ウサギと申します。私は天皇というテーマについてまだまだ勉強が足りないため、なるべく皆様の議論の邪魔をしないようにとコメントを控えております。しかし、今回の眞子さまと圭さんの記者会見を見て、またそれについての the_kさま、max301さま、たちのダイアローグを拝見して、ひとこと申し上げたくなりました。皆様のダイアローグを邪魔するつもりはありませんので、見苦しければスルーしてくださいませ。 *************** 眞子さまの会見の中にあった、「私と圭さんを応援してくださった方々に感謝しています」という言葉のなかの、「応援してくださった方々」の中には、ご自身の両親である秋篠宮ご夫妻はもちろんのこと、今上陛下、雅子さま、さらには上皇陛下、美智子さまなど、皇室の皆様が含まれているものと推察されます。 これまでの眞子さまの行動は、これらの「応援してくださる方々」との緊密な意思疎通を経て、慎重に行われてきたのでしょう。従って、眞子さまの行動を批判するという事は、実質的に、皇室全体の対応・姿勢を批判することになるでしょう。 このことをふまえた上で、いま一度、現在の皇室が我々国民にとってどのような存在であるかを考えてみます。明治帝が、皇室の諸々の行為は憲法に基づいてなされると自己規定なさって以来、皇室の皆様は、自分たちは国民の意思に反した行いをすることはできない、という姿勢を堅持なさっています。 皇族の皆様は、多様な公務に携わっていらっしゃいます。このことについて、我々国民がまず弁えておかなければならないことは、皇族の皆様はあくまでも自らの「好意」によって、そうした公務についてくださっているということです。 皇室典範の第十一条には、「臣籍降下」に関して次のような規定がありますす。 「年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」 これはつまり、もし万が一、皇室の皆様が皇室会議によって、全ての者が皇族の身分を離れて一般人になると決定なさった場合には、これを妨げる方法は何もないということです。これ以上は嫌だ、自分たちは自分たちで生きていく、とおっしゃる方々に、無理やり公務を強いることはできません。 かくして、現在の天皇制は、あくまでも皇族の方々の好意によって成り立っています。好意とは何か。日本国語大辞典には、それは「人に対していだく、親切な心。その人のためを考えてしようとする気持ち。」とあります。この皇室の皆様の「親切な心」は、具体的には、次の上皇陛下と今上陛下のお言葉に表現されているのではないでしょうか。 【上皇のおことば(平成28年8月8日)】 「即位以来,私は国事行為を行うと共に,日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を,日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として,これを守り続ける責任に深く思いを致し,更に日々新たになる日本と世界の中にあって,日本の皇室が,いかに伝統を現代に生かし,いきいきとして社会に内在し,人々の期待に応えていくかを考えつつ,今日に至っています。 私が天皇の位についてから,ほぼ28年,この間、私は,我が国における多くの喜びの時,また悲しみの時を,人々と共に過ごして来ました。…日本の各地,とりわけ遠隔の地や島々への旅も,私は天皇の象徴的行為として,大切なものと感じて来ました。皇太子の時代も含め,これまで私が皇后と共に行って来たほぼ全国に及ぶ旅は,国内のどこにおいても,その地域を愛し,その共同体を地道に支える市井の人々のあることを私に認識させ,私がこの認識をもって,天皇として大切な,国民を思い,国民のために祈るという務めを,人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,幸せなことでした。」 【即位礼の際の今上天皇のおことば】 「上皇陛下が30年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御み心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。」 皇族の方々の好意とは、この最後の今上陛下のおことばにある通り、「国民の幸せと世界の平和」を実現するために自らの身を捧げるという意思、ということになります。 今回の会見で眞子さまは「婚約に関して圭さんが独断で動いたことはない」と述べられました。圭さんの御家庭に関する、眞子さまと皇室の皆様の対応(介入)も、「国民の幸せと世界の平和」を実現するためにはどのような対応をすべきか、という高貴な問題意識から行われたものであることは、疑いの余地はありません。 天皇と皇室の皆様は「国民の幸せと世界の平和」を、伝統によって鍛えられた、清浄にして高貴な「畏き力」によって実現しようとされます。この「畏き力」を守るためには、小林先生がおっしゃるように、皇室は、低俗な批判にいちいち反論することによって「皇室の品位がガタ落ちになってしまう」事態は避けなければなりません。同様に「皇室の品位」を守るためには、圭さんの御家庭の問題も皇室として適切に対処しなければならない、ということになるでしょう。。 眞子さまとその周囲の皆様は、小室圭さんの家庭の問題を解決するために力を注ぎました。なぜか。皇室関係者は、小室圭さんについて、当然ながら、様々な方法で綿密な調査をなさったはずです。そしてその結果、皇室の皆様は、小室圭という一人の人間について、その誠実さ、芯の強さ、自立心といった点で、「皇室の品位」を損なうことはないと判断されたのでしょう。だから眞子さんとの結婚を認め、また圭さんの御家庭の問題の解決に尽力された。そのことについて、私たち国民は、皇室のみなさまの判断を信頼し、尊重すべきでしょう。 ****************** 昭和天皇は、はるか遠い場所からこの様子をご覧になって、こうおっしゃっているのではないでしょうか。 「ウン、あの青年、いいじゃないか、眞子、これから二人でシッカリと生きていきなさいよ」 皇室の方々は、昭和天皇の思い出とともに生きていらっしゃいます。昭和天皇が、自らの命を、何に捧げられたか。上皇陛下と美智子さまが、どのような生き方をされてきたか。そのことを考えると、皇室の皆様は、まちがいなく自分たちには自由はないと考えていらっしゃるはずです。皇室の品位を守り、国民の幸せと世界の平和のために、尽力する。そのような者として、自分は、生まれた。生まれてしまった。その運命の中で皇室のみなさまは、必死に生きていらっしゃる… 「自制」とか、「公的」とか、「私的」とか、そういう話は、どうでもいい。誰のための話ですか、それは。 大国主様に助けられたウサギより
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ウサギと申します。私は天皇というテーマについてまだまだ勉強が足りないため、なるべく皆様の議論の邪魔をしないようにとコメントを控えております。しかし、今回の眞子さまと圭さんの記者会見を見て、またそれについての the_kさま、max301さま、たちのダイアローグを拝見して、ひとこと申し上げたくなりました。皆様のダイアローグを邪魔するつもりはありませんので、見苦しければスルーしてくださいませ。
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眞子さまの会見の中にあった、「私と圭さんを応援してくださった方々に感謝しています」という言葉のなかの、「応援してくださった方々」の中には、ご自身の両親である秋篠宮ご夫妻はもちろんのこと、今上陛下、雅子さま、さらには上皇陛下、美智子さまなど、皇室の皆様が含まれているものと推察されます。
これまでの眞子さまの行動は、これらの「応援してくださる方々」との緊密な意思疎通を経て、慎重に行われてきたのでしょう。従って、眞子さまの行動を批判するという事は、実質的に、皇室全体の対応・姿勢を批判することになるでしょう。
このことをふまえた上で、いま一度、現在の皇室が我々国民にとってどのような存在であるかを考えてみます。明治帝が、皇室の諸々の行為は憲法に基づいてなされると自己規定なさって以来、皇室の皆様は、自分たちは国民の意思に反した行いをすることはできない、という姿勢を堅持なさっています。
皇族の皆様は、多様な公務に携わっていらっしゃいます。このことについて、我々国民がまず弁えておかなければならないことは、皇族の皆様はあくまでも自らの「好意」によって、そうした公務についてくださっているということです。
皇室典範の第十一条には、「臣籍降下」に関して次のような規定がありますす。
「年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」
これはつまり、もし万が一、皇室の皆様が皇室会議によって、全ての者が皇族の身分を離れて一般人になると決定なさった場合には、これを妨げる方法は何もないということです。これ以上は嫌だ、自分たちは自分たちで生きていく、とおっしゃる方々に、無理やり公務を強いることはできません。
かくして、現在の天皇制は、あくまでも皇族の方々の好意によって成り立っています。好意とは何か。日本国語大辞典には、それは「人に対していだく、親切な心。その人のためを考えてしようとする気持ち。」とあります。この皇室の皆様の「親切な心」は、具体的には、次の上皇陛下と今上陛下のお言葉に表現されているのではないでしょうか。
【上皇のおことば(平成28年8月8日)】
「即位以来,私は国事行為を行うと共に,日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を,日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として,これを守り続ける責任に深く思いを致し,更に日々新たになる日本と世界の中にあって,日本の皇室が,いかに伝統を現代に生かし,いきいきとして社会に内在し,人々の期待に応えていくかを考えつつ,今日に至っています。
私が天皇の位についてから,ほぼ28年,この間、私は,我が国における多くの喜びの時,また悲しみの時を,人々と共に過ごして来ました。…日本の各地,とりわけ遠隔の地や島々への旅も,私は天皇の象徴的行為として,大切なものと感じて来ました。皇太子の時代も含め,これまで私が皇后と共に行って来たほぼ全国に及ぶ旅は,国内のどこにおいても,その地域を愛し,その共同体を地道に支える市井の人々のあることを私に認識させ,私がこの認識をもって,天皇として大切な,国民を思い,国民のために祈るという務めを,人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,幸せなことでした。」
【即位礼の際の今上天皇のおことば】
「上皇陛下が30年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御み心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに、国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。」
皇族の方々の好意とは、この最後の今上陛下のおことばにある通り、「国民の幸せと世界の平和」を実現するために自らの身を捧げるという意思、ということになります。
今回の会見で眞子さまは「婚約に関して圭さんが独断で動いたことはない」と述べられました。圭さんの御家庭に関する、眞子さまと皇室の皆様の対応(介入)も、「国民の幸せと世界の平和」を実現するためにはどのような対応をすべきか、という高貴な問題意識から行われたものであることは、疑いの余地はありません。
天皇と皇室の皆様は「国民の幸せと世界の平和」を、伝統によって鍛えられた、清浄にして高貴な「畏き力」によって実現しようとされます。この「畏き力」を守るためには、小林先生がおっしゃるように、皇室は、低俗な批判にいちいち反論することによって「皇室の品位がガタ落ちになってしまう」事態は避けなければなりません。同様に「皇室の品位」を守るためには、圭さんの御家庭の問題も皇室として適切に対処しなければならない、ということになるでしょう。。
眞子さまとその周囲の皆様は、小室圭さんの家庭の問題を解決するために力を注ぎました。なぜか。皇室関係者は、小室圭さんについて、当然ながら、様々な方法で綿密な調査をなさったはずです。そしてその結果、皇室の皆様は、小室圭という一人の人間について、その誠実さ、芯の強さ、自立心といった点で、「皇室の品位」を損なうことはないと判断されたのでしょう。だから眞子さんとの結婚を認め、また圭さんの御家庭の問題の解決に尽力された。そのことについて、私たち国民は、皇室のみなさまの判断を信頼し、尊重すべきでしょう。
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昭和天皇は、はるか遠い場所からこの様子をご覧になって、こうおっしゃっているのではないでしょうか。
「ウン、あの青年、いいじゃないか、眞子、これから二人でシッカリと生きていきなさいよ」
皇室の方々は、昭和天皇の思い出とともに生きていらっしゃいます。昭和天皇が、自らの命を、何に捧げられたか。上皇陛下と美智子さまが、どのような生き方をされてきたか。そのことを考えると、皇室の皆様は、まちがいなく自分たちには自由はないと考えていらっしゃるはずです。皇室の品位を守り、国民の幸せと世界の平和のために、尽力する。そのような者として、自分は、生まれた。生まれてしまった。その運命の中で皇室のみなさまは、必死に生きていらっしゃる…
「自制」とか、「公的」とか、「私的」とか、そういう話は、どうでもいい。誰のための話ですか、それは。
大国主様に助けられたウサギより