小林先生 いつも楽しく拝読しております。 日本再生会議では先生の?み砕いてのご説明が印象的でした。 藤井聡先生は皇統問題を「できる限る男系、万策尽きたら女系」と基礎付けておりました。 その根拠が『クライテリオン 2022年3月号』における確率計算とのことでした。 この基礎付けには大いに不満があり、 早速『クライテリオン』を取り寄せ、当該論文を読み込みましたのでここに反論を投稿致します。 長文につき3回に分けて投稿致します。 (読むに耐えない程の長文です、、、 申し訳ございません。) コメント欄をお読みの皆様で、当該論文が お手元にない方は何のことがお分かりに ならないかと思いますが 当該論文には2つの試算があり、 1つ目は根拠資料にならず、 2つ目は男系継承が詰んでいることの根拠資料として使えますので 機会があれば論文と併せて、以下お目通し頂ければ幸いです。 参考文献 『「男系男子での皇位継承」が持続する条件の試算』 川端祐一郎 クライテリオン 2022年3月号 69~72ページ 【試算①について】 (試算①の条件) ・男系男子数を「1名」「3名」「5名」の3パターンとする。 ・上記の3パターンに対して、それぞれ出生率「1.5」「2.0」「2.25」「2.5」の4 パターンを試算する。 (3パターン×4パターンで12通りのグラフを作る。) ・1名(1宮家)につき、子供の数は0人~8人とする。 ・子供の数と性別はランダムとする。 ・1つのグラフにつき、1万回のシミュレーションを実施する。 ・上記条件で「X世代目に1名以上の男系男子が存在する確率」を算出する。 (反論1) 出生率が一定であることは現実的にはあり得ない。 (しかしながら、確率計算上はやむを得ないことでもある。) (反論2) 非婚率が考慮されていない。 後述の試算②の条件には非婚率が考慮されているにも関わらず不可解である。 自分たちに都合の良く条件設定したのではないか? (反論3) 一つの宮家から生まれる子供の数が「0~8人」とは考えられない。 推測するに、宮家が5つあり、出生率2.5の場合には、12.5人の子供が生まれることになり、 以下のような状態になるためであろう。 宮家A ⇒ 子供0人 宮家B ⇒ 子供1人 宮家C ⇒ 子供2人 宮家D ⇒ 子供3人 宮家E ⇒ 子供7人 合計13人 現代日本の皇室で7人出産される宮家は想像できない。 この一点だけで「出生率2.5」は非現実的な数値である。 (反論4) 1万回のシミュレーションであろうが1億回のシミュレーションであろうが 現実は一回きりである。 非婚、不妊、一人っ子、女子が続く、突然死などの 要因が複数重なることにより、一気に男子が 目減りするリスクが常に存在する。 さらに男子(宮家)の数が1~5というN数が 小さい場合にはこのようなリスクが増大するが、 確率計算には反映されない。 確率計算を皇位継承に持ち込むのは危険である。 (反論5) 臣籍降下が考慮されていない。 ある段階からグラフが横ばいになる理由は 第1世代の宮家から第20世代まで、 血筋がいくら遠ざかっても「男系男子」として カウントされているからである。 現代日本にも神武天皇の男系男子子孫が数多く存在し、 フランス王室の血筋の男系男子がいまだに存在するのと同じ理屈である。 臣籍降下準則に従い、天皇から4世代離れた皇族を 「男系男子」から排除すれば、グラフは大きく目減りするはずである。 【結輪】 試算①の条件は非現実的であり、なおかつ条件が不足しており 皇統問題の基礎づけの根拠資料とはならない。
チャンネルに入会
フォロー
小林よしのりチャンネル
(ID:29782350)
小林先生
いつも楽しく拝読しております。
日本再生会議では先生の?み砕いてのご説明が印象的でした。
藤井聡先生は皇統問題を「できる限る男系、万策尽きたら女系」と基礎付けておりました。
その根拠が『クライテリオン 2022年3月号』における確率計算とのことでした。
この基礎付けには大いに不満があり、
早速『クライテリオン』を取り寄せ、当該論文を読み込みましたのでここに反論を投稿致します。
長文につき3回に分けて投稿致します。
(読むに耐えない程の長文です、、、
申し訳ございません。)
コメント欄をお読みの皆様で、当該論文が
お手元にない方は何のことがお分かりに
ならないかと思いますが
当該論文には2つの試算があり、
1つ目は根拠資料にならず、
2つ目は男系継承が詰んでいることの根拠資料として使えますので
機会があれば論文と併せて、以下お目通し頂ければ幸いです。
参考文献 『「男系男子での皇位継承」が持続する条件の試算』
川端祐一郎 クライテリオン 2022年3月号 69~72ページ
【試算①について】
(試算①の条件)
・男系男子数を「1名」「3名」「5名」の3パターンとする。
・上記の3パターンに対して、それぞれ出生率「1.5」「2.0」「2.25」「2.5」の4
パターンを試算する。
(3パターン×4パターンで12通りのグラフを作る。)
・1名(1宮家)につき、子供の数は0人~8人とする。
・子供の数と性別はランダムとする。
・1つのグラフにつき、1万回のシミュレーションを実施する。
・上記条件で「X世代目に1名以上の男系男子が存在する確率」を算出する。
(反論1)
出生率が一定であることは現実的にはあり得ない。
(しかしながら、確率計算上はやむを得ないことでもある。)
(反論2)
非婚率が考慮されていない。
後述の試算②の条件には非婚率が考慮されているにも関わらず不可解である。
自分たちに都合の良く条件設定したのではないか?
(反論3)
一つの宮家から生まれる子供の数が「0~8人」とは考えられない。
推測するに、宮家が5つあり、出生率2.5の場合には、12.5人の子供が生まれることになり、
以下のような状態になるためであろう。
宮家A ⇒ 子供0人
宮家B ⇒ 子供1人
宮家C ⇒ 子供2人
宮家D ⇒ 子供3人
宮家E ⇒ 子供7人
合計13人
現代日本の皇室で7人出産される宮家は想像できない。
この一点だけで「出生率2.5」は非現実的な数値である。
(反論4)
1万回のシミュレーションであろうが1億回のシミュレーションであろうが
現実は一回きりである。
非婚、不妊、一人っ子、女子が続く、突然死などの
要因が複数重なることにより、一気に男子が
目減りするリスクが常に存在する。
さらに男子(宮家)の数が1~5というN数が
小さい場合にはこのようなリスクが増大するが、
確率計算には反映されない。
確率計算を皇位継承に持ち込むのは危険である。
(反論5)
臣籍降下が考慮されていない。
ある段階からグラフが横ばいになる理由は
第1世代の宮家から第20世代まで、
血筋がいくら遠ざかっても「男系男子」として
カウントされているからである。
現代日本にも神武天皇の男系男子子孫が数多く存在し、
フランス王室の血筋の男系男子がいまだに存在するのと同じ理屈である。
臣籍降下準則に従い、天皇から4世代離れた皇族を
「男系男子」から排除すれば、グラフは大きく目減りするはずである。
【結輪】
試算①の条件は非現実的であり、なおかつ条件が不足しており
皇統問題の基礎づけの根拠資料とはならない。