リカオン のコメント

小林先生、配信ありがとうございました。

私は子どもの頃病院の待合室においてあったサザエさんの単行本を読むのを楽しみにしておりました。
サザエさんの単行本には姉妹社と書かれており、その名称を不思議に思っていたのですが、作者の長谷川町子さんは女所帯の4人家族で母親が出資し、姉妹で協力して漫画を出版したということを大人になってから知りました。その後町子さんのお姉さんを主人公にした「マー姉ちゃん」がNHK朝ドラになったのでそのあたりのいきさつもご存知の方も多いかもしれません。

女性が起業し、女性の自立の先駆けのようなこの姉妹社の漫画「サザエさん」をなぜ自称保守は<伝統的家族>と思いこむのか不思議です。
磯野家の男性を見渡してみると、波平さんは一応家族に立ててもらっておりますが、時々ポカをしてフネさんに注意されています。マスオさんは磯野家の居候でサザエさんにも頭が上がらないようです。カツオは好きなキャラクターですが、いたずらが見つからないように立ち回る賢いところが憎めない少年です。
保守のお爺さんたちは波平さんを理想としているのでしょうか。サザエさんに登場する男性は少し頼りないところが笑いを誘い、額に青筋立てて男系男子に拘るおじ様達とは到底考えが共通するようには思えません。

磯野家は高度経済成長を背景に男性の収入だけで家計が支えられているようですが、あの生活レベルを維持するには、この令和の時代男性だけの収入では足りません。サザエさんの天真爛漫で社交的な性格は営業に向くように思います。ぜひとも、お魚くわえたどらネコを追いかけるエネルギーを家計を支えるエネルギーに変えていただきたいなと思います。

先生の調べでは拡大家族も昔ですら多くはなかったとのことですが、たぶん保守は自分たちが理想としている拡大家族こそが伝統的家族と思いたいのでしょうか。磯野家が現代に現れて同じように家庭生活を始めたと仮定しましょう。
すると波平さんとマスオさんの稼ぎでは足りず、結局サザエさんがフルタイムで働くことになり、タラちゃんはフネさんが面倒をみるか、保育所へ。サザエさんは出世して、もしかしたらマスオさんより給料を多くもらうようになり、マスオさんは増々頭が上がらなくなると。
おそらく保守のお爺様が思い描いていたのと異なる展開になるのかなと思いました。

結局、小林先生が指摘されるとおり、保守カルトのお爺さんたちは現実を見ずに「ニセ伝統を信じ込んでしまう」方々なのだなという結論に達しました。

長谷川町子さんは最終話のサザエさんで、共働き家庭でお弁当を作ってもらえない友達を描いていましたが、共働きで子どもの世話が行き届かない社会を疑問視したものと私は理解しました。この状態を改善するには男女含めて家庭や地域を両立できるシステムへ改革する必要があり、決して女性に押し付けることでは解決しません。もしも女性に何もかも押し付けた場合、エクソダスが起きます。女性は結婚をあきらめて独身ですごすか、田舎から都会へ、日本から海外へ脱出することでしょう。既にそうなっておりますが、さらに加速するでしょう。保守カルトは女性を家庭に閉じ込めれば、伝統的家族が皇位継承も少子化も不況も万事解決すると思っているのでしょうか?

ぜひとも現代に「いじわるばあさん」が現れ、保守カルトの総本山に殴り込みをかけ、「現実を見て目を覚ませ!」と言って成敗して欲しいなと思うのは私の幻想です。

No.74 19ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

小林よしのりチャンネル

小林よしのりチャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細