the_k のコメント

財政拡大に関して、>>92で書き忘れていたことが。
小林先生ってやっぱり凄いなと思うことがありまして、財政拡大に対する疑問疑念を感じるポイントが他の人と違うんですよね。
多くの人って、財政拡大派に対する批判は「借金が返せなくなる」なんですよ。
我々はその批判に対してはもう余裕で反論できるようになってます。

でも小林先生の感じてる疑念のポイントは恐らくそこではないでしょう。
「そんなうまい話があるのか?」という、我々の説明に対して常識感からの「ペテン」を感じておられるんだと思います。
で、コレに対して答えると、実はペテンはあります。
我々の説明には、実はペテンがあります。

ただ、恐らく小林先生は、ペテンは感じてもその原因まではご存知無いと思います。
実はそのペテンは、お金と言うシステムそのものが持つペテンなんですよ。
分かってしまえば簡単な話なんですが、金本位制などでない管理通貨制度では、お金は誰かがゼロから作ってます。日本なら一万円札は日銀が作ってるんですね。
そしてその「お金を使う人=最初に使う人」は、必ず何の対価も払わずにそのお金を使えてしまうんですよ。

普通の人ならまずお金を稼ぐために何らかのモノ・サービスを提供し、お金を手に入れてからそれと引き換えに何かしらのモノ・サービスを受け取ります。あるいは、借金により先にモノ・サービスを受け取って、後から自分もモノ・サービスを提供してお金を返すわけですね。
ところがお金を発行する人はその対価を払う必要がない。ココにペテンがあるのです。

僕はね、このお金の持つペテンを何とか説明出来ないか、と進撃の庶民さんのところでMMTを掘り下げた議論に参加したことがあります。
MMTには「貨幣負債論」という、「お金は借金、借用書である」と言う考え方があります。
最初にお金を使う人が何の対価も払わないのは、お金が借用書だと考えれば辻褄が合うんじゃ無いか、と考えました。
そしてその借用書は、返済期限なし・金利ゼロの借用書なのでは、とね。
でもやっぱりダメですね。返済期限なし・金利ゼロの借用書なんてシロモノの時点でやはりペテンなのです。

財政拡大派は通貨発行権というものを考慮して経済を語るため、「そもそもお金とは何なのか」をトコトン掘り下げて議論するんですよ。
だから財政拡大派の説明には、結局のところお金そのものの持つペテン性が出てきてしまうんですよ。
でもそれは本質を掘り下げたからこそなんですわ。本質を掘り下げたからこそ、その本質に眠るペテンが見えてくるんです。

僕はそのペテンを乗り越えるには、わりきるしかないと思ってます。
お金はあくまで社会を健全に回すためのツールと割り切って、お金を作る側の特別さを作ってるそのペテン性・不平等性は社会を健全に回すためのコストと割り切るしか無いんじゃないかな、と思います。
勿論、「通貨発行権を私欲に使うべからず」と法で縛った上でね。

No.102 28ヶ月前

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