希蝶 のコメント

 今夜もぎりぎりですが、コロナ論3篇最後なので、ちぇぶラージオの投稿をいたします。

・ラジオネーム:希蝶
・年齢:56歳
・性別:男
・職業:清掃業

〇 コロナ論3第17章の感想
 私が「ブラック・ジャック」で「腫瘍狩り」以外で印象に残っている話は、「ちぢむ!」というエピソードです。ブラック・ジャックの恩師の一人である戸隠医師がアフリカで動物や人間の背丈が縮む病と格闘し、やがて感染してブラック・ジャックの手当の甲斐もなく、小人となって死んでゆくという物語です。この話を読んでも、手塚治虫がヒューマニズムだと語れる人はいないのではないのでしょうか。
 「火の鳥」では「生命編」で、青居というハンティング番組のプロデューサーがクローン人間のハンティングを考案し、南米へ行ったら、火の鳥ののろいによって、自分がクローン人間に分けられてしまい、番組の狩りの対象にされてしまう、というストーリーで、火の鳥は永遠の命どころが、何と残酷なことをするのだろう、たとえその青居というプロデューサーに視聴率稼ぎのよこしまな気持ちがあったとしても、と感じました。玉川徹あたりに読ませたいエピソードです。ブラック・ジャックや火の鳥にはほかもひどい物語がかなりあり、ここから私たちは生命至上主義を学ぶことが可能なのか、と思います。
 宮崎駿に関しては、映画のナウシカや、もののけ姫あたりしか知らないので何とも言えないのですが、エボシ御前の腕がもげたり、シシ神様の無惨な首の刈られ方を見ていると、これも決してヒューマニズムとはほど遠いものだ、と思います。かつてはこういうふうな話はたくさんあり、むしろ今の私たちの方が、デオドラント化した綺麗事を見せつけられているようで、偽善に満ち溢れており、虫酸が走るような感じです。
 この章では触れられてはいない話を一つします。ゲゲゲの鬼太郎のアニメ版に、「地相眼」という話がありました。第二次大戦で引き揚げてきた日本兵、安井が妖怪の領域にはいりこんでしまい、たまたまへそに赤い玉、地相眼をあててしまい、その力で財を成すのだけれども、安井の息子がかわりの地相眼にさせられるという話で、薄れゆく意識の中で、息子は、人はいつから「経済効率」のみに生きるようになったのか、と自問自答してゆく場面が印象に残っています「戦後二十五年」というセリフが時代を感じさせるけれども、その時から日本人はどれだけ進歩しているのでしょうか。これもヒューマニズムとはほど遠い、単なる「戦争反対」とは異なる、人間の愚かさを感じさせるエピソードだと思います。長くなりましたが、こんなところです。人間も自然の一部で、決して優遇されているわけではない、その通りでしょう。

〇 コロナ論3最終章の感想
 先にライジングの感想で赤川次郎の「善人村の村祭」をあげましたが、この章で描かれているコロナ禍の日本人と共通しているように思えます。くどくなるので繰り返しませんが、詳しくは先に記したこと(>>171)を読んでみて欲しいです。「栄誉なき蕩尽」は日本人の世間による善意から来ており、その根は深いように感じられます。よかれと思ってしていることが、意識するにせよ、しないにせよ、大いなる悪と残虐に繋がっており、どうしたら、その根を断ち切ることができるのか、そして、断ちきってよいのか、そこには美点もあったはずだ、という迷いもあります。しかし、ここまで弊害を招き、人間の自由を制約してしまうのなら、何らかの形で変えなければならないと思います。猫の首に鈴をつけるのは誰なのか、そのことが試されているような気もします。

 以上、ぎりぎりで、あまりうまい感想にはなりませんでしたが、参考になれば幸いです。
 それでは今晩の放送と、コロナ論4出版後の放送を期待します。ただ、コロナ論4の頃には、こんな阿呆な騒ぎ、栄誉なき蕩尽が終結していますように。

No.193 36ヶ月前

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