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今回のライジングを読み、エドマンド・バークという政治思想家のこと、偏見という言葉に肯定的な意味があることを初めて知りました。

自分なりに考えてみましたが、偏見は直感的な判断と解釈しました。
バブル時代に夢中になって読んだ千葉康則氏の『脳』(三笠書房)という本には、「直感は言語化(注:意識化)されない脳機能と考えていい」とか「直感による決定がかなり正しく、言語系(注:意識的な思考,理性)に頼るよりよりもアテになることもあるだろう」と書かれていました。この本によれば、脳は基本的に自動制御で機能し、行動選択に必要な情報だけが言語化・意識化され思考材料になるそうです。
そうなると直感による判断=偏見も全く根拠がない訳でなく、脳がそれまでの経験や知識から導き出した立派な判断材料ということになります。

本の中では、言語を持たない動物と共通する脳機能を動物系と表現していますが、偏見は感情を伴うこともあるなどより本能的で動物系の要素が大きいと考えられます。
刺激に対して即行動する動物と違い、人間の場合は常に言語系が行動を抑制するため、制止された行動が意識化されると感情や欲求になると説明されています。(この考え方だと意志も同様のメカニズムで脳から発信され、因果関係を無視するような自由意志は存在しないことになります)

今回引用した本は古いものなので脳研究がその後どう進展したかは承知していませんが、偏見と理性のどちらも大事ということは脳生理学的にも正しいと思います。

No.173 27ヶ月前
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