捉えるほうが自然ではないか」という結びの言葉はまさしくその通りだと思います。

タイムスリップができたら、昔の日本人が何を考えどんな暮らしをしていたか見てみたいとよく思いますが、昨年、中国雲南省の少数民族モソ人を描いた「女たちの王国~結婚のない母系社会」という本を読んで、私は今を生きるモソ人の中にかつての日本人の姿を見た気がしてとても興奮しました。

本の中では、日本人については言及がありませんが、かつては日本も女性こそが共同体や家族の中心であったのだと確信しました。

それは、かつての日本人とモソ人にいくつもの共通点があるからです。

モソ人社会の特徴
・女神を最高神とする多神教とチベット仏教を信仰している。
・女性が代々家を継ぐ。夫(父親)は家族に属さない。同居もしない。
・古代日本にもあった、男が女のもとに通う「通い婚」(高森先生が度々言うので引っ掛かっていた言葉。この本では「走婚」という。)の風習がある。「婚」という字をあてているが結婚という概念はない(これが一番の衝撃!)
・子供ができたら女性の母方の一家に属する。
・男性は交際相手(アシア《彼氏・彼女のこと》)との間に子供ができても養育の義務を負わない。
・男性は一生実家で暮らし、姉妹の子供(甥・姪)や親の面倒をみたり、力仕事を担う。
・恋愛に関しておおらか。アシアとは一夜限りの恋から、生涯にわたって伴侶までいろんなケースがある。男女はお互いを束縛しない。たとえ長い間夫婦状態にある男女でも、会っていない時にアシアが何をしているか詮索したり干渉したりしない。

私は縄文時代から平安時代中期頃までの日本人の姿や、「恋愛論・完」に描かれていた事実婚が多いフランス人の姿が思い浮かびました。

もちろんユートピアなどないし、母系社会とて何かしら問題はあるのだろうと思います。
しかし、子供を授かることができる唯一の存在である女性を差別し家系から排除するシナ男系主義社会と比べたら、男女平等を実現したとても理に適った社会ではないでしょうか。

そしておそらく人類の始まりは「男尊女卑」でも「女尊男卑」でもない、おおらかで自由な母系社会であったと思えてなりません。

非常に残念なことに、日本人が、自国の文化を恥ずかしいと思ってシナや西洋に迎合していったように、モソ人の若者も母系社会の伝統を恥ずかしいと思い、徐々にシナ人化しているそうです。
当事者ほど、その価値に気づかず貴重な伝統や文化を失っていくものですね。

「女たちの王国~結婚のない母系社会」ご興味を持たれた方は、読んでいただけると嬉しいです。
皇統問題を考えるうえでも、祖先の営みを知ることは大切ではないかと思います。
以上

No.86 4ヶ月前

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